うつ病歴8年、51歳の者です。
知人と会社を興して、研究開発に忙しく仕事をこなしている時発病しました。
はじめの一年は町医者にかかり、SSRI/SNRIの投与を受け、休職したり、午前中だけ働いたりしましたが一向によくならずに、埼玉医科大学付属病院に転院しました。
入院し三環系、四環系の坑うつ薬を次々に試し、トリプタノールで寛解までになり、40余日で退院しました。ところが、アルツハイマー病の疑いがあると診断され、退院後その「権威」に主治医になっていただいたのですが、この権威、かなりぼけていまして、1ヶ月でトリプタノールを断薬させてしまい、そういう指示をしたことを忘れていて、4ヶ月あまりでうつが再燃し、これはだめだと見切りをつけて転院。いまではアルツハイマー自身が誤診だった事を思うと、もうちょっとトリプタノールを続けていれば、よかったと思うけど後の祭り。
トリプタノールを再開するも、思うように効かず、2回目の入院。
薬物療法で、他に効く坑うつ薬がないか探したものの、あまり成果がなく退院。会社のほうは、どんどんやせ細りついに倒産。
つてを頼って、再就職したものの、治り切ってないうつが再燃して、試用期間のうちに休職、そして退職。
杏林大学付属病院でTMS(経頭蓋磁気刺激)を受けるために入院。よく効いて退院したものの、急いで再就職しようとしたところ、うつが再発。
今度は、国立精神神経センター武蔵病院でmECT(修正型電気痙攣療法)を受け回復。慎重に6ヶ月自宅療養し、再就職したものの、5ヶ月で再発、休職し、後に退職。もう一度、武蔵病院でmECTを受け、6ヶ月の自宅療養をして再就職。現在に至ります。
また、再発するのではないかと恐れつつ、今度は仕事に恵まれ、何とかすごしています。
長期にわたり、仕事ができないというのは、薬物が十分効かない、治療抵抗性、もしくは難治性うつ病ではないかと思われます。私もそうですが、薬の効きがよくないです。
十分な薬物療法を行うために、大学病院などに入院することをまずお勧めします。町医者の中には、SSRI/SNRIしか処方しない医者もいます。私もそれで1年無駄にしました。
薬物療法が十分効かなければ、TMS. mECTといった刺激療法を試してみるのも手でしょう。mECTの場合有効率は80~90%と薬物療法より高く、40日余りの入院で、寛解します。
ただ、再発率が高いのが欠点で、私も再発しました。ただし、1度mECTが有効だった場合、2回目の有効率はほぼ100%です。mECT維持療法といって再発する前に1~2回のmECTを定期的にかける方法もあるそうですが、3ヶ月に1週間ずつ入院しなくてはならないので、会社員には難しいでしょう。
そうなると、再発させないためには、環境を選ぶことと、効かないという中でも少しは効く坑うつ薬を「維持薬」として飲み続けるのが重要です。
私は、アモキサン150mg/day、リーマス300mg/day、テトラミド60mg/dayを維持薬として飲んでます。
漫然と同じ医者にかかり続けても、事態が変わらない時は、患者自らが、「治ろう」という意思を持ち、入院、TMS, mECTなど可能性のある治療を積極的に受けていくことが大事だと思います。
一方で、よくなったからといって、早すぎる社会復帰は、再発を招きます。焦らずじっくり辛抱することもまた大事だと思いました。