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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:新型インフルについて )

新型インフルについて

このQ&Aのポイント
  • 新型インフルの特徴と対策について解説します。
  • 呼吸器内での増殖を防ぐための予防方法についてご紹介します。
  • 弱毒性ウイルスの感染経路と胃腸への影響について詳しくお答えします。

質問者が選んだベストアンサー

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noname#160718
noname#160718
回答No.1

 獣医師でウイルスに専門知識を有しています。  インフルエンザの場合、高病原性とか強毒型などという言葉は、非常に混乱した使い方をされています。  高病原性とはhighly pathogenicの訳なのですが、インフルエンザでの"高病原性"の本来の定義は、「鶏に全身感染を起こすウイルス」です。  もっと詳しいことを書けば、全身感染型でない(つまり呼吸器&腸管限定型)ウイルスであっても、鶏に感染実験をして致死率が75%以上であれば「高病原性」になります。75%以下であってもトリプシン非添加条件の培養細胞で増殖したりHA開裂部位のアミノ酸配列が高病原型だったりすれば「高病原性」になることがあるのですが、これまでに発見された「高病原性鳥インフルエンザ」のウイルスは全て全身感染型ですし、呼吸器&腸管限定型のウイルスが「高病原性」になる可能性もほとんどないと認識されているので、事実上、「高病原性」=「全身感染型」です。  この全身感染は鶏での定義なのですが、現在は鶏の高病原性ウイルスがヒトにも感染が確認されており、これがそのままヒトへの親和性を高めてヒトで流行するようになると非常な脅威となる、というわけで、「ヒトに対する高病原性ウイルスが出現するかも」ということが恐れられているわけです。  で、混乱するのは、元がhighly pathogenicですから、これは普通に「強毒性」とも訳せてしまうわけです。  ですから、「強毒性」という言葉も「全身感染型」という意味で使われることがあります。  今回の新型インフルエンザが流行し始めた時、「このウイルスは低病原性です」ということがWHOや厚労省からアナウンスされましたが、この時の「低病原性」は「全身感染型ではない」という意味でした。  ところが、「今後この新型が強毒型に変異するかもしれない」ということが最近よく言われていますが、ここでの「強毒型」は全身感染型という意味ではなく、「単に病原性が強くなる」という意味なのです。  というのは、今回の新型インフルエンザウイルスはH1N1亜型なのですが、「全身感染型」という意味での「強毒型」に変異する可能性を持つのはH5かH7亜型に限られる、と認識されているからです。(アジアで鶏→ヒト感染を起こしているのはH5N1の"強毒型")  ま、適当な訳し方がないので混乱するのも仕方ないのですが・・・  というわけで、 >強毒性にはならないけど、高病原性になる可能性はある  は、"一応"間違っているのですが、それは本来は「強毒性」も「高病原性」も、どちらも「全身感染型」という意味で使うことに"一応"なっているからです。  ここで「強毒性」を「単に病原性が強い」という意味で使えば、 ・高病原性にはならないけど、強毒性にはなる可能性がある  という文章が正しいことになるのですが・・・まああまり上手い言い方ではないですね。その逆、つまり「高病原性」を「単に病原性が強い」という意味で使うことはまずありません。  なぜなら、「高病原性鳥インフルエンザ」という言葉が法律(家畜伝染病予防法)できちんと定義されているからです。この定義が上に書いた定義です。  ちなみにこの上の定義(致死率75%、トリプシン非添加での培養、HA開裂部位のアミノ酸配列)の内、致死率だけは「単なる病原性の強さ」を見ていることになるのですが、他の2つは「全身感染型であるか否か」を判定するパラメータです。で、現在のところ、全身感染型でないのに致死率が75%に達するほど病原性が強いインフルエンザウイルスの存在は確認されておらず、これからもあり得ない、と"一応"認識されています。でもまったくあり得ないわけではないから、法律には「全身感染型でない強病原性のウイルス」もちゃんと"高病原性鳥インフルエンザ"になれる書き方をしているというわけです。 >呼吸器の粘膜あたりが常に洗い流されている状態ならば、 >体内では増えることができないってことでしょうか?  ウイルスは(インフルエンザウイルスに限らず)細胞内に侵入して増殖するので、細胞内に侵入されてしまってはうがいなどでどれだけ「細胞の外」を洗っても無意味です。 >胃腸にくる風邪、というのがたまにありますが、それらは強毒性なのですか?  インフルエンザウイルスは、元々腸管でも増えることができます。鳥類では腸管でもよく増えてますし、自然宿主であるカモ類では腸管での増殖の方がメインです。  ですがヒトの場合(豚もですが)は、口から入ったウイルスが胃酸によって死滅してしまい、胃を通過することができないので、「インフルエンザウイルスによる感染性胃腸炎」はほとんど起きません。  「胃腸に来る風邪」というのは、インフルエンザではない別のウイルス(細菌も?)によるものがほとんどです。  手に付着したインフルエンザウイルスは、口から咽喉頭に達してそこで増殖します。そこで増えたウイルスは気管内にも入り、気管や気管支の粘膜でさらに増殖し、発症するわけです。うがいでは「気管粘膜」を洗うこともできないですしね。 >高病原性っていうのは、 >かかったときのダメージが大きいから、致死率が増えるってことですか?  ま、そりゃダメージが大きいから「病原性が高い」というのですが・・・  インフルエンザで「高い病原性」を示すメカニズムは1種類ではなく、いくつかあります。  全身感染型は気管や気管支だけでなく、血流に乗って全身臓器に運ばれて、そこでさらに暴れるわけですから、病原性が高くなるのは容易に理解できると思います。  また、ウイルスが感染すると身体の免疫系が反応してウイルスを排除しようとしますが、この免疫系を暴走させることによって高い病原性を持つ場合もあります(サイトカインストーム)。スペイン風邪などがこのタイプだったということが判っています。今回の新型も、このタイプに変異することが当面恐れられています。  というわけでほんの基礎的なことだけ説明してみました。

noname#100122
質問者

お礼

とってもとってもわかりました!あれ?と思ってたところが、 いくつも、解決しました。 親切に丁寧に答えていただき感謝です。

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