「賭博罪というものがあるのに、なぜ競馬やパチンコのような賭け事が許されているのでしょうか?」
全くもって当然の疑問です。自分も,昔は不思議に思っていました。
競馬やパチンコが賭博(刑法185条)にあたらないからでしょうか?
賭博とは,不確定な事実に係る勝敗の結果により一定の財産的利益を敗者が勝者に提供することを約束の上,勝負することです,最高裁は,「賭博は,国民に怠惰浪費の弊風を生じさせ,勤労の美風を害するばかりでなく,甚だしきは暴行その他の副次的犯罪を誘発し又は国民経済の昨日に重大な障害を与えるおそれすらあることが,それを処罰する理由である」とし(昭和25年11月22日判決),賭け囲碁も賭博に含まれる(大正3年10月7日大審院判決)としています。
とすれば,競馬やパチンコはどう見ても賭博ですよね。
たしかに,パチンコは,「つぎ込む金は遊戯代」という理屈,「パチンコ店からは形式上独立した景品交換所が景品を買い取る」といった装いをこらすことで,賭博でない形式をとっています。しかし,競馬・競艇などは賭博そのものですよね。
競馬や競艇がなぜ許されるかというと,競馬法やモーターボート競走法といった法律で認められているからです。これらの法律は刑法の特別法で,一般法たる刑法よりも優先して適用されます。これを「特別法優先の原則」といいます。
そして,なぜこんな法律があるかというと,競馬や競艇は,都道府県や市町村が主催しており,かけ金がそれら地方公共団体の収入となるからです。つまり,競馬・競艇などでたくさんスった人は,ある意味,高額納税者ということですな。
お礼
高額納税者……。 本人は楽しんで税金(に近い)を払えれば本人もいいものですよね。財政も儲かる(笑)