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詐害行為になるでしょうか?
- 事業で失敗し5000万弱の借金を延滞しています。自己破産せず、個人再生を考えていますが、今の収入が少ないため、手続きが出来ずにいます。
- 父からも借金があり、その返済が出来なくなったため、家を父に売却し、名義変更しました。住宅ローンは父に支払ってもらっていますが、まだ回答はありません。
- 詐害行為と言えるかは判断が難しいですが、借金のカタとして家を父に売却することは法的な問題がある可能性があります。
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問 「不動産の評価額から抵当権の被担保債権額を引いて得た額が,父上の債権額を上回っているか?」が、よく分かりません。 例えば、父に代物弁済した家の評価額が¥500万、父の土地が¥1000万、住宅ローンの残債が¥900万、家土地を担保に借りた借金の根抵当が¥800万で残債が¥300万、父からの借金が¥600万とした場合、どう計算したらいいのでしょうか? 答 ここで述べたい事は,要は,父上の債権を超える利益を父上に与えていないかということです。 そして,抵当権付きの不動産により代物弁済する場合,実質的に与えることができる価値は,評価額から被担保債権額を引いて得た額になります。 住宅ローンその他の残債務が\900万プラス300万円=1200万円,父上に代物弁済した家の評価額が¥500万、父上の土地の評価額が¥1000万であれば,同時競売となった場合,民法392条1項により,建物から400万円,土地から800万円が配当されますから,抵当権の被担保債権を除く建物の価値は,500万円マイナス400万円で100万円です。つまり,父上に代物弁済として与えた価値は,実質的に100万円となります。 父上からの借金残額が¥600万であれば,100万円を上回っているので,父上に500万円の損をしていただいたことになりますので,この点からすれば,詐害意思がないという主張に有利に働くでしょう。 【民法】 (共同抵当における代価の配当) 第392条 債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権を有する場合において、同時にその代価を配当すべきときは、その各不動産の価額に応じて、その債権の負担を按分する。 2 [略]
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問 「借金のカタに父へ家を売却」は詐害行為になるでしょうか? 答 詐害行為取消権(424条)が成立するには, (1)債務者の資産を減少させる財産上の行為で,それにより債務の責任財産が債務総額をカバーできなくなったこと (2)債務者が,(1)について認識していること (3)受益者及び転得者が(1)について認識していること の要件を満たすことが必要です。 (1)については,満たしていることを前提にお話します。 「家を父に売却、名義変更し、父からの借金(固定資産評価額とほぼ同額)を帳消しにし」たということは,父上に対して,民法482条の代物弁済をしたことにあたると思われます。 判例は,一人の債務者に弁済したことが即詐害行為になるとはしておらず,(2)(3)の要件について,「債務超過の状態にある債務者が特定の債権者に対する債務の弁済に代えて第三者に対する自己の債権を譲渡し、この債権の額が右債権者に対する債務の額を超えない場合であつても、債務者に詐害の意思があるときは、右債権譲渡は、詐害行為として取消の対象になりうる」としつつ,他の債権者を害することを知りながら特定の債権者と通謀して,この債権者だけに優先的に債権の満足を得させる意図があった場合に(2)(3)の要件たる詐害意思があったといえるとしております(最高裁昭和43年11月30日判決)。 そこで,本件において詐害意思があったか否かを認定する具体的な事情としては, ・質問者様との人間関係→同居中の父子であることから,「通謀が容易」とされる可能性はある。 ・不動産の評価額から抵当権の被担保債権額を引いて得た額が,父上の債権額を上回っているか?→上回っていれば,詐害意思があったとされる可能性がある。 ・父上の債権の性格やそれまでの弁済状況→借用書もなく,それまでほとんど弁済をしていなかった(生計が同じである点とあわせ,半ば贈与のような貸金であった)のに,急に代物弁済をしたとなると,他の債権への弁済逃れのための詐害意思があったとされる可能性がある。逆に,これまできちんと弁済していたにもかかわらずあえて代物弁済をした場合も同様。 ・代物弁済の主要な動機が,「住宅ローンは父に支払ってもら」うためであったといえるか?→そうであれば,詐害意思がないと判断されることに有利な事情となる。 等があげられます。 具体的な事情が分かりませんので,本件が詐害行為に当たるかについての判断は避けさせていただきますが,詐害行為取消権が行使されたら,以上の点に関する反論を含めて抗弁すべきといえましょう。 【民法】 (詐害行為取消権) 第424条 債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者又は転得者がその行為又は転得の時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。 2 [略] (代物弁済) 第482条 債務者が、債権者の承諾を得て、その負担した給付に代えて他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する
お礼
迅速でかつ詳細な回答をいただき、ほんとうにありがとうございます。 回答の中で、「不動産の評価額から抵当権の被担保債権額を引いて得た額が,父上の債権額を上回っているか?」が、よく分かりません。 例えば、父に代物弁済した家の評価額が¥500万、父の土地が¥1000万、住宅ローンの残債が¥900万、家土地を担保に借りた借金の根抵当が¥800万で残債が¥300万、父からの借金が¥600万とした場合、どう計算したらいいのでしょうか? ご回答いただければ幸いです。
お礼
再度の詳しい回答をありがとうございます。 助かります。