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分光光度計の検量線が直線にならず困っています
分光光度計を用いてI3-(triiodide ion)の濃度決定を行うために、λ=353 nmにて検量線の作成をしています。 ところが、直線性の良い検量線が得られません。 濃度が高い所で検量線が寝るような現象は良くあると思うのですが、 私の場合は濃度が高いほど起き上がる形になっています。 Excelにて近似曲線を作成したところ、2次式が良く適合しR2=0.9998でした。 何度調製してもこのようになりますし、どの濃度でも近似曲線に良くのるのでこれを検量線として使おうかと思っています。 以下について教えて下さい。 ◇濃度が高いほど検量線が起き上がるというのはありえるのでしょうか? ◇おかしいならば、何が原因と考えられるでしょうか? よろしくお願いいたします。
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今回は関係ないかも知れませんが、I3^-イオンは他のヨウ素I2と反応しI(2n+1)^-になる事が知られています。 一応調べて下さい。
- citchem
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1. 化学平衡と検量線について 検量線は単に測定対象の物質の濃度を示していると考えます。 私が言いたかったのは、高濃度では放物線状になるのではないかと思われますが、そのとき、濃度が下がったときの吸光度の負の変位が大きい、すなわちI3-の濃度が低下し、左辺に移動するということを言いたかったわけです。化学平衡を論じているのは、I3の化学的特性が吸光度分析に与える影響に関することであり、単純に検量線と濃度の関係について言う場合、化学平衡とは関係はありません。 2. 検量線の活用について ランベルト・ベールの法則は、試料の化学反応に関するパラメータがありませんので、あくまで試料の化学反応の影響が無視できるような場合のみ、単純に従います。しかし、その物質が化学反応を起こすことにより、測定対象物質の濃度が吸光度と単純に比例しないような場合には、化学反応が濃度に影響しているわけですから、ランベルト・ベールの法則には単純には従いません。 検量線は測定対象物質の濃度について示すものですから、直線にならなくてもそのまま使うことになるでしょう(イレギュラーですが、これは化学的特性上やむを得ないことです、相関係数の算出は、検量線作成の妥当性(操作ミス等がないこと)を検証するために行う操作ですが、そのときにかえって一次式に強引に補正したりすると、恣意的操作になってしまい、検量線の意味がなくなってしまいます。)。
推測ですが、分光光度計で I3- を測定している間、光化学反応により左側へ平衡が移動し、 I3- 濃度が高い時は I2 がより多く生成されるので、吸光度が線形から外れて大きくなる、 とは考えられないでしょうか。 もしそうだとしたら、不確定原理ではないですが、検量線はカーブになっても止むを得ない のかもしれません。 #1の投稿の一部(吸光度の式)を log(I0/I) と修正させて下さい。
- citchem
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あくまで可能性ではありますが、 I2 + I- → I3- (表記上は右矢印ではあるが、実際には化学平衡) の反応の特性が影響していることはないでしょうか? ル・シャトリエの原理により、 左辺の濃度が高くなると、濃度の上昇を抑えようとして右辺に平衡が移動し、逆に右辺の濃度が高くなると、左辺に平衡が移動する ことになりますが、この場合は、起き上がる高濃度域で濃度が下がるにつれて急激に吸光度が低下するということでもありますから、そのときに、左辺への移動が起こっているものと考えられます。
ウィキペディアに、以下のような説明があります。 Triiodide ion The triiodide ion is the simplest polyiodide; several higher polyiodides exist. In solution, it appears yellow in low concentration, and brown at higher concentration. つまり、濃度が濃くなると、黄色が褐色になるとのことなので、ln(I/I_0) が濃度に比例せず、検量線が非線形になるのでしょう。 高濃度の場合は、溶液を希釈して行うのが好ましいと思われます。
お礼
ご回答ありがとうございます。 最も高い濃度でも吸光度は2以下で、溶液の色は黄色です。 また、吸光度=0.5付近でも直線性が悪く困っています><
補足
ご回答ありがとうございます。 確かに、平衡が影響している可能性はありますね! >起き上がる高濃度域で濃度が下がるにつれて急激に吸光度が低下するということでもありますから、そのときに、左辺への移動が起こっている 高濃度域で濃度が下がるとI3-が減少するので、より濃度が高いときよりも平衡は右辺に移動する気もするのですが、どうなんでしょうか? よろしければもう1つご意見をお聞かせください。 この系では、低濃度(吸光度0.2)でも直線よりも2次式によく適合しているのですが、citchem様でしたらどのようにして濃度決定されますか?(分光光度計ではランベルト-ベールの法則に則って直線を用いるのが基本ですが、2次式を用いても良いのでしょうか?) たくさん質問してすみませんが、よろしくお願い致します。