- ベストアンサー
60年代前半の学力テスト廃止の理由
こんにちは。 質問はタイトルどおりなのですが、何故一時廃止になり再び復活したのでしょうか・・・? 又、(現段階でテスト結果が生かされているとはあまり思えませんが)当時の学力テストは子どもの教育に貢献していたのでしょうか? 一部主観的な意見が入ってしまい、不快に感じられた方には申し訳ありません; ご回答のほうよろしくお願いします。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
私も当時現場にいたわけではありませんから、あくまでも伝聞です。当時の「学テ」を巡って日教組が激しい反対闘争をしたことはよく知られています。 組合の主張は、「学力テストをすることは結果として、学校間・教員間の不毛な競争を生むことになる。また全国一律のテスト内容を課すことは教育の地域性や教育委員会の独立性を損なう、国による教育への「不当な支配」を助長する結果となる。」というものでした。 その主張自体の当否はともかくとして、事実各種の「弊害」も見られるようになりました。今回の「学力テスト」でも見られた事例ですが ・先生がこっそり回答を教える ・事前に予想問題、過去問題をやらせる ・学力テスト向けに補習をやる さらに、低学力の子供を休ませる、テストを集計から外すなどといった醜態が全国で報告をされました。また、都道府県教育委員会がテストの結果(順位)に一喜一憂するというのも、当時弊害として言われていました。 こうした事例が報道され、組合の運動も一層高まった結果として、文部省(当時)は昭和39年に事実上の中止を決定したわけです。 >何故一時廃止になり再び復活したのでしょうか・・・? 廃止の経緯は上記の通りですが、復活した理由はやはりOECDの国際テストの結果に見られた「学力低下」論が世論として後押ししたということでしょう。元々、(一部の)研究者の間では「悉皆調査を」という声はありました。けれども、予算(一回実施すれば50億です)を付けるとなれば、社会的な合意というか、後押しがなければとても無理なことです。 >当時の学力テストは子どもの教育に貢献していたのでしょうか? 実施の形態や狂乱ぶりを見るとメリットよりはデメリットの方が大きかったのではないかと推測します(この辺はそれほど詳しいわけではありません)。 例えば、60年代の学力テストで、香川県は4年連続で日本一を達成(それを記念するブロンズ像があります)しました。香川県では、平均点の底上げのために、本番2カ月前から連日、模擬テスト、朝夕の補習も続けたそうです。まさにテストのためのテストにしかなっていませんでした。 それが果たして正常な学校教育といえるでしょうか? 今回の唯一の救いは、文科省をはじめとする教育関係者が比較的冷静に対応をしていることで、結果を授業改善のための分析資料として活用する、という使い方ならそれなりに意味があると思っています。事実、いくつかの学校の結果を見ましたが、大変興味深いデータが見られ、学校に対してアドバイスをすることもできました。ただし、それなら順位を公表する必要など全くありません。
その他の回答 (1)
- Ama430
- ベストアンサー率38% (586/1527)
復活したのは、直接には2004年当時の中山文部科学大臣が、日教組を敵視していて、「日教組の強いところは学力が低い」と言いたいための資料づくりでスタートさせたと告白しています。 背景には競争原理至上主義の台頭があり、教育再生会議に代表される「思いつき教育改革」が市民権を得てしまうマスコミの問題意識の弱さがあったのではないかと思います。 ちなみに、予算は実施前年度が29億円、初年度が77億円、次年度以降が60億円くらいずつかかっているということです。 50億円は、問題の発送・回収・採点・返送を担当した初等中等教育局の予算で、これとは別に問題の作成と結果の分析を担当した国立教育政策研究所が10億円以上使っています。 60億円は、年収600万円の教員が1000人雇える金額なので、この額を半年後にしか正確な結果がわからないテストにつぎこむのは納得できるものではありません。
お礼
御礼が遅くなってしまい、大変申し訳ありませんでした。 ご回答有難う御座います! 思いつき、ですか・・・ これじゃあいったい誰のために行っているのか、分からないです>< もっと、子どものためを考えて教育方針を固めていってほしいものですが、中々難しいのでしょうか・・・? かかっている費用の方も凄いですね;私には税金の無駄使いにしか見えないですが・・・。 貴重なご意見有難う御座いました。
お礼
丁寧なご意見で非常に参考になります。 一回の実施で50億・・・そんなにかかるのですか! 是非文科省にはテスト結果を有効活用してもらいたいですね。 貴重なご回答有難う御座いました。