- ベストアンサー
西遊記の原作でお勧めを教えてください。
ケーブルテレビで故夏目雅子さん主演の西遊記を観て、あまりの凛々しさ美しさにすっかり魅了されてしまいました。 原作を読んでみたくなり、早速検索をかけてみたのですが、訳者も出版社も多く、どれを選べば良いのか分かりません。 過去のQ&Aを読んだところ、 ・ダイジェスト版『教養文庫/「完訳 西遊記」/村上知行訳』 ・完訳『平凡社/中国古典文学大系 『西遊記』/太田辰夫訳』 ・お勧め『岩波文庫/『西遊記』全10巻/小野忍・中野美代子訳』 の三点が上げられていたのですが、原作はかなり宗教色の濃い内容のようなので、初心者がまずはじめに読むのなら、ダイジェスト版から入った方が躓かずに済むでしょうか? 教えていただけると嬉しいです。 他にお勧めのものがありましたら、合わせて教えていただけると嬉しいです。
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
先ずお調べになった情報は少々旧いようです。 「教養文庫」は版元が倒産したため、新本で入手する事は不可能です。 又、平凡社の「中国古典文学大系」も版元品切で、「西遊記」は「奇書シリーズ」の一環として刊行されていますが、余程大きな書店でないと在庫はないかも知れません。 岩波文庫も改訳となり、中野美代子訳となっています。岩波文庫は当初小野忍訳でスタートしたのですが、(三)を出した処で訳者急逝のため(四)以降中野訳となったものです。改訳で二人の訳者の訳の方針が細かい点が違っていたのも統一されました。 「西遊記」は仏教の西天取経が主題と云いながら道教世界にどっぷりとつかったものです。宗教色と云うのはこれを指します。幸い中野訳は一般の日本人はその点に不案内と云う事を良く心得ていて註が詳しいです。原作の訳としては、これが一番お勧めです。又テクストも現在日本で唯一の繁本の全訳本です。(李卓吾批評本が台本) それに比べると大田他訳は簡本の「西遊真栓」の全訳ですから。李本と比べると割愛された部分があります。 又、村上訳は記者からみると省略が多く、「西遊」に限らず「三国演義」や「水滸」、「金瓶」の訳ともどもお勧めは出来ません。 ダイジェストからと云う考え方もありますが、全体の筋書き梗概はは既にご存知ならば岩波文庫でいきなり読まれればと思います。はぢめは少し註が煩わしいかも知れませんが、折角「西遊記」の原書からの訳を読むのですから、この道教世界の迷信や洒落を読めるのが醍醐味だと思って下さい。 五行説や道教世界についてあらかじめ知ってから読んだ方が良いと云うことであれば中野美代子『西遊記の秘密 タオと煉丹術のシンボリズム』(岩波現代文庫)、同『西遊記 ―トリック・ワールド探訪』(岩波新書)あたりを図書館あたりでお読みになればと思います。(現代文庫のそれは版元品切) 蛇足。挿絵は平凡社版も岩波文庫版も同じ程度に入っています。
その他の回答 (3)
- johnnyblues
- ベストアンサー率30% (294/951)
私は平凡社奇書シリーズの「西遊記」を愛読しています。オススメです。 ただサイズが大きく寝ながら読むには辛いかも。 訳も素晴らしいと思いますが初心者向けかどうかは・・・。 でも、どうせ読むなら本格的なほうが私は良いと思うのですが。 ちなみに私が始めて読んだのは小学校高学年でしたが、さほど苦労はしませんでした。一般的には高校生ぐらいならば読めると私は思うのですけど。宗教色も濃いといえば濃いけど、もともとお坊さんが教えを求めて天竺に行く話しですし、道教についても出てこないと孫悟空の立場がないですから、しょうがないと思いますよ。説教くさく感じたりとかは無いと思うのですが。
- ginkuro814
- ベストアンサー率25% (258/997)
児童書ですが、偕成社の『西遊記』(上中下)が私は好きです。 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4037443805.html 読みやすいですし内容も子供だましではないので、バカにしたものではないです。
- k16399638
- ベストアンサー率33% (342/1035)
平凡社のが、旧い中国のイラストも入っていていいと思うのですが、西遊記になるまえ、孫悟空がさんざん悪さして石の下敷きにされ、三蔵法師の共になるまでが長いんですよ(この部分も面白いのですが)。猪八戒や沙悟浄も最初は三蔵を狙う悪役で出てくるので、テレビのような4人組になるまでケッコウあります。宗教色はそんな濃いとは思いませんでしたよ。天竺へ旅をする行き手に立ちふさがるワルモノをこらしめていく、ファンタジーですから、水滸伝や三国志よりはるかに読みやすいです。 なので、私としては、平凡社のをイキナリでも大丈夫だと思います。
お礼
皆様、お答えありがとうございます。 とりあえず、偕成社、平凡社、岩波文庫、全部を読んでみようと思います。(訳者によって微妙にニュアンスが変わるようなので) その上で一番気に入ったものを本棚に加えようと思います。 こちらで紹介のあったトリック・ワールド探訪を読んでみて、疑問に思っていた事が説明されていて「へぇ~」と感心してしまいました。 改めて、ありがとうございました。