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12族元素について教えてください。
12族元素は遷移元素には属していないが、よく似た点もある。どのような点が遷移元素と似ているのか述べよ。また、遷移元素と決定的に異なる点は何かについても述べよ。 調べてもあまり納得のいくものが見つからなかったので、 ご存知の方、教えてください。
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遷移元素というものを、d軌道に空きがあるものと考えた結果が、『12族元素は遷移元素ではない』とすることの根拠です。d軌道がわからないのであれば説明困難ですけど、周期表の遷移元素のところは周囲よりも1段低くなっていますよね?それはd軌道と呼ばれる電子の軌道に電子が入っていっている状態を意味します。12族というのは、それがちょうど満員になり、入り終わった位置になるんです。 それで、遷移元素と似ている点というのは、その12族の元素が陽イオンになったときは、電子を放出しますので、上記のd軌道に空きができます。言い換えれば、イオンになった状態では遷移元素に相当する電子配置をとることになります。12族の元素が容易に陽イオンになりやすいことは周知の事実であり、それが遷移金属と類似の性質を持つことは上述のように電子配置を考えれば納得できると思います。
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- 101325
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> この説明は、根拠ではなく、後付の理由ですよね。 はい、そうです。そのとおりです。言葉足らずですみません。以下は、回答が長くなりすぎたのと上手くまとまらなかったので、#4の回答から削ったものです。 ---------- ネットであやふやな知識を集めるよりも、「どんな答えが欲しいのか」を出題者に尋ねたほうがいいと思います。「決定的に異なる点」というのは、#1さんと#2さんの回答にあるとおり、d軌道の充足に関する話で間違いないと思います。ですけど、 ・一昔前(二昔前?)までは12族元素も遷移元素に分類されていたこと ・最近では遷移元素と12族元素を一まとめにして、#2さんの回答にあるようにdブロック元素と呼ぶことが多いこと を考えると、遷移元素と典型元素の間の線引きというのは、便宜的なものだと私は考えています。また、遷移元素の特徴として、例えば http://www.keirinkan.com/kori/kori_chemistry/kori_chemistry_n1_kaitei/contents/ch-n1/3-bu/3-2-D.htm には (3) 一般に密度が大きく,Scを除き重金属である。融点・沸点も高く,融解熱も大きい。比較的硬い。 (4) 有色の化合物が多い。 (5) 単体のイオン化傾向は比較的小さく,また反応性も小さい。 (6) 同一元素で,いくつかの酸化数をもつものが多い。 (7) 錯イオンをつくる。 のような性質が挙げられていますけど、これらの性質はpブロックの金属元素(Al,Ga,In,Tl,Sn,Pb,Bi)のいくつかにも見られるものですから、12族元素は遷移金属元素よりもむしろpブロック金属元素に似ているところが多いような気もします。 ---------- 読み返してみると「これらの性質はpブロックの金属元素のいくつかにも見られる」という表現はちょっと問題があるかなと思います。ただ、上の性質(3)~(7)について真面目に考え始めると、結局は各論になるので面倒なんですよね。また、出題者が欲しがっている「決定的に異なる点」は、d軌道の充足に関する話で間違いないはずです。それを欲しがるのが正しいかどうかは別として。
- potachie
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> 遷移元素というものを、“中性原子または陽イオンの状態で”d軌道に“中途半端な”空きがあるものと考えた結果が、『12族元素は遷移元素ではない』とすることの根拠です。 これ、歴史的な経緯を無視しています。 化学は結果、物性を追究する学問です。この説明は、根拠ではなく、後付の理由ですよね。「追証」をしている部分で「根拠」ではありません。 周期表による元素の分類は、もともと短周期表によるものしかなく、その時期には、12族は遷移元素に分類されていました。 その後、長周期表が考えられ広まると共に、12族という概念が生まれ、これらのグループは、単体の性質として、典型元素に分類し直したんです。 化学の説明としては、説明の向きがちょっとヘンですよ。
- 101325
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> 遷移元素と決定的に異なる点は何かについても述べよ。 遷移元素というものを、“中性原子または陽イオンの状態で”d軌道に“中途半端な”空きがあるものと考えた結果が、『12族元素は遷移元素ではない』とすることの根拠です。 「陽イオンの状態で」という但し書きが必要なのは、ふつう遷移元素に分類される11族元素のCu,Ag,Auも、中性原子のときには12族元素と同じようにd軌道が充足しているからです。化合物や水溶液などの中では、Cu^2+やAu^3+などのようにd軌道が空いた陽イオンができることから、11族元素は遷移元素に分類されます(銀が陽イオンになるときには、1価のAg^+になることが圧倒的に多いのですけど、Ag^3+やAg^2+を含む化合物もいくつか知られています。あるいは銀の金属単体を自由電子と陽イオンからできているとみなしたときに、4d電子のうちの幾つかが5s電子と同じように自由電子になる、と考えてもいいです)。 「中途半端な」という但し書きが必要なのは、これがないとd軌道が完全に空いている1族元素と2族元素が遷移元素に含まれてしまうからです。 > 遷移元素と似ている点というのは、その12族の元素が陽イオンになったときは、電子を放出しますので、上記のd軌道に空きができます。言い換えれば、イオンになった状態では遷移元素に相当する電子配置をとることになります。 12族元素が陽イオンになるときには、s電子を放出してイオンになります。イオンになった状態でも、d軌道は満員のままで空きはできません。 > 遷移元素の性質は、このd軌道やf軌道が充足されていないために、s軌道よりも外側にも広がり 3d軌道や4d軌道は、基本的には、それぞれ4s軌道や5s軌道よりも内側にあります。3d軌道や4d軌道の広がりは、それぞれ3p軌道や4p軌道と同じくらいです。 > 複数のイオン価をもつというのが、遷移元素と同じかな。 12族元素の陽イオンは原則として2価です。水銀は1価になるのでは?と思われるかもしれませんが、酸化数1の水銀イオンの正体は、[HgHg]^2+という二原子イオンです。Hg^+という単原子イオン(または[Hg(H2O)n]^+という錯イオン)は、化学的に極めて不安定で、化合物や水溶液の中にはありません。
- potachie
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仕組み、ではなく、性質の面で回答しますね。 複数のイオン価をもつというのが、遷移元素と同じかな。 あと、配位子の問題ですが、有色の結晶やイオンを持つ元素もあります。これも遷移元素に多い特徴です。 遷移元素の特徴として、単体の融点が高めで、固い金属が多いというのがあります。典型元素の単体は、気体や液体のものが基本で、固体でもナトリウムのように柔らかいモノが多い。 もっとも、ダイヤモンドのような例もありますが、同素体の黒鉛は柔らかいですよね。
- ORUKA1951
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12族元素は、[希ガス電子配置](N-1)d^{10}(N)s^{2} Nは周期(4-5)および[Xe]4f^{14}5d^{10}6s^{2}の水銀の元素で、Dブロック元素と呼ばれます。 他のDブロック元素と異なるのは、d軌道が充足している点が挙げられます。遷移元素のように、d軌道の電子が外部の電場で分極を起こしやすいことが、同じs^{2}を持つ典型元素である2族の元素との違いを作ります。 遷移元素の性質は、このd軌道やf軌道が充足されていないために、s軌道よりも外側にも広がり、s軌道に対する核電荷の遮蔽効果が少ないなどの性質を持つ。これが結合力の強さ(一方の水銀は融点が常温以下)や、多種類の酸化数を示すのです。