- ベストアンサー
フィギュアスケートの芸術点の採点方法は・・・
2009年の世界選手権、国別対抗の真央ちゃんとキムヨナのプロトコルを見比べると、技術点では真央ちゃんが勝ってたり、負けていてもそんなに差はないような気がするのですが、芸術点で大きく差をあけられていることが多い気がします。 政治的な圧力がかかっている等いろんなことが言われていますが、次のオリンピックや世界選手権で真央ちゃんが芸術点でキムヨナに勝つのは難しいんでしょうか?芸術点の採点の仕方も教えてほしいです。
- みんなの回答 (5)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
- ベストアンサー
さて、浅田選手がキム・ヨナ選手に演技構成点で勝てるかどうかですが、 本当はどっこいかそれ以上の勝負が出来るのですが、今のまま(つまり浅田選手が取りこぼしたりしている状況)ではちょっと分が悪いです。一つ一つの要素で検証してみます。あくまでも私の主観ですので、参考程度にお願いします。 ・スケート技術 スケーターとしての能力だけ見れば浅田選手の方が色々出来ますので、本来は同じぐらいの点数8点台前半が二人ともに与えられてしかるべき要素です。しかし述べたように浅田選手は取りこぼしがあり、難しいジャンプに挑戦し、回転不足をとられたり、得意なはずのスパイラスで早く足を降ろしすぎたりしてしまうので、そこら辺をちゃんとしなければなりません。一方のキム・ヨナ選手は8.5点という事実上の満点をもらっていますが、明らかにこれは過大評価ですが、自分に出来る事をちゃんとわきまえていて、それをキチッとこなしているので評価され易いのです。でもジャンプの種類は少なく、体がやや硬いのでスパイラルの足上げやスピンの形、柔軟性などでは、浅田選手に遠く及ばないため、8点ギリギリが妥当です。しかしやはりスピードとエッジで氷を捕らえる能力は世界最高レベルでしょう。どっちもどっちで本来は五分五分の勝負になる要素です。 ・要素のつなぎ これは現在の状態では、キム・ヨナ選手の方がかなり優れているように思われる要素です。彼女はこの要素に関しては本当に上手です。要所要所に何気なく入れるターンや細かいステップは見ていて「お!今の動き良い!」とワクワクさせられます。アスリートとしての能力は下降していますが、この要素だけは、確実に名人なっています。で、浅田選手が大きく水をあけられているかと言えば、実際にはそうではありません。今季の彼女のEXのタンゴを見て下さっていれば分かると思いますが、浅田選手もあれぐらい素晴らしいつなぎが出来るのです。意識してやれば勝てずとも大きく離される事はないでしょう。 ・実行力/遂行力 これは現在では圧倒的にスピード感のあるキム・ヨナ選手に分があります。なんと8.7点ですよ!!しかし浅田選手も8.35という非常に高い点数をもらっているので、勝つためにはスピードを上げれば行けると思います。『仮面舞踏会』の見せ場のステップで証明したように、浅田選手は上半身と下半身をバラバラに動かしながらも調和をとりバランスを崩さないという驚異的な身体能力の持ち主です。あれはキム・ヨナ選手はどう頑張っても出来ません。転んでしまいます。キム・ヨナ選手の方がスピードに乗っている感じは遥かにありますが、明らかに自分のスピードに振り回される瞬間がスピンに入る直前などにありますし、軸もブレたり、姿勢も柔らかさに欠け、スパイラルの膝が曲がってたりと、そこら辺をジャッジがちゃんと評価しないのが不思議です。浅田選手は姿勢などの美しさは世界一なので、もうほんの少しスピードを上げ、ジャンプを正確に決められれば、五分五分の勝負か有利になると思います。 ・振り付け これに関しては来季のプログラム次第でしょう。浅田選手は何をやってくるか全く検討もつきませんが、キム・ヨナ選手は今季と同じか、かなり似たようなものを持ってくるでしょう。彼女はいきなり全く別の事をやるという状況に耐えられるようなタイプの選手ではないからです。EXのタンゴなどを見ても分かるように浅田選手の振り付け師のローリー・ニコルは非常に優秀(というか数少ない世界最高峰の中の1人)なコレオグラファーなので、今季の結果を踏まえて、最高のものを持ってきてくれると期待してます。今季の『仮面舞踏会』の評価が低かったのは、やはりメリハリがあまりなかったのと、曲に先行されっぱなし感が強かった所為でしょう。ずっと盛り上がりっ放しな音楽は振り付けにも影響を与えます。同じような振り付けでも選曲が違っていれば、もっと評価されたと思います。