- 締切済み
自然対数の底eについて
微積における自然対数の底eの扱い方がよく分かりません。 教科書にはe^xは微分してもe^xになるという性質が書かれていますが、その後すぐにその練習問題が続いていて理由や考え方が全く理解できません。イメージが掴めず、実際の計算でどう処理すればいいのかも分からないまま、授業の流れに任せて進んでいってしまい分からずじまいに。 その後微積の応用でeが入った問題が頻繁に出てくるようになり、なんとか理解しようと友人や先生に聞いてみましたが満足な回答は得られませんでした。 現在は受験に向けて様々な演習問題を解いているのですが、eについてはいまだにきちんとした理解が出来ず、学校で過去問を解いたときにもeが入っている問題は必ず間違ってしまいます。解説を聞いてもe自体がよく分かっていないのでさっぱりです。 こんな私でも分かるように、eについてなるべく分かりやすく説明していただけないでしょうか。
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
みんなの回答
- ricardo_
- ベストアンサー率19% (14/72)
「1kgの物体に1秒で1m/sの速度変化を与える力を1ニュートン」 と言うように、全部が1で出来ていると理解し易い。 私は「1,1(イチイチ)の法則」と名付けています。 1メートルと言う単位が有りますが。宇宙の大きさを考えるときには、「太陽から地球までの距離を1とすると、」とか「光が1年で進む距離を1として、」と言う具合に基準となる1を変えないと分かり難い。しかもこれらは、切りの良い関係にある訳ではない。どれかを1にすれば、他は切りの悪い端数の付く値になってしまいます。 扱う対象によって、どれを1にすると都合が良いのかが分かれます。 我々は10進数で暮らしているので、10を底にすると 1,10,100,1000 が切りの良い値になって都合が良い。 微積分の時には、e^0の傾きが1になるのが都合が良いのです。「1,1(イチイチ)の法則」に上手く合うのです。 円を考えた場合はどうなるでしょう。コンパスで円を描く事を考えると半径を先に決めて円周が求まりますね。 半径が切りの良い数で、円周が切りの悪い数になります。 地球の場合は外周を4万Kmに決めたので、半径が切りの悪い数になります。 eは切りの悪い数に見えますが、微積分の用途にには切りの良い数なのです。
- proto
- ベストアンサー率47% (366/775)
自然対数の底と名が付くからには対数の方からeを考えてみるのも良いと思います。 いまa(>0,≠1)を底とするx(>0)の対数をlog[a](x)と書きます。 このlog[a](x)を定義に従って微分する事を考えましょう。 (log[a](x))' = lim[h→0]{(log[a](x+h)-log[a](x))/h} = lim[h→0]{(log[a]((x+h))/x)/h} = lim[h→0]{(1/h)*log[a](1+h/x)} ここでk=h/xと置くと、h→0のときk→0であり (log[a](x))' = lim[k→0]{(1/x)*(1/k)*log[a](1+k)} = lim[k→0]{(1/x)*log[a]((1+k)^(1/k))} いま1/xはkによらない係数だからlimの外に出すことが出来る。 = (1/x) * lim[k→0]{log[a]((1+k)^(1/k))} さらに対数関数の連続性より = (1/x) * log[a](lim[k→0]{(1+k)^(1/k)}) よって、対数関数を微分すると1/xに何か係数が掛かったものになることがわかった。 いま先ほどの右辺にある対数関数の真数部分に注目すると、 lim[k→0]{(1+k)^(1/k)} この極限はある有限な値に収束することが証明できる。 この極限を lim[k→0]{(1+k)^(1/k)} = e と書くことにして、先ほどのlog[a](x)の微分の結果を書き直すと、 (log[a](x))' = (1/x) * log[a](e) となることが分かる。 先ほどから底がaの対数を考えていたが、特別に底がeの対数を考えると便利である。 なぜなら、底がeの対数を自然対数と呼びlog[e](x)=ln(x)と書くと、 (ln(x))' = (1/x)*ln(e) = (1/x)*log[e](e) = 1/x となり、非常に簡潔に書き表されるからである。 このように自然対数の底eは(ln(x))'=1/xという式を成り立たせるために重要な定数であり、指数関数の底としての意味よりもこちらの意味の方が大きいと個人的に思う。 (余談になるが、ln(x)=∫[1→x]{1/t}dtとし、右辺によって対数関数を再定義する場合もあるくらいだ。(ln(x))'=1/xという式の重要性がわかると思う) さて、指数関数はこの自然対数の逆関数 x = ln(y) とのとき y = e^x と定義できる。 そして指数関数の微分法則(e^x)'=e^xもここから導かれる。 実際、 y = e^x 指数関数の定義より、 ln(y) = x 両辺をxで微分すると、合成関数の微分法より、 (1/y)*y' = 1 y' = y (e^x)' = e^x となる。 これは正に、(ln(x))'=1/xとなるように自然対数の底eを定めた結果である。 一度、自分自身で対数関数を定義に従って微分してみてください。 自然対数の底はなぜeでなければならないのか、なぜeの定義はlim[h→0]{(1+h)^(1/h)}なのか分かるかも知れませんよ。 指数関数と対数関数は裏表の関係にあります。対数関数を理解することで、指数関数についての理解も深まるでしょう。
