化学量論:ニトロベンゼン→アニリンの合成
以下の考え方のどこが違うか教えてくださると助かります。
なにか致命的なミスを犯している気もするのですが…
アニリンの実験室での製法 (本の記述より抜粋)
「試験管にニトロベンゼンを1 mlとり、粒状スズ3 gと濃塩酸5 mlを加え、約60 ℃の温湯につけて穏やかに加熱する。…」
【各々の物性値】
ニトロベンゼンC6H5NO2:分子量123, 密度1.20
粒状スズSn:分子量119
濃塩酸HClaq:一般に塩酸濃度0.012 mol/ml (37 wt%, 密度1.19)
【実験試料のモル数】
ニトロベンゼン1 ml → 1.20 g → 0.00976 mol
粒状スズ 3 g → 0.0252 mol
濃塩酸 5 ml → 0.06 mol HCl
【化学反応】
塩酸過剰にしてアニリン塩酸塩にしたのち、NaOHでアニリンを遊離させる。
【反応式】
(1) 2 C6H5NO2 + 3 Sn + 14 HCl → 2 C6H5NH3Cl +3 SnCl4 +4 H2O
(2) C6H5NO2 + NaOH → C6H5NH2 + NaCl + H2O
反応式(1)より、反応に必要な試料のモル比は、
ニトロベンゼン:スズ:塩酸 = 1 : 1.5 : 7
一方実験試料のモル数は = 1 : 2.6 : 6.1
したがって、塩酸の量が足りない気がするのですが、どこがおかしい(もしくは合っていてニトロベンゼンは全部反応しない?)のでしょうか…
(1)の右辺のSnCl4が水溶液中で電離して酸として働くのでしょうか?
単純ミスかもしれませんが、よろしくお願い致します。