●(1)静止摩擦力が動摩擦力より大きい理由
微視的に見れば凸凹の接触面は静止状態ではお互いに深く絡み合って接触面積が大きいが、その接触面が動き始めると表面だけで接触することになり接触面積が小さくなるから。
●(2)大きい雨粒が小さい雨粒より速く落ちる理由
雨粒の形状が大きさによらないとするとき、雨粒の重力 Fg は(体積、あるいは質量に比例するので)スケール係数(たとえば雨粒の長さ、あるいは水平断面の最大半径など)r の3乗に比例し、一方空気の摩擦力は球の表面積 Sm に比例するため r の2乗に比例する。そのためスケール係数 r が大きい方が速く落ちる。
[補足説明]
摩擦力 Fm を落下速度 v の関数として
Fm = Sm*f(v) --------------- (1)
と表すとき、落下速度 v は方程式
Fg = Fm = Sm*f(v) ---------- (2)
で定まる。これを変形すれば
f(v) = Fg/Sm ∝ r ----------- (3)
となるので、f(v)が単調増加関数であれば r が大きいほど v が大きくなる。
●3)振り子の糸が地面と垂直になるときに糸を切ったあとの運動
初速度は水平方向なので小球は水平に飛び出し、その後放物線を描いて落下する。