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欧米と日本の金融業の差って何ですか?
製造業は技術や品質、値段で決まりますが、金融業の場合は 何で決まるのでしょうか?日本は欧米に比べて弱いと言われる理由が知りたいです。 宜しくお願いします。
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・まず製造業と金融業と規定の規定について >製造業は技術と品質、値段で決まる。 これは若干違います。 製造業は『品質と価格』で決まります。 技術とはより良い物を作るため、もしくはより安く作るための『手段』です。 これは金融でも変わり有りません。 金融業も『品質と価格』で決まります。 金融業でいう、品質とは安全性つまりリスクの過多です。 当然少なければ少ないほど良い商品という事になります。 また安定性も重要ですが、説明が長くなりますので省略します※。 金融業でいう、価格とは金利です。 金融商品を買う人はあとでお金に戻す為に買うわけです。 つまり、30万円を金利年10%(単利式)という条件でお金を貸すということは、30万x(1+0.1x10)=60万円、つまり10年後60万円手に入れる権利を30万円で購入するという事に等しいです。 ここで20万円を金利年20%(単利式)という条件を考えてみます。 これは、20万x(1+0.2x10)=60万円、つまり10年後60万円手に入れる権利を20万円で購入するという事です。 同じ商品で20万と30万の商品があればあなたはどちらを購入するでしょうか?間違いなく安いほう(つまり金利が高いほう)を購入するでしょう。 金融商品は、投資した金が返ってこなければ元も子もないので安全性という品質が最も重要です(0にならなくても減価するリスクも当然ある)。次に、金融商品の価格である金利が重要です。 最終的には、安全性と金利のバランスにかけた期待値のようなもので決まります。 金融技術とは、危険な商品と安全な商品をより分け安全性を高めたり、不確定なリスクを明確して安定性を高めたり、金融商品の売り手と借り手の両方が満足する根付けをしたり、金融の存在自体が商品の質の向上を促すことにより商品の質を高めたりする技術です。 ・アメリカと日本の違い。 私は自信と経験だと思います。 アメリカの金融だって昔から凄かったわけでは有りません。 アメリカの金融業界だって長い成長の歴史が有ります。 まずはそれを説明した方が理解しやすいと思うので説明させてもらいます。 アメリカ金融成長の歴史 1.ニクソンショック以前の金融市場 元々アメリカの金融市場はとても硬直的でした。1930年頃投機によって株式バブルを引き起こし、それが世界大恐慌の引き金になり、世界恐慌がWW2の引き金になったわけです。 そのためアメリカの金融業界は厳重な規制が敷かれました。 2.ニクソンショック以後の金融市場 それが大きく変わったのはニクソンショックです。 これによりドルと金の交換は停止されました。 するとどのようにして通貨の価値を規定するのか、しいてはモノの価値をどのようにして規定するのかが大きな問題になりました。 その時に生まれたのが通貨の先物取引やオプションなどの金融派生商品です。 これの金融派生商品は未来の価値を元に売買されるわけです。 そして商品の価値に未来の価値を織り込む事により、商品の価格を長期的に安定化させようというアイディアです。 例 現在金融の影響で石油が値上がりしています。現在石油が足りているのに石油が値上がりしている事を疑問視している人がいます。しかし、実際に石油が足りている時期から徐々に値上がりするのと、実際に 石油が足りなくなってから急激に値上がりするのどちらが好ましいかといえば明らかに後者でしょう。 3.レーガン改革の影響 小泉改革が規制緩和をしたようにレーガン政権は大幅な規制緩和を行ないました。大恐慌時に雁字搦め敷かれた規制はレーガン政権時に大幅に緩和されました。 その影響はすぐには現れませんでしたが、しばらくしてアメリカの金融市場は非常に活性化しました。ただしこの頃(80年代後半)は玉石混合の状態でカジノ資本主義と揶揄されてもいました。 4.ブッシュ&クリントン時代 しかし兎にも角にも金融市場は活性化されました。 弱肉強食の金融市場で様々な人々が切磋琢磨し、様々な知識を様々な技術を貪欲に吸収していきました。 間違った技術や知識を持つものは瞬く間に淘汰され正しい技術や知識を持つ人はどんどん強くなりました。その結果現在のアメリカがあるのです。 