- ベストアンサー
弦のクローズボイシング
弦のアレンジはオープンボイシングが基本だそうですが、クローズボイシングにする場合もありますか?その場合はどのような場合ですか?
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
>弦のアレンジはオープンボイシングが基本だそうですが、クローズボイシングにする場合もありますか?その場合はどのような場合ですか? 「弦」とは、編曲における「ストリングス」パートのことでしょうか? ストリングスパートは、四声体が基本ですが、それは、バイオリン2、ビオラ1、チェロ1のメンバーがそろっているときで、編曲の手法としては、メロディーに対して、普通に下にコード内音のみの三声をぶら下げてヴォイシングをし、書きあがったら、メロのすぐ下にある声部をオクターブ下に移して、四声体にするので、オープンになります。 このように第二の声部をオクターブ下に移す編曲手法を、「ドロップ・ツー」と呼び、オープンヴォイシングの基本です。 しかし、チェロが居ないときは、同様にドロップ・ツーにして、結果としてビオラでカバーできる音域であれば、同じようにオープンにしますが、ビオラでカバーできない音域になる場合は、第二声部をバッサリ削除して第三・第四の声部のみで鳴らします。 この場合は、クローズドになります。 また、奏者が四人いても、コードを三声のままにして、クラシカルに鳴らす場合は、メロディーをオクターブで重複させ、その間をコード内音で埋めることがあり、その場合もクローズドになります。 もちろん、奏者がバイオリニスト二人だけで、ビオラもチェロもいないのであれば、誰がアレンジしてもバイオリン1&2のハモリになり、クローズドになります。 ポップスの場合、コードネームが「C」と書いてあっても、「C6」あるいは、「CM7」と了解してヴォイシングします。すなわち、本来3音からなるコードをそのままに使わず、「付加音」を加えて4音構成のコードにします。 この場合は、同音のオクターブ重複なしで、四声体になります。 コードの付加音の例は以下のとおりです。(一例です) C→C6、CM7にする Dm→Dm7にする Em→Em7にする F→F6にする G7→G7またはG9にする Am→Am7にする Bdim→Bdimのまま このように、「音を付加して」四声にします。 これを基本に、メロディーに対してヴォイシングすると、重複音なしでクローズドになります。しかし、メロディーとスグ下の声部は、激しくぶつかり合う場合があるので、その声部をオクターブ下にするので、自然にオープンになります。これが「ドロップ・ツー」の原理です。 四人の奏者が揃わないときには、この第二声部を取り去ることが多く、その場合はクローズドになります。 実際の奏者を使わずに、打ち込みでやる場合は、バイオリンンの2声でハモらせるか、四声のドロップ・ツーのオープンでやるかのどちらかで、わざわざサウンドの薄いクローズドでやる必要はないと思います。 ストリングスをクローズドでやるのは、たいていは奏者がそろわない(費用の点でも)場合であり、理想はオープンの四声と考えるのが良いと思います。 また、四声体のオープンヴォイシングなどは、メロディーを打ち込んでコードネームを書き込めば、あとはソフトがやってくれますので、勉強中の人以外は、手動で打ち込む人は少ないと思います。
お礼
どうもありがとうございます!大変勉強になりました。^^