- ベストアンサー
日本政府の累積赤字について
日本政府の累積赤字(用語が正確でないかもしれません)がGDPの倍近くあるということがEconomistの記事にありました。 http://www.economist.com/specialreports/displayStory.cfm?story_id=10169956 これに関連した質問です。 1.何故、日本では政府の累積赤字の削減について議論されないのか? もしくは、これまで議論されたことはあるのか? 議論された場合の結論(or落しどころ)はどのようなものだったか? 2.政府の累積赤字が存在することのデメリットは何か? (金融危機?プレミアムを課せられること?) よろしくお願いいたします。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
>1.何故、日本では政府の累積赤字の削減について議論されないのか?もしくは、これまで議論されたことはあるのか? 日本政府の税収は40兆円位(2,3年前は30兆円位でした)あって、これに対し1年間で80兆円位使っていて、30兆円位を赤字国債でまかなっています。(数字は、学者や新聞社によって変わることがあります。何よりこれらの数字は私の記憶に基づいており、絶対正しいことを保証できません。こんなもんだ・・と言うくらいで読んでください) たしか2011年までに「プライマリーバランス」を回復するというコンセンサスが得られて、これに向かって努力することになっています。たとえば新聞によれば、これに沿い公務員は去年、今年で年間2000人位削減したそうです。国有財産の売却も進め始めているようです。他の支出も削減が原則です。ODAも削減を始めています。「プライマリーバランス」とは日常的行政経費は税収40兆円の範囲内に抑えるという目標です。 >2.政府の累積赤字が存在することのデメリットは何か? (金融危機?プレミアムを課せられること?) 赤字国債は借金ですから、毎年の利子の支払いが発生します。一般人同様、政府も借金が増えると国債の利子の支払いのために行政経費が思うように使えなくなり、最終的には利子が払えなくなります。こうすると最終的には政府は「倒産」になります。韓国やアルゼンチンでは実際に起きています。会社の倒産と似ているようで、公務員の給料を払うお金が無いと言う形で顕在化するようです。 個人で言えば、日本政府は月収40万円でありながら毎月80万円の生活をしているわけですから、長続きするわけがなくいずれ破たんすることは明らかです。カード会社が毎月40万円も貸してくれるからこそ成り立っているのです。カード会社に相当するのが郵便局と銀行、外国人投資家です。小泉元首相は郵政民営化によって、郵便局が政府とのなれあいで国債を引き受けできないようにしてしまいました。(形式的にはこれを見越して郵政民営化以前に制限されましたが) 国際的金余りと異常な低金利が幸いして、すぐに財政破綻は起きないだろうと考えられています。金利が上昇すると話は変わります。ひとたまりもなく一気に崩壊するでしょう。 国家財政が破たんすると国債の引き受けてである銀行が連鎖倒産して、国債だけでなく、銀行預金が紙くずになる形で国民生活にはねかえってくるでしょう。公務員の給料も支払いが遅れるかなくなるでしょう。 IMFとか世界銀行は、日本政府に資金供給を即座に開始しますから混乱は一時的に収まるはずですが、政府の要職にある人に対する責任追及は厳しく、監獄にぶちこまれることもあり得ます。韓国の場合、財閥の責任が厳しく追及され解体され財閥経営者が沢山監獄にぶち込まれたようです。 個人の防御策は比較的簡単です。銀行預金、郵便貯金は合計年収1年分程度に押さえ、残りは外貨預金(ドル預金、ユーロ預金など)に回します。並行して、株式投資、不動産投資(貸しマンション、貸家・アパート経営)を進めます。こうすると銀行預金が紙くずになっても、残りの資産で生活できるわけです。(株式投資、不動産投資の特徴はインフレに強いことです。)私個人としては、この対策を実施済みですから政府が、いつ破たんしてもOKです。根が心配症ですから、個人的には非常に心配しています 政府、高級官僚は「赤字国債」という麻薬中毒にかかってしまったように私にはみえます。残念ながら、麻薬中毒患者に打つ手はないです。IMFとか世界銀行によって刑務所に放り込まれるまで赤字国債の発行を続けることでしょう。
その他の回答 (2)
- kantansi
- ベストアンサー率26% (658/2438)
「日本政府の累積赤字」と言うのは確かに的確な言い方ではありませんね。 政府と言うのは狭義では、「行政府」すなわち、霞ヶ関を頂点とする役人組織、広義でも行政機関に加え、立法機関(国会)、司法機関(裁判所)など、国の統治に関わる機関を意味します。 よって、正確には「日本政府が作って、日本国及び日本国民が背負わされている赤字」と言うことになります。 またその赤字は役人や、政治屋や、裁判官などが、天下り先を確保したり、私服を肥やしたり、犯した失敗を修正・補填したりする事によって積み上がったものです。 もちろんそういった目的を達成する為の手段として、道路を作ったり、学校を作ったり、企業をサポートしたり、当然本来政府がすべきこともやってるように見えますが、それはあくまでも先に書いたような目的を達する為の手段でしかありません。 そういう経緯で出来た(作った)赤字を、作った本人達が、まじめに解消しようとするはずがありません。 益々国民に負担を強いる安易な増税で解消しようと言う役人や政治屋ばかりなのはご存知の通りです。
お礼
ご回答いただきありがとうございました。
- at9_am
- ベストアンサー率40% (1540/3760)
> 累積赤字(用語が正確でないかもしれません)がGDPの倍近くある この数字は、どこまでを政府の累積赤字とするかで変わってくるのですが、概ね800兆円から1000兆円ほどだと思ってください。一方の日本のGDPは大体500兆円前後です。この記事では180%ということなので、850-900兆円ほどを採用しているようですね。 用語としては、累積赤字でも通じますが、特例国債発行残高や地方債発行残高の方が適切かと思います。 1. 参院選前まで盛んに行われていた「財政再建」や「プライマリーバランス」といったトピックがこれに当たります。 結論としては、民主党がバラマキをするという公約で参院選で第一党になったので、棚上げ状態です。一応、来年度予算から「埋蔵金(積み立ての取り崩し)」を行う方向で検討に入っているようです。 2. 累積赤字は、その分だけ金利支払いを行う必要があるということです。正確には違うのだが、大雑把にはそうです。ということは、税金の使い道が既に決まってしまっていて、自由に使えるお金が減るということになります。この問題を「財政の硬直性」などと呼びます。 社会保障費、特に年金と高齢者医療費および高齢者への生活保護費と金利支払いが財政を圧迫し、例えば警察や学校教育、道路補修などが予算不足のために充分に行えなくなったりします。実際、アメリカでは70年代頃から80年代初頭頃に、補修費用がないため道路が穴だらけ、という例があります。
お礼
丁寧かつ質問に対する的確なご回答ありがとうございました。 また、米国の例も大変参考になりました。当時、双子の赤字(国債+貿易)がレーガン時代の米国の課題(たしか。。。)だったことを思い起こしました。今は、米国の財政は健全化しているようですね。 大変勉強になりました。ありがとうございました。
お礼
分かりやすい例を用いた回答を頂きありがとうございました。