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日本の行き方について
いまの日本の構造改革のお手本であるサッチャーさん、レーガンさんの基本的な考え方は以下のとおりとされます。 1. 世の中には個人のみが実在する(“社会”なんてものは存在しない)。 2. 個人の自由のみが人間の幸福を増進させる。 3. 人間の潜在能力が発揮されるのは、「効率」を重視したときのみである。 この考え方は、今後の日本の行き方に合っているでしょうか。教えてください。また、他の行き方について、基本とするのによい考えがあったら教えてください。
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日本人の面白いというか私個人はある種の賢さだと思うのですが、大化の改新の昔から、第二次大戦後の現代に至るまで、日本人は社会が行き詰まると外国から何がしかの思想や制度を取り入れて、それを日本流にアレンジして次の体制に利用するんですよ。 その典型が幕末と第二次大戦後です。明治維新だって、薩長や志士たちそのものがそもそもは攘夷論だったのにいつの間にか180%変わって脱亜入欧だし、戦後も昨日まで鬼畜米英だったのが途端に親米体制です。 かつて小泉元首相は「自民党をぶっ壊す!」といいましたが、それは今実現されつつあると思います。しかし小泉氏は旧来の体制を破壊しましたが、新しい秩序は作り上げていません。これは歴史上も「壊す人」と「作る人」ってのは別々なんですね。例えば織田信長が旧体制を破壊し、秀吉と家康が新しい秩序を作る。西欧でも、カエサルが破壊し、アウグストゥスが作る。中国も、孫文が破壊し、毛沢東が作る。 (註・ただし、歴史上の「破壊者」は自らを破壊者であると自覚した人はほとんどいないと思います。それらの人々はむしろ自らは作る人であるというと思います。ただ、彼らが作ろうとした際に結果として破壊してしまうということです) サッチャー氏やレーガン氏の思想は80年代のそれであり、いくら日本が欧米から10年単位で遅れているとはいっても、20年前の思想が新しい秩序を作り出すとは思えません。また、彼らの思想は基本的に「狩猟民族」ゆえの価値観で、草食系の我々日本人には相容れないところがあります。いずれは「なんかこう、みんなが大切でいこうよ」となるんじゃないかと思います。そもそも効率化のある種の象徴が派遣社員ともいえるわけで、彼らが失業したときにそれを批判する人も「正社員じゃなかったお前が悪い」という言い方です。その背景には、守られたいなら正社員になれ≒正社員は守られるべき、という面があるわけです。こういう事態が発生したときに、誰も「これからはこういう時代だから、正社員というのはなくしてみな派遣社員のような非正規雇用にすれば効率が良くなって日本もまた繁栄する」とはいわないわけです。
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- cse_ri2
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No.1です。 リンク先だけではわかりにくかったので、他のURLも紹介します。 阿部謹也『「世間」とは何か』 http://chez-sugi.net/book/20070113.html 「世間」とは何か http://garden.tea-nifty.com/blog/2004/04/post_7.html 『Passion For The Future: 世間の目』 http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002046.html 『日本人における「世間」』 http://www.l.u-tokyo.ac.jp/ginnan/200419/isanmi.htm
- cse_ri2
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新自由主義をまとめるにしては、ちょっと端折りすぎだと思うけどね。 でも、まじめに回答します。 >1. 世の中には個人のみが実在する(“社会”なんてものは存在しない) 日本は少し違います。日本に個人はいますが、社会ではなくて『世間』が存在します。 そして、この目に見えない世間の意思が、大多数の日本人の行動を束縛しているのです。 参考:『* 「世間」とは何か』 http://www.pat.hi-ho.ne.jp/nobu-nisi/kokugo/seken.htm >2. 個人の自由のみが人間の幸福を増進させる。 日本人の場合、世間からの脱却が幸福の増進につながるんじゃないのかなあ。 >3. 人間の潜在能力が発揮されるのは、「効率」を重視したときのみである。 日本人の思考が『世間』の意向をあまり気にしなくなれば、新しい価値・創造的価値を生み出しやすくなると思いますよ。 ホンダの創業者である本田宗一郎氏の著書や、他の人が書いた伝記をいろいろ読みましたが、世間の意向や他人の合わせることばかりを考えているようでは、真に創造的な発明や開発はできなさそうですからね。
お礼
ご回答ありがとうございます。 想定外の方向からご指摘があった感じがして、まったく勉強不足を痛感します。 ご紹介のサイトを閲覧させていただき、世間とは既存の権威と秩序を維持補強しようとする力と、一旦秩序と権威を打ち破ってしまったものを、既存の権威と秩序に組み込み安定しようとする力の合わさったものであり、例えば物質が環境の影響を受けつつ、変化して安定した状態を保ち続けようとする現象によく似たものであると思いました。問題はその力の一つが排除という方向へ向くことでしょうか。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >なんかこう、みんなが大切でいこうよ 今日、多くの人々の感情が、他者を叩くことで自己の感情の憂さをはらすという負のスパイラルに入ってしまっている印象があるなかで、大変気持ちのよい言葉であり、なぜか懐かしい感じがします。元来、人間は人を喜ばせることが好きであり、本人にとっても楽しいことであると思います。個人や家族の幸せだけでなく、例えば顔も知らない誰かの幸せに貢献できることは本当の幸せであろうと思います。