ちなみに、金融市場において弱いと言うのは悪です、何故なら無能な人間に金を貸してお金を無駄にしたからです。 金融市場において強いと言うのは全です、何故なら能力はあるのにお金がない人にお金を貸す事によりチャンスを与え、その結果社会を発展させたからです。 シリコンバレーの第二次成長や、現在の中国の発展を支えたのはアメリカの金融です。 ・それらを踏まえアメリカの強さ 1.アメリカンドリーム まずは何よりアメリカンドリームでしょう。 チャンスを求めてリスクを取るアメリカの文化が金融と相性が良かったのだと思います。 2.自由競争の風土 1と密接に関連しています。殆ど同じ事といってもいいです。 全ての人々が自分の野力を最大限に引き出して競争する事をよしとする文化です。 競争には勝者と敗者が出ます。つまり弱肉強食です。それを認める文化です。 3.長年の経験 1と2の文化の下でアメリカの金融界には様々な人々が参戦しました。一攫千金を夢みた中卒がなけなしの金を払ってトレーダーになったり、大学の教授等の学者が金融理論の構築に必死に取り組んだりしてアメリカの金融は成長していったのです。 その歴史があるからアメリカの金融は強いのだと思います。 4.基軸通貨ドルを持つ国の強み もう一つアメリカ固有の強みとして基軸通貨国という強みが有ります。 ドルは基軸通貨です。国際決済は大抵ドルを用いて行ないます。 そのためどの国も突然お金が必要になったときの為に一定額のドルを用意しています。またドルは世界中の何処でも通じるとても便利なお金なので余ったお金をドルで保管している国や人も結構います。 このようなドルはそのままにしておくのはもったいないので、アメリカの国債を買うのに充てられています。 その結果世界最大といわれる日本人の金融資産が殆ど金利2%の国債に塩漬けにされているのに対して、アメリカ人の金融資産は殆どが株式やファンドに投資されています。そのためアメリカの金融市場は非常に活気があるわけです。
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- code1134
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欧米と言うより"米国の金融業vs日本のそれ"、との視点からカキコんで見ます。 ●米国にも(厳密には投資銀行と捉えるべきにせよ)証券会社も商業銀行もありますが、証券(or銀行)業界と細分化する発想が殆どなく、金融サービス業との括りで、前者は後者を(後者は前者を)念頭に入れ、経営戦略を立てている点 これに対して、「日本では証券会社は他の証券会社しか、銀行は他行しか念頭に入れていないのでは?」とさえ思う事が多々あった、と言えるでしょう。 ●金融工学やファイナンス学の面で数(or数十)歩は米国の方が日本より先んじていると言え、これらの学部学科を専攻した者だけが、荷う訳ではないにせよ、差は相当大きいと解すべきでしょうね。 ●相場や値動きにブレは付き物ですし、趨勢において、右肩上がりの場合には余り出番はないのですが、日本人は発想面で、(アングロサクソンが主流の)米国に比し、空売りにさして長けていない傾向がある事。 (今回のサブプライム関係で言えば損した銀行や証券会社もある一方で、ゴールドマン・サックスの如く、値下がりすると読み、最高益の恩恵を受けた例も見受けられ、常に僅かにせよ多数派に与しない向きがあるのが強みに係っていると思うのですが如何でしょうか?。) http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3487046.html
- harepanda
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日本の金融業界の弱点は、過去の護送船団方式と呼ばれる国家主導のカルテルの箱庭から、まだ厳しい外の世界に順応が終わっていないことだと思います。また、リスクをとりつつ新しい金融商品を開発するというダイナミズムに欠け、日本国の国債を中心とした運用が今でも続いており、民間会社でありながら国家の信用力に依存している傾向が強いのも気にかかります。よく、「年金なんて払ったって、どうせ金は返ってこないんだから、民間の保険会社のほうが良い」という誤解をしている人がいるのですが、民間の保険会社だって、国債中心の運用をしている限り、年金が崩壊する時には、同時に保険会社も崩壊するのです。 