悪魔と神様

質問

悪魔はキリスト教では、神様が創造したのですか？
悪魔と天使は立場的には逆ですが、同じような立場ですか？

回答No.2

mapato · ベストアンサー

＃１です。
>悪魔は一人でしょうか？それとも沢山いるのでしょうか？
これは前述しました「天使の三分の一がルシフェルの堕天に付き従った」という話（これは新約聖書の「ヨハネ黙示録」に基づく考え方です）もあるように古来から複数いると考えられてきました。
「すべての天使の三分の一」というのが具体的にどのような数字になるのかについても中世などには盛んに計算がなされ、一説には「三万以上」また「悪魔は砂粒ほどの数存在する」と語った修道院長もいると言われます。
近世に至ってはもっと厳密に計算しようとする者もあって、色々な検討を加えた結果「七百四十万五千九百二十六」という数字が弾き出されたこともありました。

>悪魔は地獄の王様ですか？
これにも色々な解釈があるのですが、一般的には「地獄の王」として「サタン」（これが「ルシフェル」の堕天した姿だと神学者達は考えてきました）という悪魔の首領が存在し、その配下にちょうど天使達と同じように幾層かの階層を持ってほかの悪魔達が存在すると理解されることが多いです。
地獄の様子などはダンテの「神曲」などに詳しく描かれていますのでご興味がおありでしたら読まれてみるのもいいかと思います（直接「神曲」でなくても解説書の類は沢山あります）。

>地獄も神様が創造したのでしょうか？
中々難しい問題ですね。
ダンテの「神曲」によりますとルシフェルが堕天し地上に落下した際、その衝撃で巨大な割れ目が出来た上、その罪の重さの為に地球の中心までめり込んでしまったということです。
こうして「地獄」が出来上がったという訳ですね。
これは何もダンテの独創という訳ではなく中世では広くそう考えられていたということでしょう。
この時ルシフェルが墜落した場所は「聖地エルサレム」の真裏に当たる南半球で、落ちてくるルシフェルを恐れ衝突を避けようと陸地が移動した為、南半球は陸地が少なく海ばかりになってしまったという面白いエピソードが語られています。
こうした話からもわかるように特に中世などでは「地獄」は地球の中心のほうにあると考えられていたようで、そこからルシフェル（サタン）は常に人間を堕落させようと強い力を放っていると言われていたようです。
また、エデンの園でイブ（エヴァ）に知恵の実を食べるように誘惑した蛇もサタンの化身したものであると言われ、そのことによって人間は「楽園」を追放されて苦しみを背負って生きていかなくてはならなくなったとされている訳ですから、流石は悪魔達の首領といったところでしょうか。

お礼

凄く興味深いお話をして頂き
大変有難う御座いました。

回答No.1

mapato

こんにちは。
キリスト教をはじめとする一神教の世界では神のことを「造物主（ザ・クリエーター）」とも呼ぶように、あらゆるものは神がつくったとされています（その後人間がつくったものは別ですが）。
ですから「悪魔」と言えども神が創造したものなのです。
では何故神はそんなものをつくったかというと（ここは初期の教会組織なども大いに悩んだようですが）、「悪魔」は「堕天使」であるという説明がなされました。
つまり元々は神に仕える天使であったが、何らかの理由で不埒な心を起こし天界を追放されたもの達であるという訳です。
この「何らかの理由」についても色々説明がなされますが、よく知られているのは天界で最も優れた天使であった「ルシフェル（ルシファー）」がその力に慢心して神にとって代わろうと反乱を企てた為、神によって天界を追われたというものです。
一説にはこのルシフェルこそ地獄の王にして悪魔の統率者である「サタン」であるとされ、堕天の際には三分の一の天使達がそれに従ったとも言われています（それらがその他の悪魔達になったということですね）。
ほかにも「堕天」の理由として、神が人間をつくった際に天使達に人間に跪くように命じたからというものもあります。
この場合天使達は最初から人間が「善」を体現する存在となれるかについて疑念を抱いていたといわれ、そのことを神に告げたにも拘らず人間が創造されてしまっただけでなく、自分達よりあとにつくられた存在に「恭順の意を示す」という屈辱に耐えられなかったということのようです。
その場合でも神の命に最後まで従わなかった一部の天使達が天界から追放されて悪魔となったという訳です。
キリスト教社会は長いことそのようなことについて考えてきたのでほかにも説は沢山あるのですが、煩雑になってもいけないのでこれくらいにしておきます。
また「悪魔の立場」ということですが、これも色々な解釈があって一説によると質問者さんが仰るように結局は天使と同じであるということも言われます。
つまり「神の偉大さ」「信仰の大切さ」を知る為にはただただ恩寵があれば良いというものではなく、それをより明確に感じる為の「負」の存在が必要であるということです。
神の為に敢えて「悪」であるとか「闇」であるとかの部分を担っている訳ですね。
また人間の信仰を試すことこそが悪魔の役割であるということも言われたりします。
だからこそ悪魔は人間をあの手この手で堕落させようとしたりするという訳です。
結局は人間という生きものは「善を体現するもの」ではない為にその「悪」とされる部分（弱い部分と言ってもいいかもしれません）が「悪魔」に託され、「では何故善なる神がつくった筈のこの世界にそのようなものが存在するのか」ということを色々な人達が長い年月をかけて一生懸命考えてきたので、色々な解釈があるということですね。
大雑把な説明ですが何か参考になれば幸いです。

お礼

大変有難う御座います。
悪魔は地獄の王様ですか？
悪魔は一人でしょうか？それとも沢山いるのでしょうか？
地獄も神様が創造したのでしょうか？