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国民健康保険の保険料計算根拠についての理由
- 国民年金の保険料計算方法には所得割以外にも資産割や被保険者均等割、世帯別平等割が組み合わされていることがあります。
- 所得割以外の保険料計算根拠の合理性・不合理性についての説明が十分にされていないことが問題となっています。
- 年収数十万円以下の人にとっては保険料の支払いが困難であることが明白であり、このような計算方法の採用理由について疑問が残ります。
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ひとことでいえば、年金も健保も「保険」方式をとっているからです。 つまり、保険という制度は対象費用(医療費・年金)の全部を加入者の保険料で賄うのが基本ですから、加入者負担がゼロとなることはあり得ません。 しかし一方で、これらは単なる保険ではなくて社会保障、つまり生存権を国が保障するための福祉制度でもありますので、およそ半額を国や企業が負担することにより加入者負担を減じています。 おおざっぱですが、日本の公的保険は5割が保険制度・5割が福祉制度として設計されていると考えるとわかりやすいと思います。 ここからは医療保険に説明を絞りますが、国民健康保険の保険料・税の算定方法もこの原則を根拠としていて、保険料として賄うべき額の半額を納付能力(収入割・資産割)で算定し、残る半額を受益者均等(世帯割・被保険者割)で算定するように法律で定められています。 そもそも、国保の加入者の半分以上は税法上の所得がほとんど無い人たちですので、所得割だけでは制度が成立しません。 (なぜ被用者健保は所得比例額のみなのかといえば、これらの制度には一定以上の所得のある人とその被扶養者しか加入していないからです) また、実際の受益者均等負担分については、低所得者に7割~2割軽減するよう税金から追加補てんされていますので、平均すると国保加入者の給付費に対する保険料負担率は3・4割程度だと思います。(病院窓口一部負担とあわせるとやはり医療費の半額くらいが平均自己負担ということになるでしょうか) さて、この制度は昭和のころまではうまくそれなりにうまく行っていましたが、個人事業者の減少、核家族化、高齢者率増などが相乗して加入者内の高齢者割合は年々増えつづけ、おのずと一人当たり医療費も右肩上がりの状態となると、いろいろと破たんが見えてきました。 実際、いまの国保の保険者は単独ではほとんどの団体が赤字で、地方税からの補てんでなんとか維持しているのが現状です。 しかも、政府が財政難を理由に社会保障関係の歳出を抑制し続けてきた結果、国保の保険料率は過去に類を見ない程上昇しています。 さらに、政府は保険料率引き上げや景況悪化に伴う滞納率の上昇を保険者(自治体)の自助努力が不足しているせいであるとして財政ペナルティを課し、また保険証の取り上げを義務化して、それらがさらに滞納者数と保険料率を押し上げるという絶望的なスパイラル状態を生み出しています。 いま政府は、老人世代を国保等から切り離して国民皆保険制度の綻びを取り繕うとする制度を始めていますが、結局のところトータルで支出される社会保障費はあいかわらず抑制されたままですので、結局誰かが今以上に苦しむことになるのは自明の理といえるでしょう。 これでもかなり省略して説明しましたが、本当に問題意識をお持ちなら、良い機会ですのでもっと掘り下げて勉強することをおすすめします。社会保障の現状を分析すると、この国の課題の本質がいろいろと見えてきますよ。
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- xs200
- ベストアンサー率47% (559/1173)
私の住んでいる所には資産割はありません。 また所得に応じて6割引、4割引きになります。それほどきびしい金額にはなりません。
- junohera
- ベストアンサー率42% (6/14)
少しの間、国保に関する業務経験が有りますので、経験を元に。 国保は「保険」であり、「相互扶助」により成り立っています。全ての人が平等に医療を受けるために、有る程度、平等の負担が掛かるのは当然です。しかし、 >前年所得がゼロでも年間数十万円の保険料をとられる事実 いくら何でもこれはオーバーでしょう。他の方も書かれていますが、前年所得がゼロならば、自動的に、均等割・平等割に最大限の減額が適用されます(自治体によって、「4割・6割」と「2割・5割・7割」に別れます)。つまり、6割か7割は初めから減免されています。注意したいのは2割減免は申請制ですので、郵便物を注意しておかなければなりません。 所得割にしても、上記の減免とは別に、所得によっては減額が受けられることがあります。