石鹸の成分をご存知でしょうか。
天然の油脂をアルカリで加水分解したものです。
テンプラ油の廃油を使って石鹸を作るというニュースはよく見かけるものですからテンプラ油も石鹸の材料になるということは理解できるはずです。牛肉や豚肉の脂でも作ることができいますが植物油を材料にしていることが多いです。普通に食物として摂取している油脂が材料になっています。単に「天然に存在する材料」というのではありません。
油脂は高級脂肪酸のグリセリンエステルです。生物由来の油脂の脂肪酸は枝分かれがありません。炭素の数が偶数です。体内で油脂が代謝される場合もこの条件が前提になっています。合成された枝分かれのある脂肪酸は代謝のプロセスにうまく乗ることが出来ません。
合成洗剤の出始めたころ、洗剤を含んだ下水が流れこんだ川が泡で覆われてしまって大きな問題になりました。その当時の洗剤の主成分がアルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩でした。ABSといいます。枝分かれが多くて生分解が遅かったのです。その後枝分かれの少ない直鎖型のABSに変わりました。LASといいます。かなりましになっています。それでも下水に流れた石鹸が1時間で分解されるのに対してLASは1日かかるというぐらいの差がありました。最近はこのLASも使わなくなっているようですね。洗剤の箱を見ると成分の1つに石鹸分(脂肪酸ナトリウム)という表示がありました。
洗浄に使った海面活性剤は必ず洗われたものの上に付着して残ります。食器を洗えば食器に残ります。シャツやタオルを洗えばシャツやタオルの上に残ります。料理に食器を使えば口に入ります。石鹸でも合成洗剤でも必ず口に入ってくるという前提で考える必要があるでしょう。
天然の油脂と同じものを合成で作ることは出来ません。普通に作れば多分収率は%のレベルだろうと思います。コストと時間をかければもう少し上がるかもしれません。でもppmのレベルで不純物をコントロールすることは出来ないだろうと思います。でも生物に対する影響はppmレベルで効いてきます。ppmのレベルで含まれている物質のコントロールは製造方法を変えることでしかダメだろうと思います。
主成分が同じでも不純物が異なれば別のものだと考えるほうがいいようです。
お礼
ご回答ありがとうございます。 詳しくて分かりやすい説明で助かりました。 食べられるような材料でできているなら安心ですね。 材料だけでなく、石鹸も食べて大丈夫なんですかね?(食べませんけど)