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「『ポアンカレ予想』の簡単な説明」の意味
すでに、今までの質問/回答にあるように、ポアンカレ予想の意味のとっても簡単な説明として、「宇宙の中の任意のある一点から長いロープを結んだロケットが宇宙を一周して戻ってきて、ロープの両端を引っ張ってロープを全て回収できた場合、宇宙の形は概ね球体(=ドーナツのような穴がない)と言えるのか」というものがあります。 私には、「ロープを全て回収できる」なら「ドーナツのような穴がない」のは当たり前のように思えます。どなたか、当たり前じゃないことを直感的に説明していただけませんでしょうか? あと、中に中空がある球形(桃の種を除いた果肉の部分だけ)は、球と同じ分類(同相?)なのでしょうか? あるいは、このような質問をする数学初心者には、そもそも、何を説明しても無理なんでしょうか?
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当たり前のことのほうが証明は難しいのです. 条件が少なかったり,当たり前という先入観が邪魔をします. >ポアンカレ予想の意味のとっても簡単な説明として(以下略) 勘違いしてはいけないのは,本来は「三次元球面」ということです. われわれがイメージする「球面」というのは「二次元球面」です. 二次元球面は表面が二次元ですが, 三次元球面は表面が「三次元」です. ポアンカレ予想(もう「ペレリマンの定理」か?)は 「単連結でコンパクトな多様体は三次元球面である」ということです. 単連結が「ロープを結んだロケットが宇宙を一周して戻ってきて、ロープの両端を引っ張ってロープを全て回収でき」るという性質です. そして「多様体」というのが,まあぶっちゃけ「空間」ということです. 「コンパクト」というのが厄介で。。。 これは「限りがある」くらいの意味合いです. 宇宙空間は三次元で,単連結で「膨張宇宙」っていうくらいで 「果てがある」ともいわれてるので「コンパクト」とみなして よいと考えた場合,宇宙空間には「穴がない」, つまり「三次元球面」であると考えられるということなんです. >あと、中に中空がある球形(桃の種を除いた果肉の部分だけ)は、球と同じ分類(同相?)なのでしょうか? 違います.「球面とホモトピック」といいます. 「球」と「球面」は全く別個のものです. 球は中身が詰まったもの,球面は表面だけです. #「球」は一点に「ホモトピック」なので #面白い対象ではないです. 「ホモトピック」というのはゴムかなんかで出来てて 伸縮自在だけども,接着や切断は許さないような変形の仕方で 「同じもの」となるようなことをいいます. 「中空がある球形」は「皮」をきゅーーっと平たくすれば (タネを大きくすれば)皮がぺらぺらになって 「球面」になります. 中空なので,「球」とはホモトピックにはなりません. =============== >『nを自然数とすると、nと2nの間に少なくとも一つ素数が存在する』 >この定理もなんとなく当たり前のように思えるのですが、証明はかなり難解(らしい)です。 いわゆる 「ベルトランの仮説」「チェビシェフの定理」というやつですね. 超難解な証明のほかに エルデシュの初等的な証明が知られていますが, この初等的な証明は相当数学の得意な高校生が 気合をいれて読めば理解できるくらいのものですね. エルデシュが天才だということが実感できる証明です.
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- nickdayo
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直感的に当たり前じゃないことを直感的に説明するのは無理だと思いますけど… 当たり前のように思うあなたの「直感」は正しいと思います。 「直感的に正しい」ことと「数学的に正しい」ことが違うだけです。 数学的に正しいことを証明するためには、既に分かっている正しいことからそれを導き出さなければなりません。 それってそんなに簡単にできないことは数学初心者でも分かると思いますよ(^^)
お礼
ありがとうございます。 No2様のご回答を読んで、そもそも「直感的に正しい」という最初の直感自体怪しくなってきました。
- proto
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直感的には当たり前のように思えるのに、理論的に証明しようとするとなかなか出来ないから難問と言われるのではないでしょうか? 数学は直感だけではできません、なんとなくそうなるとか、そうなるのが当たり前だから、ではなく理論的に正しいことを説明出来なければ証明になりません。 当たり前だと思ってしまうことでも、その人がただ勘違いや思い違いをしているだけかもしれませんからね。 質問者様と同じように、「ロープを全て回収できる」なら「ドーナツのような穴がない」のは当たり前と思った数学者は少なくなかったと思います。 たくさんの数学者が当たり前だと思うことなのに、どうやったら絶対に正しいと証明できるかが誰にもわからなかったのでしょう。 数学では、当たり前っぽいのに証明は難しい定理がちらほらあります。 ポアンカレ予想以外の例を挙げると、 『nを自然数とすると、nと2nの間に少なくとも一つ素数が存在する』 この定理もなんとなく当たり前のように思えるのですが、証明はかなり難解(らしい)です。
お礼
ありがとうございます。 数学者って大変なんですね。
お礼
そもそも、「3次元球面」だったのですね。4次元の球があるとして、その皮が3次元の立体構造を持っているという感じに理解しましたが、しずれにしても、この時点で。「直感的に正しいように感じる」ということばを撤回します。 どうもありがとうございました。