- ベストアンサー
応力計算について
φ10とφ2の中実円が繋がって加工されている場合、下記条件の応力はどうのようにして求めればよいのでしょうか? なおその他の諸条件は【条件】を参照 (1)φ2の全ての長さ部分をキリ穴に入れ、φ10の部分を引張り、φ2の部分はキリ穴から抜けないものとしたときの最大引張応力。引張り荷重は1kgfとする。(但しφ10→φ2の段差コーナー部はR=0とする) (2)φ2の全ての長さ部分をキリ穴に入れ、、φ10の長さ方向中央位置(l=35mm)に曲げ方向荷重1kgfが加わった時の最大応力。 【条件】 φ10長さ:70mm φ2長さ:15mm
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
「φ10とφ2の中実円が繋がって加工されている」 という表現では、形状が他人に正確に伝わりません。とりあえず、 「φ10×70とφ2×15の段付き中実軸で、段付き部の凹部のRは0。 引張の時は、φ2の軸側面は穴に密着して固定状態。」 ということと解釈して、回答します。 まず答ですが、非常に簡単で、作用荷重・作用モーメントに関係なく、応力は(1)も(2)も無限大です。 「そんなバカな! 作用外力に関係なく、応力の値が引張強さよりも大きくなるなんて!」と思われるかも知れませんが、それは世間の有名な迷信です。 材料力学の理論的裏づけである、弾性論・塑性論というものを勉強すると、R=0の凹部では、局所応力が無限大になることはわかります。応力が無限大になったり、変位が無限大になったりする位置を、特異点と呼びます。特異点は、点だけではなくて、線に沿って無限大になる場合も含みます。 また、局所応力が引張強さや真破断応力と呼ばれる値を超えることは、いくらでもあることも、少し深く勉強すればわかるようになります。要するに大切なことは、局所応力が引張強さを超えても、直ちに壊れるわけではない、ということなのです。 じゃあ、「適当なRを付ければ、意味のある値が得られるのか?」と言いたくなりますね?確かにそうすればR部の応力は有限値になりますし、その値は、有限要素法などで根気よく計算すれば、形状に応じて、精度の高い値が得られるようになります。ただし、その値は多くの場合、強度とは直接対応しない、あまり意味のない値なので、苦労して精度良く計算できたとしても、大体が徒労に終わってしまうものなのです。 また、引張の時、φ2の外周を固定すると、固定した面とそうでない面との境目が特異点になってしまいます。曲げの時も、穴の中でてこの状態となり、支点となる位置で、やはり特異点になります。この特異点はいずれの場合もR部のそばで発生するので、R部に発生する応力というものは、素人が簡単に計算できるようなものではありません。 しかし、あなたは、応力を計算して、何を検討したいのですか? 多分、壊れるかどうかの検討、要は強度評価をしたいのではありませんか? 強度評価の基本は、次式を満足する解を見つけることです。 発生応力 ≦ 強度の限界値 / 安全率 問題は発生応力ですが、世間一般では、破壊の発生点を想定し、そこの局所応力を適用するというやり方です。このようにすれば、確かに壊れないものが設計できます。いわゆる最大応力説です。 しかし、それは過剰品質になってしまうのです。世の中、CAE解析担当者が計算して出したバカ高い局所応力値を押さえ込むために、必要もないほどの過剰な対応策に悩んでいる例は多いものです。特に、応力が無限大になってしまう場合には、許容応力はゼロになってしまい、いかなる荷重もかけることができなくなってしまいます。最大応力説は、品質超過剰状態を招きます。 じゃあ、適切な強度対策はどうすべきか? 応力の値を計算するだけでなく、計算した応力をどのように使用して、壊れないように、しかも過剰品質にならないように設計するにはどうすべきか? それには、材料強度の世界を勉強する必要がありますよ。
お礼
詳しい回答ありがとうございました。 目的は強度確認ですが、設計上困難だということが分かりました。 ご助言役に立ちました。感謝いたします。