>この懸濁液1400μlにどのくらいの量のサイトカインを入れたら、50ng/mlの濃度になるか
と書かれている事からしますと、懸濁液にはサイトカインが全く含まれていない、という事なのかと思います。
そして、このサイトカインが含まれていない懸濁液1.4mlに、濃度5μg/mlのサイトカイン溶液を加えて、サイトカイン濃度50ng/mlの懸濁液を調整したい、という事なのだと思います。
懸濁液やサイトカイン溶液の溶媒の種類に関する記述が無い様ですが、例えば水とエタノールの様に、溶媒の種類が異なる溶液を混ぜ合わせると、出来た溶液の体積は、元の2種類の溶液の体積を合計したよりも少なくなる場合がありますから、溶媒の組み合わせによっては、単純には計算が出来ない場合もあります。
ですから、以下の回答は、溶媒の種類が異なる場合には、当てはまらない、という事をお忘れにならないで下さい。
50ng/mlとは0.05μg/mlという事ですから、
5μg/ml÷0.05μg/ml=100
で、100倍に希釈すれば良い訳です。
つまり、懸濁液とサイトカイン溶液の混合後の体積が、元のサイトカイン溶液の体積の、100倍になるようにすれば良い訳です。
一方、混合後の体積は、懸濁液とサイトカイン溶液の体積を、足し合わせた体積に(ほぼ)等しいのですから、懸濁液の体積は、混合後の体積からサイトカイン溶液の体積を、差し引いた体積になります。
混合後の体積:サイトカイン溶液=100:1
なのですから、
懸濁液の体積:サイトカイン溶液の体積=(混合後の体積-サイトカイン溶液の体積):1=(100-1):1=99:1
という事になり、サイトカイン溶液の体積は、懸濁液の体積の99分の1である事が判ります。
懸濁液の体積は1400μlですから、サイトカイン溶液の体積は、
1400μl÷99≒14.14μl
となり、14.14mlの1000分の1という、微量になります。
この様な微量の体積を正確に計量する事は困難ですから、通常は5μg/mlのサイトカイン溶液を希釈して、もっと濃度低いサイトカイン溶液を調整して使います。
例えば、5μg/mlのサイトカイン溶液を、20倍に希釈(19倍の体積の溶媒を加える)した溶液は、250ng/mlサイトカイン溶液になりますから、必要な体積は、
懸濁液の体積÷((サイトカイン溶液の濃度÷混合後の濃度)-1)=1400μl÷((250ng/ml÷50ng/ml)-1)=350μl
になります。
但し、この方法では、懸濁液に含まれている他の成分を、より一層希釈してしまいますから、他の成分を希釈してしまっても構わない場合にしか、使えません。
それと最後に、上記の計算で求めた14.14μlという値は、あくまでも一般的な濃度調整方法で、単純にサイトカインの濃度のみを調整するだけの場合、においての計算結果に過ぎないものです。
従って、一部の専門分野の範囲においてのみ通用する、特殊な常識といったものには、対応してはおりません。
例えば、私は医療や生理学の専門知識に詳しくはありませんが、万が一、質問者様の御専門分野において、サイトカインを添加する際には、何か他のものも同時に加える事が、常識であった場合には、他のものを加えた分だけ混合後の体積も変化しますから、上記の計算通りにはなりませんので、御注意されます様に御願い申し上げます。
お礼
解りやすい説明ありがとうございました!