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理想分極性電極について教えて下さい。
理想分極性電極とは、ファラデー電流が全く流れず、 完全に電気二重層としてのコンデンサとして振る舞うというもので、 その代表的なものに水銀滴下電極が挙げられます。 そこで質問なのですが、水銀滴下電極にファラデー電流が全く流れない、 ということは酸化還元反応が全く起きないということになりますが、 これはなぜなのでしょうか? 水銀の特性なのか、滴下しているためかどちらなのでしょうか? また、酸化還元物質を溶液に溶かしても酸化還元反応が起きないということなのでしょうか? それと理想分極性電極として水銀滴下電極以外にありましたら 教えて下さい。
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前提をきちんと理解していないから,話がかみ合わないのです. 1) 電極を電極不活性な電解質のみを含む水に入れた場合であること. 当たり前ですが,酸化還元するような物質を入れては分極もへったくれもありません.ポーラロを引き合いに出すまでもありません. 2) 電位がいわゆる充電領域の範囲であること. たとえ 1) の条件を満たしていても,水自体が電気分解できるわけで,十分に大きな電圧をかけていれば,やはり理想分極挙動になんかなりえません. では,なぜ滴下水銀電極が理想分極電極に近いものとして挙げられているのか. これは,白金と比べてみるとわかるのです.白金は,水素発生の過電圧がほとんどなく,ほぼ理論電位で水の還元分解がおこります.一方,水銀の水素過電圧は異常に大きく,水銀カソード上では,他のどんな電極材料でもありえないくらいに大きな過電圧をかけて,はじめて水素発生がおこります.これはカソード掃引の方向には非常に広い範囲にわたって分極状態になるということがあります. このようなことがおこるのは,ひとつには水銀が液体であって,その表面に水素吸着のおこるような活性なサイトが存在しないことがあります.滴下水銀電極の強みは,常に新しい表面を作りながら使っていることにあります.そのために,溶液等からのコンタミによって表面に水素発生サイトができてしまったりすることを未然に防ぎつつ,常時,水素過電圧の大きい表面状態を維持できるということがあるのです.
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>酸化還元反応が起きない 酸化還元反応が起きなかったらポーラログラフィーは測定出来ません。
お礼
ありがとうございます。 でも水銀滴下電極は理想分極性電極である という風に「ベーシック電気化学」の教科書に載っていますけれども、これはどう考えれば良いのでしょうか?