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大学と警察…

山形大学(に限らず他の大学でもそうかもしれませんが)では学内に警察官が入ると いつどこで何をしたのかといった情報を学長や学部長らの会議に報告するそうです。 そこで文科省出身の新学長が中止を求めたが、大学と自治の歴史を見れば、 警察と緊張関係になることがあると教員に説得され、報告の継続に応じたらしいのですが、 この背景には何があるのでしょうか?

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回答No.1

某国立法学部卒、某国立大学ロースクール生の勉強した内容からの回答ですので、間違っている部分もあると思いますが、一応、回答させてください。 憲法第23条「学問の自由」との関連性があるからです。 憲法第23条の学問の自由には、大学の自治という(制度的)保障があります。 具体的には、学長、教授やそのほかの研究者についての「人事の自治」や施設や学生を「管理する自治」にあります。 その根拠は、教育内容や教育行政が政治的に干渉されると、学問の自由が無意味となることがあります。旧憲法下(大日本帝国憲法=戦前の憲法)では、学問の自由の規定がなく、国家権力によって学問の自由を侵害していたという事実がありました。その際、国家権力の手足として動いていたのが警察権です。 その後、戦後、そような反省から憲法に学問の自由を保障し、特に、学問の一番上に位置する大学の自治を保障することで、そのような干渉を防ごうとしたのです。 ですので、そのような学問の自由の保障を維持するためにも、警察や国家機関の大学構内への立ち入りについては、大学の了解がないと原則は入れないことになっていると思います。 しかし、山形大学は国立ですので、関係性から言えば、国(国立大学)と国(警察や国家機関)ですので、その原則を少し緩やかに解し、報告をしてくれれば立ち入りを許可しているのかもしれませんが、その報告すら無くしてしまうと、結局、学問の自由である大学の自治の侵害を無条件で認めてしまうことになるので、それは、良くないという結論にいたったのではないでしょうか? また、昭和38年最高裁判例にも、大学において、警備公安活動が自由になされると治安維持の名において自由な学問が侵害されるおそれがあるとして、「警察が大学内に立ち入ることは原則として大学の了解が必要と解されている」という内容があります。(東大ポポロ事件)。 以上が、私の見解ですが、文科省の方であれば、上記の関係性を知らないはずはないと思いますが、真意は分かりませんので、僕が言えるのはここまでです。 もし、質問の意図の理解をはきちがえていたら申し訳ないです。

sho501
質問者

お礼

なるほど。分かりやすい回答ありがとうございます。

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