- ベストアンサー
バイオ燃料の中心となる企業?
はじめまして。 仕事の一環でバイオアルコールの情報収集などに関わっております。すでに日本はこの分野ではアメリカ、ブラジルなどに対して非常に後手にまわっております。産業界、官界、大学というふうに分けて眺めると、この「企画」に最も力を入れようとしているのは、現在では官界だと思います。それに対して、産業界からのレスポンスが非常に消極的だと感じております。これはどちらの企業も収益性について疑問?を抱いておられるからだと思うのですが、、。 そこでお訪ねしますが、もし近い将来に国内でバイオアルコールが(輸入も含めて)ビジネスになるとしたら、どのような分野の企業がリードしていくと思いますか? また、このビジネスで最も収益をあげるのは、どのような企業になると思いますか?(商社?プラントメーカー?自動車メーカー?化学会社?発酵会社?農家?・・?) とても難しい問題を子供のように質問する自分がバカみたいですが、いろんなご意見を伺いたいものです。どうぞよろしくお願いします。 (ここでのお答えを何かの報告書等の資料とすることはありません)
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
バイオ燃料に限らず、液体燃料を大量に安全に、かつ安定的に消費者に届けるためには、原料の確保から製造、貯蔵、配送、小売にいたる巨大な生産・流通システムが必要となります。このシステムを持っているのは我が国では石油業界だけですから、常識的に考えてバイオ燃料についてもメジャープレイヤーは石油業界になります。(欧米やブラジルでもそうです)ただ、ご指摘のとおり石油業界は、政府の要請に基づいてバイオ燃料を取り扱っているにすぎず、いわばボランティアで、収益を目的としているわけではありません。石油連盟は2010年に原油換算21万キロリットルのバイオ燃料を供給する予定です。 石油業界が必要とするバイオ燃料を供給するのが、商社です。彼らは既にブラジルなどに巨額の投資をして、日本への輸出を虎視眈々と狙っています。これはほぼ確実に儲かるでしょうね。 プラントメーカーについては、国内でのバイオ燃料プラントがほとんどないので、海外市場を狙っています。エタノールの脱水装置が有望だと思います。そのほかにセルロース系からエタノールを作る装置が開発されていますが、まだ実用化には至っていないようです。 農業事業者がサトウキビや米、麦などを原料としてエタノールを作るプロジェクトを立ち上げていますが、規模が100から1000キロリットル程度であり、石油業界の21万キロリットルに比べてほとんど無視できる程度です。採算的にも難しいでしょう。 当面は商社がエタノールやETBEを輸入して石油業界がこれをガソリンに混合して、石油業界の流通網を使って配送、小売を行うのが現実的でしょう。このステージで儲けを得るのは商社です。 将来は農業事業者が稲ワラや燃料作物(雑草のようなもの)を使ってエタノールメーカーがエタノールを作り、これを石油業界が加工して流通させるのが理想的だと思います。このステージではエタノールメーカーが収益を得るでしょう(リスクは大きいですが)。その他に、プラントメーカーや酵素・遺伝子組換酵母などを作るバイオベンチャーなどに可能性があります。 なお、地産地消と称して小規模なエタノール製造プロジェクトが各地で行われており、環境省や元首相などがやけに力を入れていたりしますが、流通システムを持たない以上、小規模にとどまるでしょう。これが将来、エタノールメーカーに成長すれば可能性はあると思いますが、国からの支援がなくなったときに競争力のないところは淘汰されるでょう。
その他の回答 (2)
- hiko3323
- ベストアンサー率37% (226/595)
素人考えなので、読み飛ばしていただいて結構です。 もし、現状の穀物ベースのバイオが浸透する、と仮定したら、普通にサラダオイルとかの会社がリードするべきじゃないですかね? もちろん、いわゆる大手企業なら、どこの会社でも、なんらかのエコ関連の研究をされてらっしゃるとわ思いますが、生産、開発よりも、商業ベースの乗せることの方が難しい気がします。 その点において、仕入れ、輸入、生産、備蓄、販売の実績が揃っているのはサラダ油メーカーくらいではないかと? おっしゃられているように、現状の所、政治がらみの方が多く、企業のレスポンスが悪い理由としては、収益性もあると思いますが、もっと長期的に見ているからじゃないでしょうか? 本来地球が作ってくれた化石燃料を、人工的に急速に作り出すバイオは、Co2削減でもなんでもなく、単に石油産出国に対する威嚇でしかないように思います、または、アメリカ、ブラジルなど、元来の特産物が高く売れるんなら、良しとする国策なのか? どちらにせよ、実際の燃料問題、環境問題には、まったく貢献していないのがバイオではないでしょうか?、いずれ土地が痩せ、砂漠化するまでは「商売になる」と言うことなのでしょう、一時、自動車メーカーが研究していた「ケナフ」の栽培も、急速に育ちますが、その分土地痩せがひどく、現在は縮小中です。 企業さんも、このあたりを敏感に嗅ぎ取って、投資に対する将来性が薄いので、及び腰なのではないかと?
お礼
ご回答ありがとうございました。 長い目で見たときに、将来性に疑問がもたれるのですね。たしかに、10年、20年も関わっている行政官はおそらくいないのかもしれませんね。企業はもっとちゃんとした目で見ている、ということですね。
- cse_ri2
- ベストアンサー率25% (830/3286)
専門家ではありませんが、バイオ燃料の問題について理解していることを簡単にまとめます。 現在のバイオ燃料には、サトウキビやとうもろこしなど、食用と同じ部分からしか生産していません。 アメリカなどでは、燃料用のとうもろこしなどに補助金を付けたため、それまで家畜のえさ用に生産していたとうもろこしが燃料用にまわされたり、あるいは農家が食用の大豆や小麦の栽培をやめ、バイオ燃料用のとうもろこしに切り替えたりしたため、世界的に食料が不足し食料価格が高騰する原因の一つになっています。 (正確には、オーストラリアなどでの旱魃による不作などの要因もありますので、一概にバイオマスだけが悪者ではありません) ではこのまま解決する道はないかというとそうでもなく、次世代のバイオアルコール生産技術として、セルロース類からバイオ燃料を作る技術の開発が進んでいます。 具体的には、人間が食べない稲藁や木屑などが、燃料に化けるという技術です。 この技術が進展すれば、燃料生産拡大による食料価格高騰という問題は、解決の見込みが立ちます。 この次世代バイオ燃料生産についてですが、世界的に見てもトップバッターに近い位置にいるのが、実はホンダ技研です。 参考:RITEとHonda、セルロース系バイオマスからのエタノール製造新技術を共同開発 http://www.honda.co.jp/news/2006/c060914.html 近い将来に、この技術が世に出ることを期待しています。
お礼
ご回答ありがとうございました。本田の技術はかなり現実的に配慮してあるそうですね。デンプン・サトウキビ系アルコールはどれくらいまで増産できるのか、考えております。早々のご回答、お礼申し上げます。
お礼
たいへんに詳しく、また具体的なお答えをありがとうございました。 政府の提唱する国内プロジェクトには輸入の話はあまり出てこないので、実際に世の中がどのように動いているか、全体的な俯瞰図が持てずにおりましたが、21万対千の比はわかりやすいですね。セルロース系アルコールは技術としては可能なんでしょうが、コスト面ではまだ準備段階のようですね。ちなみに糖からのアルコール変換に非微生物的な技術(化学触媒など)を開発していく、というのも技術的な力点になっているそうですね。 再々、ご回答にお礼申し上げます。