調査結果の数字が一致することはまずありえません。必ず誤差があります。それがどの程度異なっていたら有意な差があるのか(誤差ではないのか)となるかは、サンプリングの数(一番肝心なのは調査方法ですが)やそれぞれの値、分散値などから計算するものです。直感的に10%差は有意であるというのは、何か今年の夏は暑いと言っている程度の話でしかないです。平均温度や湿度等が過去何年のデータと比較してとないと話は続きません。
で肝心の調査方法が各社とも統一されているのかというのも大きいです。新聞の最近の世論調査系のアンケートだとグラフの端っこの方に2,3行程度どういう感じでやったかまではかかれています。大体はその手の調査なら、電話帳等を元にした完全無作為のサンプリングで数百から数千を対象としたという感じです。ですのでこの辺だけはおそらく各社とも一致していると思われます。ただこれ以外の諸条件については、新聞紙上では公開されていないと思います。問い合わせたり、HPの方を精査すればひょっとして公開されているかもしれませんが。
ですので、肝心の質問本文の内容や言い回し、回答の選択肢の数や内容、この辺がどうなっているかは不明です。この手の調査で特に取り扱いが難しいのは、その他的な項目です。分からない、特に支持なし、どちらでも良いとか、そういった微妙な表現の差でも積み重なれば大きな差が出ることがあります。
またこれ以外にも各社による電話調査には致命的な欠陥があります。その調査主体者に対する反感なり共感が如実に現れるという現象です。具体的に言うと、朝日新聞の調査には回答を拒否しても、NHKなら答えるというようなことです。朝日新聞に好意的な人は、つまりは朝日的な価値観にも共感している可能性が非常に高く、その逆は当然逆になります。今回の自民党総裁関連なら如実に出るということは余り無いでしょうが、例えば戦争や靖国問題なら朝日と産経ではポジションが真逆なので、ノイズが入りまくってしまいます。
ということですので、意図的なものが入っているのか入っていないのかは全く分かりません。ただ少なくとも、サンプリングの方法がほぼ一緒で、その他の項目は大体一緒で、主体者がバラバラというようなアバウトな前提なだけでは、結果に有意差がでても当然でしょうということは言えます。
調査の仕方そのものについては、統計学的な見地は有る程度入れているようです。サンプリングの方法だとか、質問内容の適切さ、質問者の訓練等というレベルにおいては信頼できると思います。
ただそれらの結果を比較して検討をするという目的のものには使えないでしょう。元々各社の差を比較するという目的なんて欠片も入っていない調査方法なのですから、調査の仕方に一定の基準があったところで何の意味もありません。
お礼
なるほど、質問する側の問い方、あるいは回答する側が質問者に対する感情等が影響しているのではと言う事ですね。 説得力がある様に思います。 しかし実際どのように問い掛けているのかますます興味がわきました。 実際に調査に携わった人の意見が聞けたら良いですが、 紹介して頂いたサイトも参考にさせていただきました、有難うございました。