住宅ローン審査経験者です。
まず、住宅ローンには大きく2つの金利タイプがあります。
ご質問者さまも書いていらっしゃる『変動金利型』と『固定金利型』です。
さらに、『変動金利型』の契約を基本契約として、それに「例え市中の金利がどれだけ上昇しても、一定期間は金利を上げません」という『特約』を結ぶ、『固定金利選択型』というものがあります。
現在の住宅ローンにおいては、この『固定金利選択型』を利用されている方が多いんですよ。
#1さんがご利用の金融機関では、『固定金利型』を扱っていないようですが、そういうところもあります(35年もの長い間、現在の低金利を引っ張られるのは、やはり金融機関には不安ですから(笑))。
また、当初『固定金利選択型』を選びますと、固定金利期間終了時に「残りの全期間を固定金利型に…」ということはできないことが多いです(『固定金利選択型』は、基本契約が『変動金利型』なので。ゆえに、『固定金利期間の特約』を再締結しないと、自動的に『変動金利型』へ移行します。後日、再度『固定金利選択型』の特約を追加することはできますけれどね)。
元金均等払い、元利金等払いという返済方法の違いや、ボーナス返済の有無と、『固定金利型』の扱いの有無は違いますよ。
金融機関自体が『固定金利型』を扱っていない場合もあるんです。
また、一定以上の条件を満たしていないと『固定金利型』は契約してもらえない…というところもありますね。
> これからのことを考えると金利はどんどん上がっていくような気がしますので、固定型を選ぼうと思っているのですが、決めてしまってよいのか悩んでいます。この件についても、ご意見をいただけないでしょうか?
そうですね。
金利については、今までが「異常なほどの低金利」だったので、「底は浅く、上は天井知らず」という状況には間違いがないです。
どんどん上がっていくかどうかは分かりませんが、上昇基調にしかなりようがない…という状況ではありますね。
この景気の悪さを、政府がどのように回避しようとするかが金利の分かれ道なんですよね。
・金利を上げて金融機関に資金を集め、その資金を金融機関に運用させることにより、市場を活発にして景気をよくする(預貯金の金利が上がらなければ、銀行等にお金を預けても仕方ないので、現金を持つが、万が一に備えてタンス預金の額が増える。消費者が買い物をしないから契機はよくならない…という状況を打破する)
・金利を下げてお金を借りやすくし、企業の設備投資、事業投資の意欲を活性化し、市場に資金を増やす(企業が設備投資、事業投資に資金を回せるようになれば、その関係の人材が必要になり、雇用が増える。雇用される人が増えれば、それだけ消費をする人が増える…という状況を作る)
どっちへいきますかねぇ。
何しろ、(いろいろな価格が上がって)消費者物価がかなり厳しい状況になってきているので…。
ご質問者さまが、「一旦住宅ローンを組んで、その後1円でも返済金額が上がったら生活に不安がある。」というのでしたら、借入から完済まで金利の変更がない『固定金利型』を選ばれると「安心」でしょう。
借入から完済まで金利の変更がない(全期間固定)=返済金額が変わらない、ので、完済までの資金計画も立てやすくなります。
ですが、「まだまだ低金利の現在、そのメリットを有効に活用して、低金利で借りて返済額を少なくしたい。返済額が少ない分、余裕資金も生じるので、その分は期間短縮型の繰上返済をして、少しでも利息額を減らすことにより総返済額を減らしたい。」ということを考えられるのでしたら、『変動金利型』を選ばれるとよろしいでしょう。
ただ、ご家族の年齢によって、「この先、子供の学費・養育費等がどんどん必要になってくる」と「子供にかかる費用はある程度峠を越えた。あとはその点の出費は減る」とでは、全くアドヴァイスが違ってきます。
ですから、住宅ローンについてのアドヴァイスを必要とするときには、家族構成のほか、年齢なども必要の情報なんですよ。
金利については、多くの金融機関で、当初の借入については、お借入申込者の『属性』や『条件』によって、「金利の優遇」をしていることが多く、「店頭表示金利から1.00%マイナス」というところも多いでしょう。
ただし、この優遇は、『変動金利型』と『固定金利選択型』の場合で、『固定金利型』の場合は当初から優遇後の金利が提示されています。
ご質問者さまが調べられた
> 現在 変動型では2.9% で 固定型が3.2%(ただし全期間固定型)程度
というのは、おそらく、変動金利型の『店頭表示金利』が2.875%、固定金利型の『適用金利』が3.20%ということになっていると思います。
変動金利型は、『優遇』が受けられれば、1.475%~2.175%程度の『適用金利』になると思います。
『固定金利型』は、だいたい30年以上の返済期間において『適用金利』が3.20%程度ですね。
また、『固定金利選択型』の『店頭表示金利』は、『固定金利期間』の長さによって違い、『固定金利期間』が短ければ低く、長ければ高いという順イールドになっています。
ご質問者さまや配偶者の方が、「世の中のお金や金利の動き」に敏感でいられて、状況に即応できるのであれば、とりあえず「金利が低いもの」を選ばれてもよろしいかと思います。
それよりも「安定」を望む…と仰るのでしたら、『固定金利型』を選ばれるとよろしいかと思います。
また、金融機関によって「繰上返済にかかる手数料」がかなり違います。ご質問者さまが利用される金融機関では、それが安いか、高いかも視野に入れるべきかもしれません。
さらに申し上げれば、変動金利型と固定金利型の両方のメリットを生かす、「ミックス型」というプランを扱っている金融機関もありますよ。
お礼
ご返答ありがとうございました。 参考になるご意見 大変感謝いたします。