しかし(曲に振り回されたとはいえ)遥かに高度で、女子ではかつてないほど独創的な振り付けを施した浅田選手の『仮面舞踏会』の評価が7.95で、キム・ヨナ選手の『ジェラザード』の評価8.60はあり得ない数字です。あんな歴史にも印象にも残らなそうな振り付けが…!!!ジャッジはあれをかつてのどの振り付けよりも遥かに、月とスッポンほどに差があると見なしたのですよ!!笑いが止まりません。涙も… ・曲の解釈 これは間違いなく浅田選手の方が上の能力を持っていると思いますが、すでに述べたように選曲がものを言います。現在ほどの差が開いているのは結局、キム・ヨナ選手が『死の舞踏』『シェラザード』という、彼女の魅力を存分に引き出せる古典曲を選んだことによるのでしょう。しかし確かに認めざるを得ない出来の『死の舞踏』ついた曲の解釈が8.15で、まあまあの出来の(というか時々退屈してしまう)『シェラザード』が8.70というのは………(小声で「八百長を疑われてもしょうがない点数だと思いませんか?」) ということで、浅田選手は本当は十分勝てますが、今季の二の舞になると難しくなります。 本当はもう勝っているんですが、才能は才能、試合は試合ですから。 キム・ヨナあげあげ採点を疑うなと言っても、かなり無理な状況なので、 バンクーバー五輪にはある程度負け戦に行く武士の覚悟が必要です。 浅田選手は誰がどう見ても、キム・ヨナ選手よりも感動できる、つまり、 キム・ヨナ選手より低い点が出たら会場から大ブーイングが出るような演技をするしかありません。 バンクーバーでは実を結ばないかもしれませんが、 彼女はそれが出来る(八百長でさえ覆せる)世界でただ一人の選手だと私は思っています。 (おしまい) うわ、長い、自分で読み返すのも大変だ…
その他の回答 (4)
- nekoneko2002
- ベストアンサー率43% (387/890)
他の回答者の方たちが大変詳しく書いているので、私は自分の感想だけ書くことにしますが、 ヨナ選手と浅田選手の演技構成点が開いてしまっているのは、ヨナ選手と浅田選手の選曲&プログラムの差にあると思っています。 ヨナ選手は、今まで彼女にピッタリと合った曲とプログラムで演技をしてきています。一方浅田選手は、ノクターン以外彼女に合った曲とプログラム(特に選曲)に恵まれておらず、浅田選手が持つ、しなやかさと柔軟性を活かしきれていません。 選曲はとても大事で、自分がその曲で乗ることが出来て、気持ちよく演技をする事が出来れば、点にも反映してきますし、乗れない曲なら演技や点にも影響してしまうと思います。 OPでは、それまで以上に選曲が大事になってくると思います。 どちらの選手も、使用する曲がまだ発表されていませんが、ヨナ選手はカルメンを使用したいと言っているようです。 実際にはまだわかりませんが、万が一カルメンになったら、彼女なりにうまくこなしてしまうでしょう。 浅田選手がそれに立ち向かうには、柔軟性を十分に活かせるドラマチックで優雅な曲か軽いタッチのピアノ曲がいいと思います。 明るいワルツを演技させたら、浅田選手の右に出る選手はいません。 たとえヨナ選手であっても無理だと思います。 このような自分に合った曲で演技をすれば、ヨナ選手以上の点を取ることだって可能です。その力はありますから。 来季サーシャコーエンが復帰するようです。 彼女の復帰が浅田選手やヨナ選手に影響があるという噂もありますが、浅田選手にはたいして影響はないと思います。 影響があるとすれば、ヨナ選手の方でしょう。 コーエンは、ヨナ選手と同様演技力で点を稼いできた選手ですが、ヨナ選手と違うのは、柔軟性やポジションの美しいスパイラルを持っていることです。 例えば、コーエンとヨナ選手を比べて、演技構成点でヨナ選手が上だということは考え難いです。 コーエン復帰後は、彼女の演技構成点が基準になってくると思うので、ヨナ選手の点が下げられてしまう可能性があります。 そこで、コーエンと引けを取らない柔軟性を持ち、コーエン同等、もしくはそれ以上のポジションの美しさを持つ浅田選手の評価が高まるかもしれません。 こういったことから、OPでは、今までのようなヨナ選手の爆上げのような事はないと思うので、浅田選手が合った曲で自分の演技をこなせば、金も夢ではないと思います。
お礼
回答していただいてありがとうございます。 確かに今シーズンのFSの選曲とプログラムはどうかと思いますよね!!タラソワコーチにはなんらかの考えがあるのでしょうが、正直真央ちゃんファンとしては見ていて残念な選曲・プログラムでした。 来シーズンは真央ちゃんの魅力を最大限に引き出せるような選曲・プログラムであって欲しいです。 キムヨナの点数爆上げが抑えられそうなのは、うれしいニュースですね!!
