- ベストアンサー
陶芸用窯用レンガについて
楽焼用の円筒窯を作りたいのですがレンガの選定について教えてください。いわゆる耐火・耐熱レンガを使うのが常道だと思いますが高価ですね。そこで安価なガーデニング用の赤ランガなどが使えないものかと思案しています。ご経験のある方のアドバイスをお待ちしています。ちなみに耐熱度は900度C程度で十分です。使用する接合材および充填材についても教えていただければ幸いです。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
質問に対する回答を重ねる前に、補足いただいた内容に誤解があるようですのでそちらの説明から。 「私の経験ではテラコッタを成形したものは風乾後に10%前後寸法収縮しますが、その後に素焼き(800度)した際にはそれ以上の収縮はほとんどしません。」とありますが、間違いです。 濡れた粘土等で形成後、乾燥することにより粒子間の隙間がつまり、形成した物自体の寸法が大きく縮むことはもちろん補足いただいたとおりですが、その単なる乾燥による縮小と比率が同一なわけではありませんが、粘土等の素材により収縮率は異なりますが焼成することでさらに形成物は縮小しますよ。 同じ陶芸作品を900度で焼き上げた場合と、1200度で焼き上げた場合とでは、出来上がる物の寸法は違ってきます。 ですが、これは本来のご質問の赤レンガと耐熱レンガの違いの説明とはまったく異なります。 単体形成物の熱による縮小というのは、焼き物の器一つ、レンガ一塊をそっくり釜に入れ高熱をかけ、全体を加熱後に冷めた場合の元の寸法との比較としての縮小を指します。いわば一つの固まり全体を均等に加熱し、均等に放熱・冷却した場合の変化ですよね。 が、ご質問は赤レンガを陶芸釜の材料として使用された場合とのこと。 説明するまでもなく釜をレンガで作る理由は耐熱はもちろん、断熱の意味もあります。釜内部が数百度~千数百度になった場合も、釜の外面はそこまで熱くはなりません。当たり前ながら断熱機能が働いているからです。 物質は全て温度のより膨張・収縮を起こします。ただその程度は物質により違いはありますが。 均一、単一の物質も、加熱された部分とされない部分では膨張の程度が異なります。 赤レンガを例にとっても、直接高熱に曝される釜内部に接する面と、釜の外部に露出する面とでは膨張の程度が異なります。 赤レンガはこの比率が高いので、釜に使用した場合、内部と外部で膨張率の違いにより大きく歪みが生じます。これがひび割れを始め、繰り返し使用し膨張、冷却を繰り返す中での「もろく崩れ去る」原因となります。 水を張った田んぼの泥が、水涸れと共に泥が乾き亀裂を生じるのも、お正月の飾り餅が大きな固まりなほど、乾いていくると大きなひび割れを生じるのも、内面と外面で乾燥(収縮)の度合いが異なり、ひずみが出来るからですよね? 耐熱レンガというのは、その熱による膨張率の少ない素材によって、しかも高熱で形成されているのです。 この膨張率の変化が少なく、熱伝導性の少ないレンガほど使用される用途として求められる場面が限られ、特殊レンガとして単価も高くなります。 赤レンガとセラミックの違いといえばわかりやすいでしょうか? 陶芸を嗜まれているのであれば、練り方や水分のムラ、あるいはマッグカップの本体と取っ手の部分の粘土素材を異なる物で作ったりした際の、あるいは単一の物を釜の中に配置しても火口の近くに配置したばかりに直に熱が当たりやすい方とその陰になる方とで歪みが生じて割れてしまうなど、この「ムラ」「膨張率の違い」がひび割れに繋がることは、身をもって体験されているかと思いますが?
その他の回答 (1)
- nabe710
- ベストアンサー率66% (2683/4030)
陶芸で作られた器も、レンガも、どちらも土(粘土)で成型したものを高熱により粒子を融着させたものとして、「焼き物」として同じものです。 あとはそれ自体をどのくらいの熱で処理したものかによって使い分けているだけです。 比較的粒の粗いものを低温で焼き付けたもの、粒子同士の結合が荒く隙間があり通気性、通水性の高いものとしてイメージしやすいのが「素焼きの植木鉢」でしょうか? きめの細かい粒子を高熱で焼き付けたものとしてわかりやすいのが陶器、磁器でしょうか? いずれも厳密には元となる材料や加工焼き付け方法などによる区分もあるのですが・・・。 ご質問の耐火レンガと園芸用の赤レンガとの決定的な違いもこの辺でして、当たり前ながら耐熱温度が違ってきます。 物質と熱との関係でご存じでしょうが、熱による収縮の変化も低温で処理したものほど大きいのです。 パン製造用の釜であっても、赤レンガではすぐに割れや亀裂が生じるでしょうに、陶芸用の釜となれば使用する温度も桁違いです。 手間かけて組み上げた釜も、じきにボロボロに崩れ落ちてしまいますよ?
お礼
ご回答いただき有難うございます。 赤レンガの主成分は陶土と同じようにアルミナとシリカだと思うのですが、そうであれば低温焼成したものを焼き増しすることで亀裂が入るのはどのような理由によるのでしょうか? 私の経験ではテラコッタを成形したものは風乾後に10%前後寸法収縮しますが、その後に素焼き(800度)した際にはそれ以上の収縮はほとんどしません。その意味からも低温焼成したものをより高温で焼成することによる亀裂の発生のメカニズムがわかりません。
お礼
再度にわたる詳しいご説明をいただき有難うございます。 「温度勾配によって生じる収縮率の差が、熱膨張の大きな赤レンガを使った場合の亀裂の原因」とのご説明で得心いたしました。このことに気付かなかったのはお恥ずかしい次第です。陶芸窯に赤レンガを使うなどという馬鹿げた考えはやめます。 ところで、十分に風乾したテラコッタ成型物が800度Cの素焼きで縮小しなかったのは間違いではありません。何度も実測して確認したのですから・・・。もっともノギスで測定したわけではなく、通常の1mmきざみのメジャーで測定しうる誤差範囲内の話ですが・・・。そういう意味では「顕著な収縮がみられなかった」というべきでした。訂正いたします。