資産割も自治体によっては算定しないところもあります。他にも、分納という方法もあります。自治体にもよりますが、最大で年12回に分けて、一回の負担を軽くする方法です。 以外と落とし穴になっているのが、確定申告か住民税の申告が未申告の場合は、上記の減免が受けられないということです。自治体によっては、家族全員の申告を必要とするところもあります。 それから、これはあくまで一部の方の例なのですが、髪の毛染めたり、ケータイを持ってきておいて「払えない」という方もいます。普通車で来られる方も(軽に乗り換えれば自動車税の差額だけで十分払えるはずなのに…)。このように一部で優先順位を勘違いされている滞納者がおられるのも事実です。勿論、食費や光熱費は大事でしょう。しかし、国保は娯楽費よりは優先すべきものです。 滞納者から見れば、徴収する側はさぞ憎たらしい存在に思えることでしょう。しかし、徴収率が落ちれば国からの補助金が減額され、結果、自治体の保険料を上げなくてはならなくなるのです。国保を必死に徴収するのは、保険料を上げさせないようとする努力なのです。そこはどうかご理解ください。 いずれにしても、「国民皆保険」は世界に誇れる制度です。その根幹は、「相互扶助」の精神によって成り立っているということを、ご理解ください。
- kitakanjin
- ベストアンサー率35% (215/612)
)健康保険料滞納して保険を復活して貰うために過去の滞納分まで何故払わなければならないのか、・・・「保険」であるのに非常に不可解なものとなってしまうのでは・・・。 「保険」だから払わなければならないのです。 「保険」とは、想像されるリスクを実害より低い保険料で補填しようと言うものです。その為にはリスクの発生確率を計算して、保険料率を計算して、皆で払って支えるものです。 現在の保険料+3割負担が適正かどうかは今は論じません。 貴方の言うように、「保険証を取り上げられた場合はその期間は健康保険による保証は全く受けられていないのだから保険料は払わない。 保険を復活して貰う時から保険料を払えばよい」とすると。 健康なときは保険に入らず、病気になったときに保険に入ると言う事が起こります。例えば若いときには無保険で、年をとったら病気の危険が増えるので保険にはいるなど。 それでは保険は成り立ちません。 リスクの高い人たちばかりを相手にしたら、保険料は限りなく10割に近づきます。病気にならない人が沢山いるからこそ成り立つのです。 所得の低い人には、減額や免除の制度もありますから、その筋に相談してみて下さい。
- pullmandsg
- ベストアンサー率38% (316/817)
ご存知かとは思いますが念のため。 均等割額、平等割額には軽減制度があり、所得33万、すなわち手取り収入で100万円程度以下であれば、6~7割の減額が行われます。 私は学生なのですが、単独で国民健康保険に入っていて(通常は親の保険に入る)その保険料は月2000円ほどです。アルバイト収入等はありますが、あまり多くないので、7割減額の対象となるからです。 以下URLを参考にしてみてください。この場合は6割減額ですが、7割のこともあります。資産があると話は変わってきますが、低所得者の場合はきついが何とか払える水準にはなっています。
- dulatour
- ベストアンサー率20% (327/1580)
健康保険は、税ではなく「保険」です。 アメリカのように公的な保険が無い国よりも、幾分日本の方がましだと思います。いずれ、健康保険も赤字が深刻化したり、保険料未納の人が増加すれば、アメリカンスタイルを真似るべきだといった受益者負担の論理がまかり通るでしょう。
補足
早速ご回答ありがとうございます。質問に重大な誤りがありましたので、訂正させて頂きます。質問の三行目「国民年金」は「国民健康保険」の誤りです。 さて、保険であるのはその通りだとして、なぜ資産割や被保険者均等割・世帯別平等割といった計算根拠を採用しているか?それが分かりませんので、教えて下さい。 さらに「保険」と考える場合、健康保険料滞納して保険を復活して貰うために過去の滞納分まで何故払わなければならないのかも実はよく分かりません。保険証を取り上げられた場合はその期間は健康保険による保証は全く受けられていないのに、受けられたものとして扱うことは「保険」であるのに非常に不可解なものとなってしまうのでは?と思われるからです。
お礼
有り難うございます。相当に勉強になりました。 甘えついでに、(1)保険料として賄うべき額の算定方法、(2)資産割・受益者均等割採用のの正当化根拠(「保険」だから保険料を取らなければいけないこと、及び所得割だけでは財源不足というのは必要性の根拠に止まると思いますので)をご存じでしたらお教え頂ければ有り難いです。 ご回答をお待ちしていますので、もう少しここを開けておきます。