>8掛けというのは、プロトコルのfactorの下に書かれている数字のことなのでしょうか。これをscores of panelの点数にかけて合計しているんでしょうか。 合ってます。 >以前の演技の方が素人目で見ていてすごく感動したし、今シーズンよりも優れているように感じます。 これもその通りです。というのもあの頃の浅田選手はエッジがどうとか、回転不足がどうとか、をほとんど考えなくて良く、「トリプルアクセルを2回跳ぶ」って事だけに集中できていたからです。 実に伸び伸び滑っていて、見ているこっちまで楽しくなったものです。 今は解説者まで「あ~今のは回転足りてないかもしれませんね~」とか 演技全体よりも細部にばっかり目が行ってしまっているので、 「本当はすごくかわいい女の子なのに、少し耳の形が変なことにばかり集中した途端、ネズミみたいに見えてきてしまう」というような現象がファンにも、選手自体にも起こっているのです。 その点なぜかキム・ヨナ選手は何も気にしなくて良いという、 一人だけ「君は君のままで良いから」と言われていて、 本人も清々しく滑れているというラッキーな女の子なのですよ。 どちらもトップの選手ですからそういった心理状態は如実に演技に影響が出ます。 そこまでは浅田選手が群を抜いている訳ではないのです。 「アレ、○○ちゃん耳の形変だね~」と言われれば、 今まで天真爛漫で気にした事もなかった自分の特徴が気になってしまい、 髪で耳を隠したくなる思春期の女の子のようなものなのです。 ですから「私は私のままで良い」と思った途端、浅田選手はかつての輝きを取り戻すでしょう。 だからタラソワも浅田選手「恋をしなさい」と言うのでしょう。 大好きな彼氏に「誰がなんと言おうと君が一番さ」と言われれば、世界は突然彼女を中心に回り始めるのですから。 もちろん恋をしなくても克服はできます。 それは18歳の女の子には少しハードルが高いですが、 彼女のフィギュアへの愛情がそのハードルをぶち壊す可能性はあります。 というか彼女は逆にそれぐらいフィギュアスケートから愛されていると思います。 どちらにしろこのハードルを超えられたら、それは偉業でしょう。 >でもやっぱり真央ちゃんのファンなので、技術点だけでなく演技構成点でも頑張ってもらって、以前のような感動するような演技を見たいと願っています。 私もです。 >選曲、振付が良く、技術的にはスピード、ジャンプのダウングレードが良くなれば、演技構成点でもキムヨナと互角以上に戦えるといったかんじでしょうか。 上の条件をすべて満たしたら、多分「バイバイ、ヨナちゃん。私はもう勝負にこだわらなくて良くなりました。先にフィギュアの神様に会いに行きます」ですね(笑) >FSの曲は真央ちゃんのイメージには合ってないし、難易度も高く体力的にも”表現”が難しかったんじゃないかと思います。 おっしゃる通りです。これは浅田選手もタラソワもわかっていると思います。 彼女はいつまでたっても少女のような感が抜けない選手ですからね。 ロシアのスルツカヤがそういったタイプの選手でした。 品のない言い方だと「エロティックなものが全然似合わない」 品のある言い方だと「いつまでたっても純真無垢な感がある」という事でしょうか。 これはマイナス点ではありません。 むしろ得難い個性で、巧く利用すれば、すごい武器になります。 >SPの曲は~インパクトが弱い選曲な気がしました。 それも多くに人間から指摘されています(し、実は私もそう思っていたのです)が、 キム・ヨナ選手の派手なSPとの差を明確にする意味では、 今の路線でも良いような気もします。 問題はリンクに真央ワールドを作れるか否かという事です。 ゆったりした選曲でも、みんなが魅入ってしまうような演技が出来れば、無問題です。 派手なものをやってもキム・ヨナ選手のSPと戦うのは少し分が悪いでしょう。 ノリの良いワクワク系なら浅田選手は得意なので、突破口はあると思います。 >タラソワコーチが今シーズンは挑戦の年と言っていましたが、フリーの難易度が高く、真央ちゃん曰くこなすので精一杯のプログラムにはどういった意図があったんでしょうか? タラソワの意図は、言った通り「挑戦」だと思います。 あのプログラムをこなしておけば、少し余裕のあるプログラムにするだけで、 浅田選手にとっては途端に楽になる可能性があります。 