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中国語の丼の発音と意味
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大学で漢文を教えております。 「丼」という字の下に、四角で囲って「広韻」とか「集韻」とか書いてあるのは、中国の古い辞書(字書)の名前です。「韻會」は『古今韻会挙要』のこと。それらの本に、「同井」、つまり「『井』と同じ」と書いてあるのです。 次に「説文」ですが、ご存じだと思いますが後漢の許慎の『説文解字』のことです。『説文』には「井」の字がなく、代わりに「丼」の字が挙げてあって、「八家一丼」(『説文』を引くと「八家為一丼」とあります)、つまり「八つの所帯が一つの井戸を共同で使う」と書いてあります。「象構×形」とは「構×の形に象(かたど)る」、「丼」の周囲の「井」の部分が井戸の周りの形を象っているという意味です。「丶○之象也」とは「丶は○の象(かたち)なり」、「丼」の真ん中の「丶」はつるべの形である、といっています。「徐曰」は『説文』の解説。 『説文』の説に従うと、もともと「井」の字は「丼」と書かれていたことになるので、音は「井」と同じ「せい」か「しょう」です。 三行目の下の方に「又姓」とあるのは、「姓としても使う」意味です。中国では、姓の場合に特殊な読みをすることがあるので(例えば「沈」は姓の場合「しん」、葉は姓の場合「しょう」(旧仮名なら「せふ」)、「丼」(「井」)の字は姓になっても「せい」と読んでいい、と言う意味です。 四行目に「又『集韻』」とあるのは、『集韻』には「せい」「しょう」以外の発音も載っているという意味。英語でも、同じ綴りでアクセントが違うと意味が違ってくるように、同じ字でも発音が違うと意味が違うのが普通です。で、「都感切」というのがその発音で、かなで表すと「たん」(あるいは「とん」)という音を示しています。「音眈」というのは「発音は『眈』の字と同じだ」という意味です。で、「丼」という字を「たん」と読むと、「投物井中声」、「物を井戸の中に投げ込んだときの音」。つまり「どんぶり」に相当するわけです。 不明にして「丼」は国字だと思っていました。今回質問者様のおかげで勉強になりました。有難うございました。
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- cubics
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なるほど、康煕字典に記述がありますね。 簡単な文章ではないので意味はよく取れませんが、まずは「井」に同じで、文字としては、井戸のつるべを「、」で表したけれども、「丼」から「、」を省いて「井」になったという説があるようで、使われ方は、姓であったり、井戸に投げ入れた音を表すみたいなことも付記されているようです。 要するに「井戸」と「ドンブリ(どぶん)」だということではないでしょうか。
お礼
回答ありがとうございます。 日本の洒落モノが井という字から丼という字を作ったのかと思っていましたが、中国の洒落モノが作っていたのですね。丼が中国でどういう発音だったのか興味があります。
- cubics
- ベストアンサー率41% (1748/4171)
中国の字典にも「丼」が登録されています。 http://www.chinalanguage.com/dictionaries/ccdict/view.php?query=4E3C&encoding=text&mode=bushou&lang=en&beijing=pinyin&canton=jyutping&meixian=pinjim&sound=0&fields=bushou,mandarin,english が、日本からの移入なので、意味は日本の「どんぶり」です。 (上記字典には「どんぶり」の語源になっている「井戸」の意味もなぜか併記されています。) 発音は「井」と似ているので「jing3」があてられています。 また日本の「ドン」という読み方によるのか「dan3」もあるようです。
お礼
回答ありがとうございます。 参考URL から康熙字典をたどっていくと 81ページに「丼」が出ていますね。中国語が読めませんので説明文の意味が分かりませんがどういうことが書いてあるのでしょう。
補足
画像を載せました。
- yfs
- ベストアンサー率65% (28/43)
丼という文字は国字であろうか、いろいろな言い方があります。次のホームページに参考してみてください。 この文字は中国語では使用されていないので、中国語の発音はありません。 どんぶりに当てはまる中国語の言葉は「蓋(羊+皿) 飯」といいます。 発音は「gai4fan4」です。
お礼
回答ありがとうございます。 参考URL の「丼」の項を見ますと、「... 中国固有の丼(セイ)とは関係がない。」と書いてありますので、中国固有の丼(セイ)というものも有るようですね。現在の中国では使われていないということでしょうか。
お礼
詳しいご説明ありがとうございました。 おかげさまでよく分かりました。