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日本はエネルギー輸入大国それはイイ?ワルイ?
今、原子力エネルギーと環境についてレポートを書いています。 原子力エネルギーと比較する為に、火力、水力発電なども調べていました。 すると、日本というのはエネルギー輸入依存度79.8%(1999年)だということが分かりました。 他の国に比べて高いほうだと思います。(伊83.6%、仏50.0%、米25.6%、英-22.5%...) そこで質問です。 輸入依存度が高いと、電気代が高くなる他にどんなデメリット(もしくはメリット)があるのですか? 日本が一番多く輸入しているエネルギーも知っていましたら教えて下さい。 よろしくお願いします。
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こんにちは。 まず、日本が使用している一次エネルギー別消費ですが、 石油 49.6% 石炭 19.3% 天然ガス 13.4% 原子力 16.1% 水力 1.5% で、これらを石油換算すると5.11億トン。日本の人口は少ない ですがエネルギー消費は世界台4位(=二酸化炭素排出量も世界4位) で世界の全エネルギーの6%を消費しています。 全エネルギー輸入依存度は79.8%で、やはり石油の輸入依存度 が最も高く99.7%です。 出典は、 :BP統計 :「図表で語るエネルギーの基礎2001」 :OECD「エネルギーバランス1989~1999」 です。その他の国のデータもこれらの出典に載っていますので参考 にされるといいと思います。 輸入依存度と電気料金の関係は単純に決まらないので考えてみて下 さい。簡単に例を書くと、石炭などは国内炭坑で掘るよりも、海外 の炭坑では大規模に露天掘り出来るので輸入した方が断然安いです。 石油も国内油田よりも輸入の方が安いです。 デメリットは、世界情勢によって価格が変動する事でしょう。湾岸 戦争時など石油価格も跳ね上がりました。ですから、各電力会社も 中東だけでなく世界各国から、石油、LNGなど分散して購入して 発電も石油の依存度をかなり下げて、現在はLNG25%、石油23% と逆転しました。LNGは比較的情勢の安定した、インドネシア、 マレーシア、オーストラリア、カタール等から輸入しています。 細かい資料は、石油資料月報、エネルギー生産・需給統計年報、 総合資源エネルギー調査会総合部会/需給部会報告書(2001/7) 原子力図面集などに詳しくあります。 原子力については、電力のまずい対応、マスコミの無責任な報道な どがあり開発は難しい状況にあると思います。 現実的には、京都議定書で定められた二酸化炭素排出量を達成する ためには原子力発電にも頼らねばならないと考えられています。 原料の採掘から建設・輸送・精製・運用・保守等に消費されるエネ ルギーを対象としてCO2排出量を算定すると、最も大きい石炭火力 990g-CO2/Kwhに対して、太陽光59、風力37、地熱22、原子 力11~22、中小水力18となっています。 > 輸入一番は石油ですか。枯渇資源な上に海外情勢によっても左右 > されてしまう資源なのに、どうして原子力に切り替えないんで > しょうね? これは、先に書いたように国民の不安もありますが、原子力も別に 国産エネルギーでなければ、埋蔵量が多いわけでもありません。 ただし、オーストラリア、カナダ、アメリカでウラン埋蔵量の4割 を占めているように比較的安定した国にあることは間違いないです。 現在の技術で取り出すことが出来る埋蔵推定量は、石油41年、 LNG62年、対してウランは64年でしかありません。 ただこれを、プルサーマルによるリサイクルを行うと150年、 もんじゅなどの高速増殖炉によるリサイクルを行った場合はなんと 4000年にもなります。 ですから、高速増殖炉で運用して初めて原子力は完成とも言えます。 エネルギー問題は私達が生活していく上で避けて通れない問題です ので、色々と自分で調べて考えてみて下さい。
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- yoyoman
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>どうして原子力に切り替えないんでしょうね? >日本国民がまだ原子力に対する不安が大きいからなんでしょうかねぇ。 それは、今の原子力発電は化石燃料の代替エネルギーの本命ではなく、 リスクが大きいからでしょう。 本命はエネルギー効率が非常に高く、クリーンなものだと思います。 現在日本は、初期に作られた原子力発電所の寿命が来て、廃棄を始めてます。 でもそのコストが高い事と、放射性廃棄物の捨て場や跡地の使用法が 大きな問題になっていたと思います。 それにウランとかだって、輸入のはずですよ。 100%自前のエネルギーではないはずです。 先日、トヨタとホンダが燃料電池自動車を世界に先駆けて発表しました。 その方式がどんどん改良され一般化すると、 各家庭で自前で発電できるようになるそうです。 水素が原料?なので輸入もなし。 こうなると暮らしもそうだけど、世界情勢が変わるよね。
お礼
なるほど、「本命」ではなかったんですね。 確かに、二酸化炭素の放出量は火力発電に比べて低いようですが、高レベル放射性廃棄物が出たのでは、本末転倒のような気がします。 自国のみで発電が出来るようになれば、中東(?)とかの石油産出国はどうなってしまうのでしょうね。この視点はとても興味深いです。 回答、ありがとうございました!
