- ベストアンサー
ボルツマン因子の物理的な意味と分配関数の他の意味について
- ボルツマン因子やギブス因子は統計物理の分野で使用される概念であり、ある状態の確立を表します。
- ボルツマン因子やギブス因子の数学的な意味合いと物理的な意味合いは異なります。これらは確立を表す数学的な量であり、物理的な意味合いはエネルギーの分布や熱力学的な性質と関連しています。
- ボルツマン因子やギブス因子を用いた計算は、物質のエネルギー状態や熱平衡の確率分布を解析するために使用されます。分配関数はエネルギー状態の数学的な合計を表し、規格化定数としての意味合い以外にも物質の状態数や熱力学的な性質を表すことがあります。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
ボルツマン因子は以下のような考察から簡単に導出できます。 温度Tの外界に接する系A,Bがあり、両者の運動が独立であるとする。 A,Bがエネルギ状態Ea,Ebにある確率をそれぞれPa(Ea),Pb(Eb)とすれば、 ABが1つの系としてE=Ea+Ebのエネルギを持つ確率P(E)は P(E)=Pa(Ea)Pb(Eb) ただし E = Ea + Eb この式をEaで微分すると dP(E)/dEa = {dPa(Ea)/dEa}*Pb(Eb) = dP(E)/dE*dE/dEa = dP(E)/dE つまり dP/dE = Pb*dPa/dEa 両辺をP=PaPb で割ると (dP/dE)/P = (dPa/dEa)/Pa 左辺はEだけの、右辺はEaだけの関数であるから、この式が成立する ためには両辺がある定数に等しくなければならない。 (dP/dE)/P = const = -β P(E) = const* exp(-βE) つまり熱的に接触する熱平衡にある系がエネルギEを持つ確率として 求まります。 βは気体分子運動論から 1/kTと定められます。 exp(-E/kT)は統計力学の計算で頻繁に出てくるのでボルッマン因子と 呼ばれますが、今日ではこの呼び方はあまり一般的では無いようです。 確率ですから可能なエネルギEの全てに付いての積分を取り規格化する 必要が有ります。 この積分(和)が分配関数と呼ばれますが、物理的な意味は可能な エネルギEを取り得る状態の数です。 No.1の回答に有るように分配関数からは種々の熱力学的量が求められます。
その他の回答 (1)
- htms42
- ベストアンサー率47% (1120/2361)
ある状態に分布する粒子の数n1とそれよりもエネルギーがE大きい状態に分布する粒子の数の比n2/n1がexp(-E/kT)になります。 これを物理的な意味であると考えてはいけないのですか。 >ある状態の確立に比例する(テーラー展開等によって得られた結果)…という事項が出てくるのですが この因数をテーラー展開ででてきたものと考えているのでしたら物理的な意味があるものだとは理解できなくなるかもしれません。 ボルツマン分布の導出はたいていの統計力学の本には載っているはずです。 全エネルギー一定、粒子数一定の条件で実現確率の一番高い分布になっています。場合の数Wを最大にするような分布です。 普通はラグランジュの未定乗数法を使ってこの条件付の最大値の問題を解いています。 Wが最大値をとっているときのlnWはエントロピーに結びつきます。温度はそこからでてきます。 分配関数はZ=Σexp(-βEi) (β=1/kT)です。 規格化定数です。これを特に分配関数と呼んでいるのはエネルギーの平均値が <E>=ΣEipi=-(dZ/dβ)/Z で与えられるからです。 もしエネルギー順位が等間隔であればEi=iεです。 Zは等比数列の和になりますからすぐに求められます。βでの微分もすぐにできます。 こういうことも教科書には載っているはずです。
お礼
ご回答ありがとうございます! >>普通はラグランジュの未定乗数法を使って… そのような解法があるとは知りませんでした。もっと勉強いたします。 ありがとうございました。 質問が良くなかったようなので、経緯を書かせていただきます。 実は去年に統計に精通している友人に教えてもらっていた際に、 「分配関数(ギブス和だったかもわかりません…)って何かわかってる?」と言われ、 「ある状態である確率がボルツマン因子に比例することから得られた規格化定数だー」と言ったところ、 「それは数学的な意味合いであって、物理的な意味合いではない。」とばっさり切られました… それから分配関数についてずっと考えているのですが、いまだに規格化定数という意味以外の考えが浮かびません。 もしよろしければ、分配関数について規格化定数以外の意味について」ご教授お願いしますm_ _m
お礼
お礼が遅くなってしまい大変申し訳ありません。 ご回答ありがとうございました。