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胎児期の眼・目蓋の形成過程って?
胎児期の眼や目蓋の形成過程はどのようなものでしょうか? 眼球が作られながら、だんだん目蓋の切れ目が顔面に出来てきて、開けるようになるのでしょうか。 先日テレビで、眼が非常に小さい(目頭から目じりの長さが極端に短い)方を見たのですが、親に似たというレベルではなく、目蓋の形成が充分にできなかったのではと感じました。 何らかのエラーによりそういうことが起こる可能性はありますか?
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こんばんは. >『胎児期の眼・目蓋の形成過程って?』 >胎児期の眼や目蓋の形成過程はどのようなものでしょうか? >眼球が作られながら、だんだん目蓋の切れ目が顔面に出来てきて、 >開けるようになるのでしょうか。 文章と少ない画像だけでご理解いただけるのか心配ですがご説明を試みます. 一々の用語についてまで詳細を述べるとなると, 記述の時間や紙面容量の関係から対応は不可能と言う事をご理解ください. つまり,ここでの説明は概略を述べるに留めますので, ここでの用語や内容について,記述以上の知識を求められる場合, その説明は他の人に譲りたいと思います. 【ヒトの胎芽期における目の発生】 受精後3週目のヒトの『胎芽』(まだ胎児とは呼びません)の, その大きさは2ミリ程度の極小サイズです. それでも,既に人体各器官の基になる『胚葉』は3分化しており, それぞれの器官の機能を持つまでに成長するべく細胞は増殖し, 各器官に相応しい形と機能を備えてゆきます. これが『細胞分化』と言われる各器官の目的別に, 細胞が特殊化してゆくことです. 『添付画像0』は,子宮に着床した受精3週の『胎芽』の様子です. この時期には,神経細胞は明確に区別されます. 神経管によって縦長に裂けてできた溝がみられます. その両側の溝の稜線に沿って走る白い線が『原始神経細胞』です. 胎芽の稜線上部で開いて膨らみを持つ部分が『前脳』です. 【目は脳の一部が突出した器官】 受精3週のこの時期の『前脳』から,1対の茎が伸びだします. 茎の先端は徐々に肥大し,「ビー玉」の形状を呈する様になります. つまり,将来の眼球となる部分です. その伸びた球体部が顔の外皮と接すると, 皮膚は内側にめくれ陥没をはじめます. 『添付画像の1』の画像が,胚芽に見られる陥没部分の映像です. 『添付画像の2』受精5週になった目の外見の様子. 『添付画像の3』受精6週半になった目の外見の様子. 『添付画像の4』受精8週になった目の外見の様子. 呼称も『受精卵』から『胎芽』となりますが, 胎芽期には「人体の基本的な形態の構築を完成」し, 『胎芽』はこれ以降『胎児』と名称が変化します. 『添付画像の5』は受精13週目の子宮内で育つ胎児の『目』の様子ですが, ご覧のように『まぶた』は,この週では既に完成しています. 簡単に言うと, 受精直後の13週目までにできた原始的な脳(前脳)から, 管が伸びその後『眼球』となる先端が,顔面の皮膚に接触すると, その皮膚の表側が陥没をはじめ, 最終的には眼球上部の皮膚が瞼を形成するのです. >先日テレビで、 >眼が非常に小さい(目頭から目じりの長さが極端に短い)方を見たのですが、 >親に似たというレベルではなく、 >目蓋の形成が充分にできなかったのではと感じました。 >何らかのエラーによりそういうことが起こる可能性はありますか? 1つの細胞である受精卵から, 身体をくまなく網羅する機能も形も違うさまざまな器官を, 適材適所に配置するための,細胞の分化~成長を誤り無く指示するのが, 各細胞に納められたDNAに保存されている遺伝情報です. DNA情報が誤っていたり, DNA情報を転写する際に必要な情報が欠損していると, その遺伝情報が司る部分で, 本来とは違った異常な発育を引き起こしたり, またはその器官の成長が停止します. 生物の身体は,最初は全て一個の『卵細胞』からスタートしますが, 成長段階にあわせ,さまざまな器官へと形態や構造が変化してゆくのです. それが『細胞の分化』と言われるものです. その際に複雑な細胞分化の作業指示が適切に届かないと, 成長の段階で成長が停止したりして, または構造や機能が結局正常な器官として完成しません. つまり,DNA情報に基づき人間の身体を構築する際に, 情報の一部が欠損していたりすると, 正常な発育ができなくなるのです. それが原因で『先天性の障害』となる事が多々あります. ご質問のお役に立てばと, 仕事の休み時間に暇をみては書き足しながら, 今夜も作業計画の予定を終えてここまで書きました. 文章表現が下手で話題も重複・前後するなど, 冗長な文章になってしまいました. 明日の予定もあり読み直す暇がありません. 脱字や誤字があることも考えられますが, その際は機知にてご判断されご笑納ください. この回答が, ご質問者さまの疑問解消の一助になれば幸いです.
お礼
お忙しい中大変詳しい回答をくださり、ありがとうございます。 私がテレビで見た方は、目の部分の皮膚の陥没が不完全なまま終わったのかもしれませんね。 ほかに、顔の骨も含め全身の骨格にもゆがみがあったようで、テレビを見た時くる病という言葉が思い浮かびました。 その番組というのが、容貌に悩む女性をメイク、ファッション、整形手術などで美しく変身させるというものだったのですが、 瞼が重く垂れ下がる眼窩下垂や、顔の骨に歪みのある人、歯が反っている人が多いのが印象的でした。 親からの遺伝ではなく、何らかの発達のエラーではと思ったのでした。