ドラゴンボールの悟空が着てるやたら重い道着のような効果を期待しているのかもしれません。 2009年初夏のある暑い日… タラ「はいマオ、新しいプログラムよ」 真央「…え、先生これじゃ簡単過ぎませんか?ステップも短いし、休める部分が多過ぎます。」 タラ「マオ、それは全然簡単なプログラムじゃないのよ。あなたは『仮面舞踏会』を演じたせいで気づかぬ内に感覚が男子並みになっちゃったのよ」 真央「はっ!!(すべてを理解して、笑顔)」 というような事があるのかもしれません。(笑) あるいはタラソワは浅田選手が2回は五輪に出ると考えているのかもしれません。 そのぐらい長~い視点で彼女を育てている可能性があります。 フィギュアを長年コーチングしてきたタラソワにとっても 浅田選手ほどの女子選手には未だかつて出会ったことはないでしょう。 いくらキム・ヨナ選手が最高の選手と言われようが、 コーチとしてどちらが魅力的な教え子か言われれば、 出来る事が限られているキム選手より、 浅田選手のダイヤの原石ぷりは、すごい魅力だと思います。 >ジャンプに関しては、3回転のコンビネーションがなかなか認定されないみたいだし、ルッツについては国別対抗では回避していましたが、来シーズンはどうするんですかね ルッツは今まさにこの瞬間も練習していると思いますよ(日曜は休養日かな、笑)。 問題はエッジエラーを気にしなかった頃ぐらいに体に馴染ませる事が出来るかどうかです。 浅田選手をバンク―バー後も現役を続ける選手として長い目で見るのならば、あせって矯正中のルッツに挑戦させる必要はありません。 確実に良くなっていますが、10年以上体に染み着いたクセを完全に矯正するのは 箸を持つ手を変えて焼き魚を奇麗に食べるくらい難しい事です。 でも彼女は出来ない事ことがあるのが我慢できないタイプの選手なので、 来シーズン序盤にはてんこ盛りプログラムを組んでくる可能性は大いにあります。 その後の調子如何で、バンクーバーでの構成を決めてくるでしょう。 3-3コンボが巧く行かない事もありますが、これも段々良くなっています。 彼女が挑戦しているのは、ヨナ選手は絶対出来ない3F-3Loという基礎点10点越えのかなりの大技ですし、 浅田選手がそこまで強かったら、他の女子選手はみんな金メダルのことなど考えなくなるでしょう。 ジャンプの基礎点だけでキム・ヨナ選手を含めた他の選手を5点も上回ってしまう、 強すぎる日本の2大ジャンパー(浅田・安藤)の点数を抑えるために改正されたようなルール下で、手もがれ足もがれのでよく戦っています。 でも今回のルール改正は、克服してしまえば、 浅田真央を『もう二度と出ない不世出の歴史的スケーター』に変えてしまう可能性があります。 ルールに立ち向かい続ければ、最終的には浅田選手に微笑んでくれと私は前向きに考えています。 応援するファンも実は選手と同じような心構えが必要です。 つまり「選手が最高の演技をすることだけ」を楽しみにして、 「順位はついて来ないかもしれないけど、まあ良いか。」と思う事です。 でも応援している選手が狙われているような不可解な採点はどうしても腹が立ちますけどね…(笑)
お礼
回答していただいてありがとうございました。 悟空の道着的な思惑はあったかもしれませんね(笑)でも課題であるルッツ・3-3のコンビネーションとプログラムが難しかったことで、シーズンを通して自信と勢いを失っていたような気がします。体力向上も大事ですが、それは別に持久トレーニングで鍛えて、試合のプログラムは彼女の得点を引き上げられて、表現力を磨けるようなものであってほしかったなと個人的に思いました。演技構成点でもっといい点が出ていれば、ジャンプに対する精神的な負担なんかももっと軽くてすんだんじゃないかと思います。 真央ちゃんの競技生活はまだまだこれからも長いでしょうから(たぶん)、ルッツのエッジ矯正やコンビネーションのループの成功率の向上なんかは頑張ってほしいですね!でももしバンクーバーまでに間に合わなければ、ルッツを回避したり、コンビネーションのループをトゥーループに変えたり、難易度を下げる等の、挑戦ばかりでなく堅実性の方にも目を向けてほしいです。 僕も今の日本女子に不利なルールの中でも、いつかは彼女はすばらしい演技をしてすばらしい結果を残してくれると思います。それがバンクーバーだったら嬉しいんですけどね!
