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産婦人科医
訴訟が減れば産婦人科医は増えますか? 医者の給料をみんな同じにしないと小児科医は増えませんか?
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質問者が選んだベストアンサー
内科医ですのであくまでも参考としてです。 まず、1つ目の「訴訟が減れば産婦人科医は増えますか?」です。 訴訟リスクが減れば少なくとも辞める人は減ると思います。また訴訟について特に今回問題になっているのは業務上過失致死での刑事訴訟です。個人的意見ですが、民事訴訟についてはほとんどの医師は保険に入っている事と遺族感情を考えると免責にすべきではないと考えています。しかし刑事事件は検察が起訴するため遺族感情とは直接は関係がありません。また100%がありえない医療の場での選択を結果論でもって過失とすることは医療者としては受け入れられるものではありません。 2つ目の「医者の給料をみんな同じにしないと小児科医は増えませんか?」です。 これは医療従事者、特に医師自身でないと知らないことだと思いますが、大多数の病院では医師の給与は皆同じです。また時間外手当は全額支給されることは無く、1日2時間までなどの上限や0~6時までなど時間制限があるところがほとんどです。そのため小児科医が休み無く働いても、他の科の9時5時の医師(それほど多くは無いのですが…)とほぼ同額です。ですので、質問者様の意見とは逆に「労働時間に比例して給与を上げれば小児科医は増える」可能性はあります。 ご質問以外の要因として挙げられるのが勤務の過酷さです。 これは産婦人科、小児科だけでなくほとんどの科に共通しているのですが、日本の医師は勤務の拘束時間が長すぎます。当直の日は朝から勤務してそのまま当直に入り病棟と救急外来の対応をします。仮眠は1、2時間できればいい方です。そして翌朝そのまま通常勤務に入り帰宅できるのは夜です。36時間以上の連続勤務が週1~2回あるのが実情です。一方、欧米では医師も交代性勤務のため夜間に呼び出されることはほとんどありません。また当直の翌日は休みです。労働基準法に照らし合わせれば当然のことが日本の医療の現場では守られていません。病院以外の職場でも超過勤務の問題はでてくるので、これは「雇用をギリギリにして人件費を削減し組織の収益を増やす」という日本全体の悪しき習慣だと思います。 来年度から医学部の定員が増えました。実際に効果が期待できるのは10年後だと思いますが、その時にきちんと医療費を増やして各病院が雇用を増やしても赤字にならないように診療報酬を見直すことを期待します。 参考になれば幸いです。
お礼
丁寧にありがとうございます 学生が思うほど単純じゃないみたいです