こんばんは。
水に限った話ではないです。
こういう質問が来ると、
「それは、水の屈折率は真空の屈折率より大きいから」
と答える人は多いです。
しかし、それは、説明になっていません。
なぜならば、
屈折率というのは「光の遅さ」を表している数字であるからです。
屈折率と光の速さとの関係は、
屈折率 = 真空中の光の速さ ÷ その物質中での光の速さ
という反比例の関係になっています。
さて、
アインシュタインの相対性理論の元になっているのが、
「光速不変」の公理です。
つまり、光の速さは誰から見ても、いつでもどこでも一定です。
ですから、水中で光の速さが変わるとすれば、それは上記と矛盾していることになります。
これは、量子電磁力学の話になります。
この話の登場人物は、光子(フォトン)と電子の2種類だけです。
電子は光を取り込んだり手放したりするという、基本法則があります。
物質中に光子が入ってくると、その進入経路で沢山の電子と出会います。
そのとき、光子は、いったん、出合った電子に取り込まれます。
その電子は「ちょっとためらってから」光子を手放します。
あとは、この繰り返しで、いわば「バケツリレー」のように、
物質中を光子が受け渡されていくわけです。
電子が「ちょっとためらう」ことにより、光の見かけの速さが落ちるように見えるというわけです。
直感的に、たくさんの電子と出会うほうがバケツリレーに時間がかかるということは、容易に推測できますよね。
ということは、真空よりも大気中のほうが遅くなり、大気中よりも水の中のほうが遅くなるということです。
以上、ご参考になりましたら。