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障害者権利条約の批准について
障害者権利条約が2008.5.3に発効したそうですが、批准したのはジャマイカ,ハンガリー,パナマ,クロアチア,キューバ,インド,ガボン,バングラデシュ,南アフリカ,スペイン,ナミビア,ニカラグア,エルサルバドル,メキシコ,ペルー,ギニア,サンマリノ,ヨルダン,チュニジア,エクアドル。 20ヶ国のうち、先進国と言えるのは、南アフリカ、スペイン、サンマリノぐらいですね。 G8加盟国が批准していないのはどうしてでしょうか。ロシアはともかく、ADA法のあるアメリカなどは、批准しても特に問題がなさそうに思うのですが。
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批准するためには、国内法がきちんと整備済みであることと、現に障害者に対する差別・不利益が認められない、ということが必要なのだそうです。 一口に「国内法」と言っても、一見「障害者」が表に出てこないものもありますよね。 たとえば、雇用保険法。 就職困難者の定義があり、所定給付日数も有利に働いていますが、だからといって、障害者に限定した法規定ではないのです。 このような法律はほかにごまんとありますから、法体系が複雑に絡まりあっている「先進国」ほど、全体(= 表向き「障害者」だけに限定していない法律、を含めるということ)としての法整備に手を付けることが非常に困難になってゆきます。 このような裏事情がありますから、先進国ほど批准が遅れてしまいます。 ADA法のある米国とて例外ではなく、障害を持つホームレスに対する法整備の遅れ、公的医療保険制度の未整備等があるため、批准しようにもできないのです。 これが日本ですと、たとえば、20歳前障害での障害基礎年金を受給する人に対する所得制限が「障害者への差別では?」とされ、国民年金法を大改正しないとダメ、などということになってきます。 国際条約は、国内法よりも優先されます。 となると、運用や実態が現実にそぐわないのに条約だけ批准する、というのでは、明らかな矛盾が生じてしまいます。 私論としては、障害者権利条約の意義は大いに認めるものの、ただただ批准すれば良いというものではない、と考えています。
お礼
ありがとうございます。 外務省の仮訳にざっと目は通したのですが、とても広い範囲にわたる条約だと思いました。そのなかでも、 第4条の1 (a) この条約において認められる権利の実現のため、すべての適当な立法措置、行政措置その他の措置をとること。 (b) 障害者に対する差別となる既存の法律、規則、慣習及び慣行を修正し、又は廃止するためのすべての適当な措置(立法を含む。)をとること。 のハードルが高いということですね。 先進国というより、歴史が古い国ほど、古い(けど、現役の)法律の全ての見直しが必要となってしまう。アメリカだとご指摘のとおり、公的医療保険。日本だと、雇用保険や年金のほか、教育や労働分野もネックになりそうな気がします。国によっては「清浄な水のサービス」が大変かもしれませんね。