演技構成点は、プログラム・コンポ-ネンツと呼ばれ、 シングル競技の場合、以下の5つの要素を10点満点で採点します。 (実際には10点は出ません。9点すら個々のジャッジが自国の選手などに時々出すぐらいで、最終的な点数は平均化されてしまううため、8.5点が出たらまあ満点の評価が出たと考えるのが普通です。それを超えたら「え!+目を擦ってもう一度確認する」です。キム・ヨナ選手には何度も「え!」させられています。) ・スケート技術(スケーティング・スキル、SS) 滑りの巧さの事です。何か一つの要素というよりは、トータルな技術力を判断します。バランスの良いスケーターである事が求められ、得手不得手がなく、滑りにクセがないほど高くなります。スピードの緩急のつけ方、エッジの正確さもここで評価されます。幅広い技術をもつ選手ほど評価されます。キム・ヨナ選手は男女含めて世界最高のスケーティングスキルを持っているらしいです。ほんとに!? ・要素のつなぎ(トランジション、TR) ジャンプやスピンなどの要素の間を美しく合理的につないでいるかを見ます。独創性や細かなターン、ステップの難しさが評価されます。浅田選手が以前やっていたトリプルアクセル前の軽いステップや、キム・ヨナ選手のダブルアクセル直前のイナバウアーなどが、ここで評価されます。 ・実行力/遂行力(パフォーマンス/エクスキューション、PE) 姿勢、身のこなし、要素を正確こなしているかなどを見ます。暗黙の事実ですが、スタイルが良い選手ほど有利という、ちょっと不公平な項目です。(もちろんジャッジは公正ですよ!)浅田選手とキム・ヨナ選手が高い得点を上げる要素です。(キム・ヨナ選手はスタイル抜群とはいえ、ちょっと出過ぎですが、加点がもらえるジャンプが多い彼女は必然的に点が上がる項目です。) ・振り付け(コレオグラフィ、CH) これは選手の能力というよりは振り付け師の能力が大きくなるとこです。(もちろん振り付けこなす選手側の能力が大事です。)技の割り振り方や、曲との調和など、色々判断基準があるようですが、一言で言えばジャッジが「良い振り付けだな~」と思うかどうかという、そのジャッジが「好きか。嫌いか」というのが影響してくる要素です。しかし優秀な振付師は選手のレベルに合わせ、審判員や観客が飽きないような素晴らしい振り付けを生み出す事が出来ます。ひょっとしたら順位の行方を左右する最も大切な要素かも知れません。「誰某のあのプログラムは良かった」という場合、半分以上は振り付け師の能力を褒めるようなものです。安藤美姫選手のコーチのニコライ・モロゾフなどが優秀な振付師(コレオグラファー)として引っ張りだこです。 ・曲の解釈(インタープリテーション、IN) 曲を表現出来ているか、旋律と演技のリズムが合っているかなどを評価します。盛り上がり部分でジャンプを入れたり、最後にスピンを持ってきたりすることが多いのはここでの評価を意識しての事です。要するにその選手の動きに音楽の方がついてくるような錯覚を感じさせられたら満点です。また選曲も重要になってきますし、その選手の雰囲気に合った曲を選ぶと良い評価をもらい易くなります。『トゥーランドット』や『シェラザード』など有名なものは、一種の古典ナンバーとして色々な選手に演じられます。 (No.3へ)
お礼
丁寧な解説ありがとうございます。大変勉強になります!!
