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CT装置の長所・短所
放射線に関して学習しているものですが、まだ初学者なものでわからないことが多々あります。 その中でCT装置の長所・短所が書かれている(具体的な内容が)参考書がなかったもので、もしわかるようであれば箇条書きで構いませんので教えていただけると助かります。 よろしくお願いします。
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MRIとCTの比較ですが、MRIを理解してもらうのは非常に難しいところです。 一般的にMRIは水素原子核の結合状態を画像化しているという認識で捉えられています。簡単に言うと、水なのか脂肪なのか蛋白質なのかです。という面から、MRIでは体を構成している物質の状態が分かる(水なのか脂肪なのか・・・)といえます。ただし、1種類の画像ではなく数種類の画像の組み合わせから判断します。T1強調画像、T2強調画像、水抑制、脂肪抑制画像、プロトン密度画像などです。それに対し、CTではX線の通り抜け具合(CT値といいます)で画像を作りますので、同じ通り抜け具合の物質は区別がつかないという欠点があります。脂肪や水、空気・骨などCT値の違う物質は分離できます。CT値の同じ血管(血液)と心臓や肝臓、脾臓などの臓器は造影剤という薬を使って撮像することで分離することが可能です。ただし、この造影剤という薬は検査薬で、稀に副作用を起こすことがあります。MRIにも造影剤というものがありますが、副作用の頻度は少ないといわれています。 MRIは水素密度の少ない部位(肺やかたい骨の部分など)は不得意としています。また、その境界もサセプタビリティといって、磁化率の急激な変化が画像に歪みを生じる原因となります。 MRIの場合には撮影する付近に磁性体の金属、あるいは磁石等があると、撮影範囲から外れた位置にあっても画像に歪みなどの影響を与えることがあります。しかし、CTでは撮影範囲に入っている金属はアーチファクトと呼ばれるうその像ができる場合がありますが、範囲外であれば影響を受けません。 MRIは磁場と電波を利用して画像を作りますので放射線による被ばくはありませんが、CTはX線を使用しますので被曝があります。 検査時間はCTのほうが断然早く、撮影できる断面は決まっていますが、細かく断面をとることで、後から立体的に様々な断面を画像処理により作成することができます。一方MRIは様々な断面を撮像することができますが、検査をする種類が多いため、検査時間は長くなります。 MRIは撮像時に工事現場のような大きな音がしますが、CTは機械が回転する音なのでそんなに大きな音ではありません。 頭の検査で比較をしますと、CTで得意なのは出血性の病変、脳梗塞、骨折などですが、生命維持装置がついたままでも検査可能で容易に早く検査できますので、手術後の経過観察などで多く利用されます。 一方MRIでは、脳梗塞(特に早期の微小梗塞)や脳内の浮腫性(むくみ)変化はもちろん、出血(経過の時期も推定できる)もある程度見ることができます。その他、造影剤という薬を使用せずに特殊な方法を用いて血管だけを描出することも可能です。ディフュージョンと呼ばれる方法を利用すると、早期の脳梗塞、脳塞栓が分かります。ただし、体内に金属(ペースメーカーや脳動脈クリップの一部など)がある場合は検査室に入ることも許されませんので、生命維持装置が付いている場合はもちろん検査ができません。最近、f-MRIという脳の機能を見る検査もできるようになってきましたが、特殊な状況でなければできない検査ですので、どのMRIでもできるというわけではありませんが、今まで分からなかった非常に多くのことが分かるようになってきました。
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- o-rin
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こんばんは。 CT装置に関してどの程度の知識が必要なのでしょうか。 国家試験等を受ける専門の学校に通われている方なら専門の書籍を購入されると思いますので、専門ではない方ということで勝手に判断をして回答させていただきます。 CTの長所ですが、 ・体にメスを入れることなく(傷を付けずに)体内の状態を把握することができます。具体的には、断面の画像を作るわけですが、X線の透過度(通り抜ける力)の違いを画像化しています。骨や筋肉・脂肪といった組織の区別をつけることができます。画像上では、骨や金属のようにX線が通りにくいものほど白く(CT値が高いといいます)空気のようにX線が通りやすいものほど黒く(CT値が低いといいます)写ります。見た目の度合いだけではなくCT値というX線の透過度を示す数値により、数値化したデータで診断することが可能となります。そのため、レントゲン写真に比べてかなり多くの情報を得ることができます。 ・薄い断面で撮像した画像をコンピュータ処理をすることで、立体的な画像を作ることができます。 CTの短所ですが、 ・X線の被ばくがあります。体に大きな障害を残すような量は使いませんが、レントゲン写真に比べてX線の量は多くなります。 ・ベッドに寝た状態で撮影しますので、他の状態で(立ったり座ったり)画像を得ることができません。 ・CT値のかなり高い金属があると、アーチファクトと呼ばれるうその画像が出てしまうことがあります。 ・検査中に動いてしまうと同じようにうその画像になります。そのため、体を固定したり呼吸を止めたりします。 ・体の輪切り方向は非常に細かい断面で画像が得られますが、縦方向は細かい断面像にはなりません。最近、装置によっては縦方向も細かい情報が得られるものも出てきました。 いま、思いつくまま記載しましたが、造影剤を使った検査については除外しています。
補足
回答ありがとうございます。 ちなみに、内容が若干脱線するようですが、MRIに対してCTの長所・短所がわかるようであれば回答していただけると助かります。