• 締切済み

職務著作について教えてください

職務著作について教えてください 以下の条件で、誰に著作権・著作者人格権が帰属するか、どなたかお詳しい方、解説ください。 X美容室のオーナーXは、雑誌広告に使う写真が必要だったため、X美容室で働くA美容師に「写真を撮っといて」言いました。A美容師は、カットモデルのヘアカットを、自分のデジカメを持参し、自分が良いと思う感じで写真を2枚(写真1、写真2)撮影しました。写真1はX美容室の宣伝広告として雑誌に掲載されました その後、A美容師は、X美容室を辞めて独立し、A美容室を開きました。A美容師は、A美容室の宣伝広告のために、写真を撮る時間がなかったため、以前、自身でとった写真をA美容室の宣伝用に使うことにしました。 質問1:写真1の著作権・著作者人格権は誰に帰属しますか。 質問2:写真2の著作権・著作者人格権は誰に帰属しますか。 以上、どうぞよろしくお願いします。

みんなの回答

  • hukuponlog
  • ベストアンサー率52% (791/1499)
回答No.1

微妙な部分が有ることは確かですが 著作権・著作者人格権共に「どちらの写真もX美容室に帰属する」と考えた方が良いでしょう。 まず写真1に関してですが、こちらは間違いなくX美容室に帰属します。著作権法第15条 「法人その他使用者(以下この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。」 普通に考えて、その写真を撮影する際に、著作権の帰属について特段の契約をしているとは考えられませんから、その場合は法人としてのX美容室(または使用者X)に帰属すると考えるべきです。 次に写真2の方ですが、こちらについても判例が出ています。簡単に言えば、公開されていなくても、今後公開する予定がある著作物に関しては、職務著作の範疇であるということです。「今後公開する予定」というのは、明示的に「いつ」と決まっている必要はなく、公開する可能性があればそれで良いということになっています。ということは、現時点で使われていない写真であっても、職務著作物になるということです。 「微妙」といったのは、その部分で、つまり2枚の写真データをそのまま渡して、「こちらを使おう」としたのか、それとも出来の良い方(写真1)だけをデータとして渡したのか、という点です。前者なら、写真2も著作権はXに帰属するでしょう。この辺りは、日常生活の流れの中の話ですから、分からないのですよね。 さて著作者人格権ですが、これが問題となるのは、著作権者と著作者が別の場合のみです。つまり、何らかの事情(主には金銭的譲渡)で著作者と著作権者が異なる場合には、元の著作者(A美容師)に人格権は残ります。しかし、質問の事例の場合、既に述べたように前提として著作権がX美容室にあるということですから、著作者人格権も当然X美容室に帰属します。 こちらについても判例が出ていまして、平成 20年 (ワ) 52号 損害賠償請求事件です。 この事件は、写真の著作権の帰属と勝手に使われたことに関する著作者人格権侵害への損害賠償を求めた裁判です。 「本件写真については職務著作が成立し,本件写真の著作者は被告であると認められる。よって,その余の点について判断するまでもなく,原告の請求には理由がない。」 つまり、「職務著作で、元々の著作権が被告にある以上、(撮影者の)著作者人格権の侵害云々なんてあり得ないでしょう」という判決です。

関連するQ&A