はじめまして。
ご質問:
<どちらを使うかはどうやって判断するのですか?>
その動作をする人と、動作が向けられる人を探すことです。
1.その動作の主語が誰か、を探すのがまず最初の作業になります。
2.その主語に対して作者が敬意を表しているなら、その人の動作に「尊敬語」が使われます。
3.また、その動作が向けられる対象である相手を探すことが必要です。
4.主語から見て、その動作の対象が目上の場合は、「謙譲語」が使われます。
5.以下の例で見てみます。
(1)「殿、酒を奉りて」:
1)主語が「殿」であることがわかります。
2)従って、「奉り」は殿の動作になります。
3)従って、「奉り」は「飲む」という意味の尊敬語となります。
(2)「殿に、酒を奉りて」:
1)「殿に」とあることから、「殿」は動作の向う対象であることがわかります。
2)従ってこの「奉り」は「差し上げて」という意味にの謙譲語になります。
3)そこから、この動作の主体は殿より身分の低い者だと推察できるのです。
6.補助動詞「奉る」はすべて謙譲語ですから、それが補助する動詞の動作主は、その動作が向う客体より身分の低い者だと判断できるのです。
6.敬語法の基本は
「誰の動作か」
「誰から誰に向けられた動作か」
これを探し出すことが重要なポイントです。
以上ご参考までに。