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こういったストーリーの殺人では・・2
最近読んだ漫画に出てきた設定です。 三人組が、カップルを次々と襲っていきます。まずカップルの、女の方を暴行し始め、男の方に 「恋人を強姦されたくなければ自殺して見せろ」 と要求。自殺しないとほんとに輪姦してしまう、という。 ところがある時、本当に自殺する男が出た。 さてこの場合、この三人組はどのような罪状がつくのでしょうか? その作品内では、「…舌を噛み切って死んでいたから、確実に問えるのは傷害と婦女暴行未遂のみで、法的には殺人にはならない」という落ちがついていましたが。 知人の弁護士にそれとなく聞いてみたところ、確かに殺人罪は適用されないとのことでしたが…。
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> 一応要件(1)(2)(3)の全ては満たしていたようです。自殺させてみよう、と…。 > そうなったら面白いんじゃなかろうか、と…。一方でほんとに自殺するとは思っていな > かったらしく。矛盾した精神ですがしかし、見ず知らずの相手を襲撃する人間の心性な > んてそんなものかとあんまり深く考えずに読んでいました。 > ところで、やっぱり「強姦する」程度では、殺人罪は問えないのでしょうか。「自殺し > なきゃ殺すぞ」でなくては?女性にとって殺人に等しい行為でも? について 「自殺させてみよう、と…。そうなったら面白いんじゃなかろうか、と…。一方でほんとに自殺するとは思っていなかった」 上記のように、犯罪結果に対する真意『確定的な故意』があるとまでは言えないけれども、犯罪結果が起きても良いと考えていることから、このような心理状況を『未必の故意』と称しまして、「犯罪の故意あり」と考えられております。 従いまして、何度も申し上げておりますように、この場合『自殺教唆罪』が成立することは間違いないものと思われます。 問題なのは、『殺人罪』が成立するかどうかです。 『殺人罪』が成立するためには、(1)「殺意」、(2)「殺害の実行行為」、(3)「人の死という結果」の3要件が必要であるということは以前申し上げた通りです。 「自殺させる」意思を、「殺害する」意思と同視することが出来ると考え、(1)の要件は満たすと考えることが出来るとします。 最大の問題は、ご質問のような自殺を強制する行為が、(2)の要件「殺害の実行行為」と考えることが出来るかどうか、この一点にかかってきます。 強制の内容・程度など、犯人側の行為を総合して考え、「そのような行為をとれば、通常、人は自ら死を選ぶであろう」といえるかどうか、つまり、犯人の行為が、「通常の人の感覚からすれば、人を殺すことが十分に可能である」といえるかどうか、という問題です。 これが「言える」ということになれば『殺人罪』が適用になりますが、「そうとまでは言えない」と判断されれば『自殺教唆罪』止まり、ということになります。 『殺人罪(刑法199条)』が成立すれば、「死刑または無期もしくは3年以上の懲役」ですが、『自殺教唆罪(刑法202条)』止まりであれば、「6月以上7年以下の懲役または禁固」ということになります。 一般の感覚からすれば、「悪いことをした人間は厳罰に処するべきだ」とお考えになると思います。私も個人的には同意見です。 しかし、日本の刑法は、犯罪が成立する場合を非常に厳格に審査して判断します。 その基本には、 「犯人にも基本的人権がある。神ならぬ人が同じ人を裁く以上、その犯罪認定と処罰はなるだけ控えめにするべきだ。そして、犯人を厳罰に処することよりも、なるだけ校正させて社会復帰させよう。」 このような意識が働いているものと考えられております。 しかし、この考え方は、被害者としては「納得できない」結論になることも多いと思います。 そうそう、今まで言うのを忘れていたのですが、もし男性を数人で取り押さえて身動き取れないようにしていたとすると、『逮捕罪(刑法220条):3月以上5年以下の懲役』も成立します。
お礼
ありがとうございました!結局この回答が一番肝にして要で、わかりやすかったような気がします。