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外交交渉の成否を決める鍵はあるか?
吉村 昭「ポーツマスの旗」を読んでいますが、日露交渉に随行させたただ一人の外国人(アメリカ人)デニソンに、日露関係が悪化した折ロシア政府に交渉の開始を提議する文章作るよう命じたら、「かれは、小村に、やむを得ない場合には戦争をも辞さないという覚悟をおもちなのですか、と問い、もしも覚悟があるなら特に温和な文章にすべきであり、戦争を絶対に回避したいと考えているならロシアを威嚇するための強い語調の文章にした方がよいと思う、と言った。」と小村の温和な態度から直感し、温和な文章を作成したと書いてありました。 さらに「列国は、その文書で日本が最後まで平和維持を願っていたことを知り、ロシアの強引な挑発行為を非難し、日本への同情が集まった。」と著者は書いています。 1)この経緯からみて、このような交渉は日露間に特異的にあてはまる考え方なのか、それとも日本とどの国との交渉にもあてはまることなのかと迷ってしまいました。教えてください ロシアは江戸時代に日本と貿易したいと思って下手に日本の法律に準じて、出島からの交渉に頼っていたらうまくいかず、ペリーはいろいろ研究して強行に幕府と交渉したら幕府は軟化して開国したという歴史もあります。 日本は外交が下手とよく言われたりしますが、そうでもないこともあったようです。 2)日本人だけのスタッフであれば成功していたのかどうか教えてください。
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- teccrt
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一般論ですが、外交にとどまらず、いわゆる交渉は、 (1)相手の思惑を見通す。完全に見通すことは無理なので、事前に情報収集していて、目星をつける。 (2)自分の中で、交渉の目的とその達成のためのデッドラインを決めておく。 この2点をどれだけ徹底して準備しておくかで決まります。言葉で書くと簡単ですが、相手は自分とは逆の立場で臨んできますので、その中で自分の意思をどこまで通すかは至難の業です。 日本は外交下手と言われますが、それは国際政治が欧米主導によるものが大きいように思います。政治の場では、国際法や過去の慣習に基づいた交渉のルールがあると思うのでしょうが、欧米で取り決めたルールがベースですので、過去の事例に基づいた拡大解釈やら、過去の経緯からルールを変更したりとか、都合よくルールを変えることが欧米にとってはやりやすく、逆にそのルールに従うという受け身な立場の国は主導権が握れない分だけ外交が不利なのは仕方ないと思います。 むしろ、日清・日ロ戦争の講和条件、関税自主権の撤回を世界で初めて達成したり、南洋諸島を自国領にしたり満州国の存在を認めさせる寸前にいったりなど、戦前の日本の交渉は決して下手ではなかったと思います。(かといって、上手とも思いませんが、次第点だったと思います。) 現代も、在日米軍に駐留された半占領地状態ですから、これでは諸外国と外交すると言っても前提条件にハンデがありすぎてまともな交渉はできないように思います。日本の外交官を擁護する訳ではないですが、「外交べた」と言われてる割には、外交で大きな損失を被った具体的な事例はあまりない気がします。
お礼
確かに明治の元勲が元気であったときは目一杯していたと思います。 外交下手というのは言い過ぎかもしれません。しかし、ODAを含めて沢山のお金を費やした割には国連での地位もいまいちなのは上手とはいえないのではないでしょうか。 日本の財政危機なのに費用対効果からみれば、赤字ではないかと推測します。役人はことなかれ主義なので大きな損失をだすのを嫌いますが、多い支出からしてもう少し成果があってもと欲張りたいところです。中国でも沢山の援助をしても日本からの援助とわからないことが多いというのは問題でした。四川大地震の援助ではじめて日本が実は中国を援助してきたことが中国の国民にわかった感じです。 アフリカ諸国でも最新の機器を援助しても、その後のサポートがないためにいったん故障したらそれでおしまいになった場合が少なくないときいております。外国への援助ではなく、器械メーカーへの援助に終わった結果になるのは、税金が無駄に費やされた結果になります。 もう少しNPOと協力して人的支援を含んだ援助にすればいいといわれています。海外で日本人が災難にあっても、ほかの国の大使館に比べて真剣になってくれないと聞きます。 小村寿太郎も最初に政府が考えていた外交の結果をほぼ出しえたにも関わらず、東大の教授たちがメディアを煽って腰抜け外交と民衆をたきつけて日比谷事件などをひきおこしています。この事件以降日本は道(外交)を間違えていったように感じています。 北方領土問題にしても、ロシア側に日ソ不可侵条約を破ったこと、国際法でもみとめられていないシベリア抑留などの行き過ぎがあったにもかかわらずどこまでそれを絡めて交渉できているのかと聞いてみたくなります(絡めるのがよくないのかもしれませんが)。 アメリカの経済力が当てにできにくくなる将来、日本はいつまでもアメリカと同じ政策でいけるわけがないので外交上手なイギリス人の力でも借りてでも、世界を見据えた外交を展開してほしいものです。
補足
太平洋戦争では戦前から日本の外交文書の暗号が解読されており、外交の駆け引きができないくらいに情報が筒抜けでハルノート最後通牒になってしまったとか、山本五十六を乗せた飛行機が撃墜されたり、これにまつわる日本の損害は甚大なものがあります。 ドイツも最強と自負していたエニグマも、イギリス情報部に解読されていたことは戦後も長く秘匿されていました。 外交が情報戦争であるとすればアメリカ、イギリスは伝統的につよいです。ドイツと日本が負けたのは当然でありました。