- o-san
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エネルギーの輸入依存度が高いことのメリット あります。 次世代発電の開発やエネルギーの有効利用の研究、 等の分野が発展する。 日本では何かにつけ、人件費のコストが高すぎて進みませんが、北欧の石油資源が少ない国や、 環境に対して国民の関心が強い国ではいろいろ考えているようですよ。 原子力を考える場合次のことも知っておかなければいけないと思います 発電所がある地域の問題 ・発電所建設の際に、村や町の中で反対派と賛成派に二分されてしまう。 ・発電所無しでは自立できない地方自治体が多い。発電所から落ちるお金はかなりの物です。 ・需要の多い都市部から離れたところでの発電のため、電力の輸送コストが大きくなる。 防衛上の問題 ・原子力発電所は地方の海岸線に多くあります。 特に関西地方の日本海側にある発電所は、日本国土の防衛にとって重要なポイントです。 日本と対立する可能性の有る国(過去に有った国)との境界に火が付きやすく、 後始末が非常に困難な危険物を貯蔵してあるのです。 万が一、事故や有事の際に放射能漏れが起きた場合、偏西風により日本各地に、 死の灰が降り注ぐのです。 ・核保有国になる可能性が有る。 約60年前に日本は武力で近隣の国を侵略したことのある国です、 近い将来同じ事を繰り返さない保証はありません。 「60年」 日本の歴史には、ほんの一瞬ですよね、 原子力発電は時代遅れになりつつある。 ・先進国では脱原発をはじめている国が多くあります。 世界で唯一の戦争による被爆大国である。 ・ソ連、南太平洋、アメリカ、中国、インド等で実験や事故による被爆はあるものの、 殺戮の手段として被爆者が存在するのは日本のみです。 他の国とは違う意味で、原子力先進国でなければいけない筈です。
お礼
>発電所無しでは自立できない地方自治体が多い。発電所から落ちるお金はかなりの物です。 これは全く思いつきもしませんでした。このようなメリットもあるんですね。 原発が街に建つのは不安だけど、赤字で自治体経営が成り立たない、苦しい選択ですね。 回答、ありがとうございました!
- uni050
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別に日本の電気代が高いのはエネルギー輸入依存度が高いせいだけではないと思うのですが デメリットとしては海外情勢の影響を受けやすいという点が上げられるかと思います。たとえば第1次、第2次とあったオイルショックがいい例かと。 後まあ同じようなことなのですが、経済成長を輸出国に握られているという点もありますかね。例えば今石油価格が2~3倍とかになったら下手すりゃマイナス成長なんてこともあるかもしれません。(経済の専門家でないので詳しい数字はわからないです。すいません) メリットは思いつきませんね。何かあるんでしょうかね。百害あって一理なしだと思うのですが。 一番多く輸入しているエネルギーは石油でしょう。これは間違いないかと。 で、相手はほとんど中東ですね。(天然ガスは東南アジアだったか) というわけで、今中東で戦争が起こったらどうなりますかね。堺屋太一氏の『油断』なんか面白いと思いますが。 ちなみに聞いた話ですが、フランスでは中東の奴隷になるか原子力をやるかという国民投票を昔とったそうです。で、今の原子力大国フランスがあると。フランスのやり方がいいとはいいませんが、日本はせめて自主、民主、公開ぐらいは守らないと。(3っつめが守れてないんですよね)
お礼
輸入一番は石油ですか。枯渇資源な上に海外情勢によっても左右されてしまう資源なのに、どうして原子力に切り替えないんでしょうね? 日本国民がまだ原子力に対する不安が大きいからなんでしょうかねぇ。 回答、ありがとうございました!
こんにちは。 エネルギー資源庁のURLはご覧になりましたか? サイトにはQ&Aもありますので、恐らくかなり知りたい情報がでていると思いますよ。 エネルギーの輸入依存度が高いということに関しては、消費者がエネルギーを使用する際に各種料金が高くなってしまうと言うこともありますが、エネルギーが供給されないような事態に陥ると産業そのものの活動が低下してしまいます。何を生産するにしても絶対にエネルギーは必要であり、また物流を支えているのもエネルギーを消費することによって交通手段も動いているわけです(当然電気がないと今のように電気通信に頼っている以上こちらのほうにも支障がでてきますよね)。 電気料金をはじめとするエネルギーのコストが高いということは基本的な生活にかかるお金も必要になるのでその分自由にお金を消費者は使えないというデメリットもあります。 しかし、現時点においては恐らく石油をはじめとする資源を国内で開発(鉱物資源を国内でまかなうのは難しいのですが)したとしても、開発コスト、人件費などを考えると輸入するほうが安いと言うこともあります。ですので輸出国との関係が良好で、その運搬ルートが安全であれば輸入に頼るほうがコストは低いはずです。この辺がメリットかもしれませんね。 ただ、安定供給が望めるということが条件です。ひとたび何かが起こると外からの供給に頼っている日本としては苦しい立場に立たされるでしょうね。
- 参考URL:
- http://www.enecho.meti.go.jp
お礼
安定供給されなくなった場合、というのはなるほど、怖いですね。資源を国内で賄うと、逆にコストが高くなるとは。しかし実際、資源小国の日本のこと、資源の自給自足は無理なんでしょうね。 早速の回答、ありがとうございました!
お礼
理路整然と分かりやすく、出典も丁寧に載せていただき、本当に参考になりました。 >高速増殖炉で運用して初めて原子力は完成とも言えます。 4000年という数字には驚きました。ならばそうすればいいじゃないか、とも思いましたが、もんじゅの事故を思い出し(もんじゅも確か高速増殖炉でしたよね?)まだ技術不足で本格的には運用ができないのだろうと思いました。 今まで調べると、太陽光発電も風力・地熱も未だ実用段階ではないとの意見が大多数でした。 そろそろ日本も本腰を入れて、輸入エネルギーに頼っている現状を見直すべき時期に入ったのではないか、と感じました。 回答、ありがとうございました!