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マディソン郡の橋のフランチェスカの生き方
- 『マディソン郡の橋』のフランチェスカの生き方について考える
- 不倫が美化されているという意見もあるが、フランチェスカの選択は正しかったのか
- フランチェスカが選んだ道は間違っているのか、皆さんの意見を聞かせてください
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僕は男ですが、不倫が倫理的に完全に間違っていると思ったことはありません。むしろ結婚という契約だけのために、夫を愛し続けているふりをし続けるというのは、旦那にとっても精神的な裏切りをしているようなもんだと思います。 だって愛じゃなくて、子供とか結婚の契約のために、一緒にいるだけなんですよね? まあ、この映画の場合、そこまで極端な話ではないですね。 なぜなら、主人公は夫のことも愛しているからです。 ただ、主人公は一介の田舎の主婦で、広い外の世界を全く知らないで生きてきたわけです。流れ者の男は、それと正反対で、世界中を飛び回っていきてきた人間なわけです。 ここで初めて、単純に夫と不倫相手と、どっちが好きか、というだけの問題ではなくなってくると思います。 この世に生まれた以上、自分の持っている可能性を使い切って死んでいきたいと考えるのは、人間の一般的な希望のうちの一つではないでしょうか。 その意味では、主人公は家族と生きることを選択することで、外の世界を見るという大きな可能性を捨てていることになります。 ただし、その代価として、愛する夫との安寧や、子供たちを立派に育て上げるという崇高な目標の達成を得るわけです。夫が亡くなるとき、主人公にそのことを詫びるような言葉が出ますね。僕はここを見たときが一番泣けました。 まさか夫が不倫相手の存在を知っていたとは思えません。 しかし、結果論とはいえ、田舎の一軒家に閉じ込めっぱなしにしてしまったことを、夫は少し不憫に思っていたわけですね。この場面は一つの救いでもあります。本当によくできた旦那だったわけで、それを選んだ主人公は正しかったとも思います。 しかし同時に思うのですが、このような結末は最初から予想できるようなことではないということです。人間が先を見通す能力なんていうのはたかが知れています。 人はいつ死ぬかわかりません。五分後に車に轢かれていきなり死ぬかもしれない。人生全体の設計なんてのは、考えるだけ無駄とも思えます。 そう考えると、一瞬の恋に賭けて、全てを投げ出すという生き方が、一瞬頭をよぎったとしても、僕はそのこと自体を責める気にはなれません。 日本のような平和ボけの世界で生きていると気づかないまま死ぬ人も多いとは思いますが、僕にしてみると人生の中には、ときには理屈や利害関係を廃し、魂の叫ぶ方向へ飛ぶことが求められる場面というのがあると思います。 たいていのひとはそこでしり込みして、自分が持っている大きな可能性を捨ててでも、安全を選ぶでしょう。それを責めることも、もちろんできません。それは個人の自由ですから。 でも、その逆の生き方を貫いている人間もいるし、その人たちにはそれなりの人生の筋というのがあると思います。そういう人々は、アウトサイダーなんて呼ばれたりします。 イーストウッドが演じたカメラマンはその典型なのだと思います。 この映画は、一種の「アウトサイダー論」でもあると思います。
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確かに、うまくいかい可能性の方が高いでしょうね。 しかし「うまくいかないかもしれない」というのは、どの関係でも同じです。安定した家庭が、一夜にして崩れ去るなんてことは、いまさら誰も驚かないくらいありふれた話です。 ましてやこの物語の主人公のように、すでにくすぶる火種がある場合はなおさらです。どちらの関係も、同様に危ういのです。そして、安定を選択することが、常にリスクを伴わないと考えるのも間違いです(大きな可能性を捨てるというのは一種のリスクです)。 だから、僕はどちらの選択をするのも、理にかなった行動などではない、と重ねて言いたいのです。映画ファンというより、一人のアウトサイダーとしての意見です。
お礼
再び回答ありがとうございます! 「うまくいかない」つもりで付き合うカップルもいませんよね。結婚ではないですが、ウィルコムやペアリングを買った月に別れてしまう、なんてよく聞く話。 かなり個人的ですが、物足りない気がしつつも、フランチェスカは子供にも恵まれ、夫も決して大きな欠点があるわけじゃない。(浮気とかそういう意味でです)普通でありきたりかもしれないけれど、暖かい家庭に映りました。これはこれで、幸せだったのではないか・・と。だからこそ、迷ったんでしょうけどね。 美しくも儚く、結ばれることもできないようなこういう恋だったら、しない方が良かったのでは・・と心の片隅で思ってしまいます。
お礼
とても素晴らしい回答をありがとうございます。 現実的には、フランチェスカの選んだ生き方のように自分の家族を選ぶ、という選択になるような気がします。 フランチェスカは夫を物足りなく思っていたのかもしれませんが、私も夫が彼女に謝るシーンでは胸が痛くなりました・・ でもやっぱり、フランチェスカがたとえロバートに付いて行ったとしても結局うまくいかなかったような気もするんですよね。 たった4日間の恋。 時間が経つにつれ、美化されていくことも十分考えられる・・・ なんてことを言い出したら折角の美しい物語が台無しなんでしょうが。 確かに、人間なんていつ死ぬか分かりませんしね。 色々と考えさせられました。