昔の人(古代から)は昼間は理性を持つ人間が支配するが、太陽が沈んだ後の暗闇の世界(昔は街路灯も繁華街もなかった)は、魔物が支配する世界と考えていたのです。では夜ではなくて何故夕方か?それは主役が交代する時間帯で、両者が出会う時間だからでしょう。それ以降は人間は出歩かず家にこもっているので両者が出会う危険はなかったのです。どうしても夜間出歩くときは、魔を寄せ付けない呪いをしたり、修業を積んだ特殊能力を備えた(と信じられていた)人が同行したものと考えられます。
魔とは何か? 当時の人間が理解できない現象は全て魔であり、魔の力によるものと考え、恐れ、敬っていたのです。魔とは仏教用語なので、仏教伝来以前の原始宗教の世界では違った呼び方をしていたのでしょう。
古代人の魔に対する感覚は言葉を通じ、また仏教や神道を通じて現代の我々まで
影響を与えています。
*ふと魔がさして彼はそれを持ち去った(盗んだ)
*夜は爪を切ったり、口笛を吹くものではない。
*夜出かけるな(現代では治安上の問題と理解されますが)
そして魔は現代用語としても使われます。
*魔術、魔法(不思議な術)
*いたずら魔、電話魔(このようなことを行うのは人間に魔が取り付いたからと考え、当人を憎んだり非難しなかった昔の人の考え方の影響か?)
お礼
ありがとうございました。大変勉強になりました。