私は歯科医師です。父と叔母も歯科医師で、叔母の連れ合いは地元の歯科医師会会長を勤めた人です。
その所為で、私は生まれながらに歯科医師の道を定められていました。
小学校から中学まで、衛生委員(保健委員)以外の係になったことがありません。
小学校から高校まで家庭教師がついていました。
知人のご子息は医大か歯科大に入れるために努力されましたが、都内の有名私立中学を落ち、どこが悪いのか学校に伺ったところ「各科目毎に最低でも3名の家庭教師が必要」と言われたそうです。(今ほど塾が多くなかった時代ですが)
私は小学校高学年くらいから、なりたい職業がありました。でも、親族はそれを許さず、大学に残ろうとした時も反対され、後を継ぐ事になりました。
今はそれもまた善しとしています。が、仕事以外にもやりたい事はあります。なので、子供達には強要しませんでした。
医者や歯医者も選択肢の一つですが、医者であろうと他の職業であろうと一生勉強です。今の受験勉強のように必要な科目だけ覚えればよいと言う社会ではありません。
だから、受験で苦労するより、学ぶことを教えてくれる、或いは学ぶ時間がある学校を探しました。
「様々な勉強をする事は何かになるためではなく、選択肢を広げる為に大切。広い知識は選択肢を広げ、視野が広くなり、障害を乗り越える為の力になる。学校の勉強はその基礎。」というのが子供達への方針です。
長男は父の趣味の影響を受け、コンピュータ関連に目標を定めたので、「医者や歯医者が<使わせて下さい>と頼みに来る様なコンピュータを作れ」とその道を進む事を許しました。
結局、上二人は「大学では即役立たない」と専門学校へ、一番下は「行きたい学部があるから」と推薦で地方大学に行きました。
私自身、世の中には医師などよりリスクが少なく、十分な収入と余暇が得られる仕事は多いです。
昨今の暴力的な患者やクレーマーの事件をみると、私が予想していた世の中になっていることを実感し、(ちょっと寂しい感じはありますが)自分の選択は間違っていなかったと考えています。
そして、私も歯科医として、人間としての身の振り方の計画を具体的にしつつあります。
お礼
お医者様本人の立場から大変詳しくお気持ちを聞かせて 頂いて有り難うございました!!