私は素人ですので、あまり詳しいことはいえませんが…
遺伝子組換えと、クローンの技術は、まったく別のものです。 手法そのものも、技術を使う目的もまったく違いますので、植物か動物かという区別では分けられません。
遺伝子組換えは、特定の能力を与える遺伝子群を、意図して生物の中に組み入れる、人為的な「遺伝子操作」の手法です。
農作物であれば、農作物とは異なる種の虫が寄り付きにくい植物Bがあるとして、その植物Bが持っている虫を寄り付かせない原因となる物質を生成する遺伝子群を探り出し、その遺伝子群を遺伝子組換え技術を使って農作物となる植物Aの中に組み入れて、虫に寄り付かれにくい農作物A'を作る、というような操作をしたりします。
また、もともと植物が自己生成できる必須の栄養源を生成する遺伝子を欠損させて、その必須の栄養源を供給する特定の肥料を与えないと枯れてしまうような仕掛けをすることも、遺伝子組換えでは可能と思います。
他にもいろいろな可能性があるでしょう。 成長速度の異常に早いものとか、収穫物のサイズが非常に大きいものなどを作ることも可能かもしれません。
対して、クローン技術というのは、特定の個体の遺伝子のコピーをもつ個体を作る技術です。
Aという個体が持つ遺伝子を、遺伝子の内容にはまったく人為的な操作をすることも無く、そのまま丸々コピーしてBという個体を作ることは、クローニングになります(人為的操作が入ったら、遺伝子組換えになりますね)。
同種の生物の間でも、有性生殖をしている限りは、個体が違えば細部の遺伝子は一つ一つ異なるようになっています(一卵性双生児などを除く)が、クローニングされた場合は完全に細部に渡るまで遺伝子が一致する個体が複数できることになります。
動物のクローン技術として近年盛んな体細胞クローンは、体細胞から細胞の核を抜き出し、それを同種の動物の卵細胞の核と置き換えて移植し、クローン胚として同種の動物の胎内に入れることで出産させるという手法だったと思います。
このとき、遺伝子の内容には人為的な操作は加わりません。 ですので、これは遺伝子組換えとは別の技術ということになります。
参考になれば幸いです。
お礼
ご回答ありがとうございます。 大変参考になりました。 無知な素人である私にも大変分かりやすく、かつ 丁寧にご回答いただき本当にありがとうございました。