- R_Earl
- ベストアンサー率55% (473/849)
指数関数の微分だけに絞って話をします。 高校数学では 「h → 0の時の(1 + h)^(1/h)の極限値を計算してみると2.718…のような数になる。この数をeで表すことにした」 という風に言われてますが、この点は大丈夫ですか? 高校数学では、これがeの出発点です。 > 教科書にはe^xは微分してもe^xになるという性質が書かれていますが、その後すぐにその練習問題が続いていて理由や考え方が全く理解できません。 指数関数を微分したものは、「元の指数関数を何倍かしたもの」になるという性質があります(後で示します)。 たとえばy = 3^xを微分したものは、大体y' ≒ (1.099)・3^xとなりますし、 y = (1/2)^xを微分したものは、大体y' ≒ (-0.693)・(1/2)^xとなります。 これは指数関数を微分の定義通りに計算すれば分かります。 f(x) = a^xと置き、定義に従って微分すると (h → 0の時の極限をlim[h → 0]{ ~~~ }と書きます) f'(x) = lim[h → 0]{ ( f(x + h) - f(x) ) / h } = lim[h → 0]{ ( a^(x + h) - a^(x) ) / h } = lim[h → 0]{ ( a^(x)・a^(h) - a^(x) ) / h } (a^(x + h) = a^(x)・a^(h)と分解) = lim[h → 0]{ ( a^(x)・( a^(h) - 1 ) ) / h } (a^(x)で因数分解) = a^(x)・lim[h → 0]{ ( a^(h) - 1 ) / h } となります。 つまりa^(x)をxで微分すると「a^(x)をlim[h → 0]{ ( a^(h) - 1 ) / h }倍したもの」になります (aの値によって、何倍されるかが変わるのが分かると思います)。 a = 3ならlim[h → 0]{ ( a^(h) - 1 ) / h } ≒ 1.099となり、 a = (1/2)ならlim[h → 0]{ ( a^(h) - 1 ) / h } ≒ -0.693となるということです。 微分すると何倍かしたものになるということになるのですが、 そうなると「1倍になるものは何だろう?」という考えが出てきます。 a^xは微分するとlim[h → 0]{ ( a^(h) - 1 ) / h }倍されるので、 lim[h → 0]{ ( a^(h) - 1 ) / h } = 1が成り立てば 「a^(x)を微分してもa^(x)のまま」という状況になりますよね? 実はlim[h → 0]{ ( a^(h) - 1 ) / h }を計算しようとすると、 一番最初に書いた「h → 0の時の(1 + h)^(1/h)の極限値」という話が 偶然(?)出てくるんです(後述)。 そしてlim[h → 0] { ( a^(h) - 1 ) / h } = 1となるaがいくつになるかを考えると、 「aの値がeの時である」という結論が得られます。 lim[h → 0]{ ( a^(h) - 1 ) / h }の算出は以下のようになります。 **************************************** lim[h → 0]{ ( a^(h) - 1 ) / h }において、 分子a^(h) - 1をtとおきます。 ここでa^(h) - 1 = tからa^(h) = (1 + t)、 よってh = log_a(1 + t)となります (log_a(1 + t)は「底a, 真数(1 + t)の対数」としておきます)。 さらにh → 0の時t → 0となるので lim[h → 0]{ ( a^(h) - 1 ) / h } = lim[t → 0]{ t / log_a(1 + t) } となります。これをさらに進めていくと lim[t → 0]{ t / log_a(1 + t) } = lim[t → 0]{ 1 / ( (1/t)・log_a(1 + t) ) } (分子分母をtで約分) = lim[t → 0]{ 1 / ( log_a( (1 + t)^(1/t) ) ) } (mlog_a(n) = log_a(n^m)) = 1/log_a(e) (分母はt → 0の時、eに収束) よってlim[h → 0]{ ( a^(h) - 1 ) / h } = 1/log_a(e) **************************************** 以上より、 「a^xを微分すると、a^xを1/log_a(e)倍したものになる」 という結論が得られます。 「1/log_a(e)倍」が「1倍」になるのは、a = eの時となります (log_e(e) = 1なので)。
- Tacosan
- ベストアンサー率23% (3656/15482)
いろいろな定義が考えられるのですが, 「指数関数 a^x を微分しても a^x のままであるような a」が e と言うこともできます.