紀元前三世紀頃に編纂された
古代インドの仏法説話集 ジャータカ が出典です。
日本では本生経と言います。
兎というのはゴータマシッダールタ(ブッダ)の
前世のひとつです。この説話はブッダ自らの
口伝という形になっています。
お坊さんというのはバラモンの事です。
このバラモンの正体は帝釈天様です。
兎の他に山犬・猿・獺が登場し、
彼等が棲む森に顕れたバラモンに布施を行います。
猿は木の実、山犬は獣肉、獺は魚と、
皆自分達の餌を布施しますが、
兎は草を食べるので布施が出来ず、
バラモンに火を焚くようお願いします。
炎が最高潮に達すると兎は自らを食すように伝え
炎に飛び込みましたが、焼ける事も無く熱さを
感じる事も無く、不思議に思った兎が
バラモンに訊ねるとバラモンは正体を告げます。
そして兎が飛び込んだ炎は兎を試す為の
幻覚であった事も証されました。
(つまり兎は焼け死んでいません)
兎の布施の心を世に知らしめる為、
帝釈天様は月に兎の姿を描きました。
というお話です。
子供向けの読み物等だと、焼け死んだ兎を
月にあげていたり、お坊さんが仏様になっていたりします。
お坊さん=仏様はまだ良いのですが、
兎が死んでしまうと、善行や尊ぶ心や布施の話から、
自己犠牲の話へと、ちょっと趣旨が変わってくる気がします。
お礼
わたしも、その話を聞いてなきそうになりました・・・。 でも、No3の方が教えてくださっているウサギのお話と微妙に違う点は、ウサギ自身も飢えているという点と、教訓として、「肉体が死ぬ=死ぬ」ではなく、お坊さんに食べてもらうことで、形は変わるが自然界の中で生き続けるということを説いたものであったと思います。そういう教訓説話に心当たりはありますか??