かなり独断と偏見に満ちた回答になり、おそらく相当の
非難があることと思いますが、あえて私なりの考え方を
申し上げてみます。
ご質問の内容では、おそらく十人中十人が#1さんと同じ
考え方だと思います。私も理屈の上ではその通りです。
しかし、特許庁のほうも、ひやかし出願を阻止する意味で
敷居をどんどん高くしてきています。そのような状況では
アマチュアの発明家は、理想の形を求めるのは、もう無理
なようです。先日の質問にもありましたが、「結局あきら
めることにします・・・」ということになってしまいます。
こうなると、考え方を変えるしかありません。
まず第一に、発明というものは、一発必中では絶対にあり
ません。考えついたときは、「世界をも変えるかもしれない」
と思い込んだものでも、専門家が見たり、また数年後に自分で
振り返ってみたりしたときに、「たいしたものではなかったな」
ということが非常に多いのです。本当にお金になる発明は、
何十件も発明をして、そのなかに1つあるかないかです。
というのも、いくら発明の内容が良くても、売れなければ
なんにもならないからです。売るためには企業力も営業力も
発明の価値と同じぐらいに重要なことです。従って、発明を
世に出すためには、発明家は技術のことだけを考えるのではなく、
事業のことも同等に考える必要があります。ということは
企業家と親しく、仲良く、信頼関係を作る必要があるということ
です。そこで初めて、自分の発明が世の中に出る可能性が生まれ
ます。
そこで、私の考え方は、いろいろな情報を元に、これはと思った
企業を探し出して、とりあえず信頼して、自分の発明を託してみる
ことです。幸運にも信頼できる企業であった場合は、出願にかかる
費用も負担してもらい、ビジネスライクにロイヤルティ契約も結んで
もらい、相応の報酬も支払ってもらうことが可能です。
もちろん裏切られることも十分有り得ます。しかし、しょせん元手は
かかっていません。とられたものが、すばらしい発明であったと
しても、それほどのものを考えられる方なら、今後まだまだいくら
でも良いものが思いつくはずです。
あきらめても、とられても、収入は同じゼロです。
それなら、すこしでも可能性のある方がベターだとおもいませんか?
蛇足ながら、すばらしい発明を商品化しても、企業力がなければ
売れません。ほとんどの場合、宣伝広告費や営業費や在庫負担などの
出費で、結局損をしてしまうことの方が多いのです。商品化する企業
の側は、これほどの危険負担を背負い込むのです。それに比べれば
発明家の「とられるかもしれない」という危険負担は微々たるものです。