「分割投稿を遠慮しろ」と言われても、詳しく説明しなければ答えようがないので、 分けて投稿します。 『芸術点』という呼び方は俗称で、正確には『演技構成点』と言います。 あくまでも個々のジャッジの主観でつけるものですので、明確な採点基準はありません。 つまりなんと言うか…オフレコですが…(小声で「八百長がやり易い部分でもあるわけです」)。 しかし、暗黙の採点基準というものは存在するようです。 (私は審判員でも連盟関係者でもないので100%とは言い切れませんが…) なんとなくの基準は、技術点とそれほどかけ離れないようにすることでしょうか。 女子の演技構成点だけは、技術点の一般的な男女比率から割り出した 『男子の80%』という数字を最後に掛けて計算します。 これは「ただでさえ主観で採点するもんだから、 女子が男子に近づいたりしちゃって。 それはあり得ないから、絶対に女子の点数が男子を超えないように0.8掛けましょう」という配慮です。 とはいうのものの、8掛け前の優勝した女子の演技構成点でさえ、 同じ大会で優勝した男子に近づく事はあっても上回る事は普通は絶対にないのです。 なぜなら技術点の差はすなわち表現する能力の差でもあり、 主観とはいえ長年フィギュアに関わってきたジャッジが、 男女のシングルペアもアイスダンスも沢山見てきた上で、 自分の中にある確固たるフィギュア定規を使って採点しているので、 男子は男子、女子は女子と別々に採点しても女子が男子を超えることはまず考えられないのです。 女子の演技構成点は一般的に言って(一般的に言って)、 スピードもあり、体力があり、トリプルアクセルや4回転ジャンプを普通に入れる男子よりは低くなるのです。 優勝するレベルの男子が8掛け前の女子の優勝者より低くなるのは、 女子に技術的にもよほどの天才(トリプルアクセルを2回入れちゃうとか)が現れ、 男子が近年稀に見るダメ選手ばかりで、 どいつも4回転は愚かトリプルアクセルがやっとだったときに起こる“かもしれない”ぐらいの事なのです。 そう考えると2009年3月27日はフィギュアにとって歴史的な日です。 ついに女性が男を運動能力で超える競技が出てきたのです。 こうは言っても、今まででも 「曲の解釈」の項目でならひょっとしたら男子を上回る 天才的な女子選手が出てくる可能性は普通にあったでしょう。 女子選手には男子選手にない「柔軟性」という武器がありますし。 しかしその場合その女子の選手は何か人間とは別次元にいるような選手です。 例えるなら、ご存知かどうか分かりませんが、 シンクロのヴィルジニー・デデューのような規格外選手でしょう。 まあもうあの日以来、浅田選手の8点台も普通になったようですし、 一度決壊したダムはもうどうにもならないでしょう。 トリプルアクセルを2回入れられて、男子並みのプログラムをこなせる体力の持ち主の浅田選手がいくつかのダムを壊す可能性は十分あったのですが… まさか…体力も筋力も柔軟性もないキム・ヨナ選手が全部のダムを壊しちゃうなんて…(No.2へ)
お礼
丁寧な解説ありがとうございます。 8掛けというのは、プロトコルのfactorの下に書かれている数字のことなのでしょうか。これをscores of panelの点数にかけて合計しているんでしょうか。(合ってますかね?)素人なもんで大変勉強になりました。 僕は、真央ちゃんが2006年の全日本選手権で200点越えをした時あたりからのファンなのですが、その時よりも今の方がジャンプ等のスケーティング能力、体力はもちろん成長しているのでしょうが、以前の演技の方が素人目で見ていてすごく感動したし、今シーズンよりも優れているように感じます。国別対抗のSPはすごく美しい演技だなと思いましたが。あくまで専門的な見方ではなく、素人の見方による印象です。逆にキムヨナの今シーズンの演技は、とてもすばらしく感じました。でもやっぱり真央ちゃんのファンなので、技術点だけでなく演技構成点でも頑張ってもらって、以前のような感動するような演技を見たいと願っています。
お礼
大変丁寧に答えていただいて、ありがとうございます。 選曲、振付が良く、技術的にはスピード、ジャンプのダウングレードが良くなれば、演技構成点でもキムヨナと互角以上に戦えるといったかんじでしょうか。 個人的に、今シーズンの特にFSの曲は真央ちゃんのイメージには合ってないし、難易度も高く体力的にも”表現”が難しかったんじゃないかと思います。SPの曲は優雅でゆったりとした感じが真央ちゃんにぴったりに感じましたが、インパクトが弱い選曲な気がしました。これも演技構成点が伸び悩んだ原因の一つなんじゃないかなと個人的に感じています。タラソワコーチが今シーズンは挑戦の年と言っていましたが、フリーの難易度が高く、真央ちゃん曰くこなすので精一杯のプログラムにはどういった意図があったんでしょうか? ジャンプに関しては、3回転のコンビネーションがなかなか認定されないみたいだし、ルッツについては国別対抗では回避していましたが、来シーズンはどうするんですかね。とにかく来シーズンも一真央ちゃんファンとして応援していきたいです。