ガン保険で有名なアフラックは、もともとアメリカの会社ですが、日本人の用心深い民族性を見抜き、日本の保険会社が提供していなかった、ガン保険というジャンルを発明した功績があります。本来、日本国内の金融機関が発明すべきものを、外国人が先に発明してしまったというのは、情けない限りです。アフラックは現在、アメリカ系企業でありながら売り上げの75%を日本からあげているという、大変な成功事例となっています。 が、こういった傾向も、橋本政権の時代に行われた、いわゆる金融ビッグバンの影響がジワジワと効果を発揮しはじめており、10年前には考えられなかったような新しいタイプの金融機関が生まれてきているのは、頼もしい傾向です。 イトーヨーカドーのグループによるセブン銀行の設立は、まさにその成功事例で、「銀行とはカネを人に貸して利息で儲けるものだ」という専門家の意見を無視し、「決済専用銀行に徹する。そうすれば、融資で失敗して不良債権を発生させるリスクもゼロだ」という路線に徹したことが、今となっては完全にプラスに機能しています。 また、新生銀行によるATM使用料の無料化など、新しいタイプのサービスが生まれているのは、消費者にとって歓迎すべき事態と言ってよいでしょう。 少々、気になるのは、いわゆるグレーゾーン金利の廃止(出資法と利息制限法の間の矛盾の解消)によって、消費者保護の点では進んだものの、企業向け金融の点では逆に足かせをはめられてしまったことです。本来、信用力の弱い人や法人に融資する時は、それ相応の高い金利を要求するということが必要なのですが、この概念が日本には存在しないことにより、企業向け融資においても相手の信用力にかかわらず漫然と同じ金利を適用している傾向があるような気がします。例えば、アメリカには破産会社専用に融資を行う高利息の金融商品があるのですが、米国市場最大の破産事件を起こしたワールドコムは、Chapter11と呼ばれる日本における民事再生法に似た破産宣告と企業再生を始めるにあたって、事前に破産会社用のつなぎ融資を受けることができるという見通しをたててから、初めてChapter11の適用を申請したのです。こういう金融サービスを今後、日本で伸ばしていくに当たっては、グレーゾーン金利の廃止は、かえって悪影響を与えると思います。 アメリカにはスティールパートナーズのような、露骨なハゲタカファンドもありますが、カーライルのように企業再生で利益を上げるという健全なファンドもあります。日本の銀行や商社が相手にしなかった、ウィルコムや東芝セラミックスといった、潜在力はあるものの能力を生かしきっていない会社を買収し、業績の回復に結びつけるといったダイナミックなビジネスでは、やはり米国系のカーライル等のノウハウと比べ、日本の金融機関はあまりにも貧弱です。カーライルは最近、日本の大物官僚を雇いましたので、今後はより規模の大きな企業再生ビジネスに参画していくことになるでしょう。カーライルに負けてたまるかと、日本の金融機関の奮起を期待するばかりです。
- pluto003
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技術と規模でしょう。 投資、投機にも様々な技術が存在します。といってもかなり曖昧なものが多く、現地へ行って様子よみて情勢をみながら判断するとか、市場での取引の数値を使って数学的モデルを作り出すなどです。 数学的モデルというのも、もっともらしく聞こえますが、それも情勢によって変化を繰り返しており、多くの投資機関が失敗し破綻をし、それを繰り返してきています。 それでも米国がこれまで金融において一人勝ちであった理由としては、他国が金融にほとんど手を付けていなかったからです。また最も経済力の強い資金力の豊富な規模の大きな国であるというバックボーンもその理由の一つでしょう。 投機などでは、実際ほとんど価値らしい価値を生まないものが珍しくなく泥棒と大差ない部分もありますので、通常政治的に社会的に認められないため厳しく規制されるものですが、米国はこれまでの発展から経済発展が頭打ちになる傾向などとの兼ね合いもあり、経済拡大の優先事項中に金融の自由化などもあったということでもあるでしょう。 資本主義が繁栄できる前提として、経済が永遠に拡大を続けなくてはいけません。 かつての日本に限らず途上国は基礎的な経済発展の要素を多く持っているのでそれで十分に資本主義が機能し、経済発展を遂げられます。しかしある程度の所までくると経済成長が頭打ちになる傾向が強まってきます。 そこでより合理的な投資が必要とされ、金融技術の活躍の場が出てくるといったところでしょうか。