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自由エネルギーの変化

大学からの課題です。 共に温度が298K、圧力P1にある理想気体AとBが、それぞれ1モルと3モルずつコックで栓をされた容器に閉じ込められている。Aの容器とBの容器とを接続した後、容器の間にあるコックを開いて両気体が混ざる様にした。混ざる前と後とでの自由エネルギーの変化を求めよ。ただし、気体定数を8.31J/K・molとする。 という問題なのですが、自由エネルギーの出し方がわかりません。 公式を使えば出せますか?

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回答No.2

基本原理に基づいて・・・物理・物性的なやり方になるかな・・・ 化学だったらかえって「公式的な扱い」を優先すべきですね。 実験室で計算してちゃ、仕事になりませんから。 ●問題で起こっている変化は  温度:298K 定温(dT=0)  圧力:P1   定圧 です。物質の状態変数は圧力p、体積V、絶対温度Tの3個が有りますが、ここでは定温・定圧の変化なので残る変数は体積Vのみです。また、全圧P1は変化していませんがA,Bの分圧pA,pBまで考えると体積の変化によって変化しています。  従って用いるのはGibbsの自由エネルギーGと体積V、圧力P(分圧pA、pB)の関係式です。全微分形式の式を使って  dG=Vdp-SdT  からdT=0なので、  dG=Vdp ●気体が1つの場合で式を求めておきます。  最初を(1)、変化後を(2)と書くことにして、  G=∫(1)→(2)dG=∫(1)→(2)Vdp  理想気体の状態方程式pV=nRTを用いて  V=nRT/p   G=∫(1)→(2){nRT/p}dp    =nRT・∫(1)→(2){1/p}dp    =nRT・∫(1)→(2)d(lnp)    =nRT(lnP(2)ーlnP(1))    =nRTln(P(2)/P(1)) ●混合気体を使う準備。理想気体が活躍。 「混合気体の分圧の法則」と「理想気体の状態方程式」   pA(1)=P1、pB(1)=P1 (最初の圧力:問題から)   P1 =pA(2)+pB(2)  (混合後の全圧=分圧の和)   pA(2)・V=nA・RT ⇒ pA(2)=nA・RT/V    pB(2)・V=nB・RT ⇒ pB(2)=nB・RT/V   合計したモル数をnとすると   n=nA+nB   P1・V=n・RT   ⇒ P1=n・RT/P1    これを使って     pA(2)/pA(1)=pA(2)/P1=nA/n (Aのモル分率)   pB(2)/pB(1)=pB(2)/P1=nB/n (Bのモル分率) ※理想気体を前提としているので内部エネルギーの変化を無視してdU=0としています。もし理想気体でなければ、コックを開けたときに気体の種類によっては装置が冷えたりあったまったりすることになり、dU≠0になり、一番先のdGの式から書き換えなければなりません。dT=0から断熱変化であることを一番先に考えておく必要あ有りますが、触れなくても解けるので省略して有ります。 ●自由エネルギーの変化はAとBの変化の合計  G=GA+GB=nA・RTln(pA(2)/pA(1))+nB・RTln(pB(2)/pB(1))   =nA・RTln(nA/n)+nB・RTln(nB/n)   =RT{nA・ln(nA/n)+nB・ln(nB/n)} ※これは「気体の混合エントロピー」から求めた結果と同じになっている・・・。 (混合エントロピーΔSを公式的に使ったら上の計算は省略できるなぁ・・・) ●数値計算 G=8.31J/K・mol×298K・{1mol×ln(1/4)+3mol×ln(3/4)}  =8.31×298・(-4ln4+3ln3)  =-5570.・・・ ≒-5570(J)  =-5.57×10^3 (J) ※ 自然対数に注意。 ※ 電卓で計算してしまいました。 学生時代ならln10=2.303,log2=0.3010,log3=0.4771ぐらいは覚えていたんですけれど・・・試験とかだったらこれで筆算できるようにしたほうがいいんじゃないかな。 ●G<0なので栓をあけると、気体の混合が自発的に起こることがわかります。 ●式を作るところはいいのですが、数値計算の単位系に自信が有りません。 検算、お願いいたします。   

t-o-r-n
質問者

お礼

わかりやすい説明ありがとうございました。 単位もあっていると思います。

その他の回答 (1)

  • jamf0421
  • ベストアンサー率63% (448/702)
回答No.1

ヒントだけ書きます。問題は温度圧力が同じ2種のガス(量は1:3)の仕切りを取り除いただけですね。 自由エネルギーは G=Σniμi です。そして化学ポテンシャルが μi=μi0+RTln(P1/P0)...(1) です(i=A or B)。μi0は単位圧力の化学ポテンシャルです。圧力をわざわざP1/P0と書いたのは(たとえば)1気圧(P0)を基準としたとき、P1という圧が、これの何倍か、という意味です。 全体のGibbs自由エネルギーは成分AおよびBについての(1)の形の式にモル数をかけて足し合わせたものです。 混ざったあとは、(1)と同じ形ですが、圧力が分圧に変わります。A、Bそれぞれの式においてlnの中に、P1/P0の代わりにPA/P0、PB/P0が入ります。明らかにPA+PB=P1、PA:PB=1:3です。同じように足し合わせて見ます。もとの式との差をとれば自由エネルギーの差になります。