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生物の脳の論理回路とコンピュータの論理回路、多数決論理とAND、OR論理の違い
生物の脳はすべて多数決論理でできています。一方コンピュータの論理回路はAND OR論理回路です。このような違いはどうして発生したのでしょうか? コンピュータがすべてAND OR論理で作られているのでAND OR論理の方が設計が楽なのではないかと思いますが、生物の脳はなぜ進化の過程でAND OR論理が選ばれなかったのでしょうか?
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こんにちは。 神経系の情報処理といいますのは無数のAND回路やOR回路によって構成される「ツリー構造」によって行なわれています。この「ツリー構造」が即ち「多数決論理」であるわけのですが、だからといって、神経回路の中にANDやORが使われていないというわけではありません。当然、抑制性シナプス結合によるNANDやNORも存在します。 ところが、コンピュータと違い、脳ではそのような演算は行なわれていないといいますのは、つまりこれらは全てツリーの根元に向かい集計されるわけですから、枝葉がANDであるかORであるかは出力結果とは直接結び付かないということなんです。そして、これがどういうことかと申しますと、質問者さんの仰る通り、脳はコンピュータに比べてたいへん不正確で効率が悪いということです。 >このような違いはどうして発生したのでしょうか? では本題に入ります。 極めて単純なことであります。 コンピュータのようにAND回路やOR回路を目的に応じて組み合わせるならば極めて効率の良い正確な結果が得られます。ですが、このような設計は飽くまで予め決定されている特定の結果に対し「トップ・ダウン方式」で行われるものです。では、生物の進化では未来の結果を予測するということはできませんので、このようなトップ・ダウン方式の設計は不可能ということになります。 逆に近年では、このような生物の進化における「ボトム・アップ方式」をコンピュータ・プログラムに応用したものが「遺伝的アルゴリズム」であります。トップ・ダウン方式ならば常に目的通りの最適解が得られますが、それ以上の結果は絶対に出てきません。これに対しまして、遺伝的アルゴリズムの手法を用いますならば、それが必ずや最適解ということではありませんが、未知の結果、あるいは不可知な結果さえも獲得することができます。 もしこれがトップ・ダウン方式であったとしますならば、それは生物は神様が設計したということになります。ですが生物の進化とは、常に不可知な結果に対して行なわれるものです。 さて、なぜ神経系の構造が「多数決論理」であるのかといいますならば、それはそもそも生命現象の本質が「エネルギーの積算と解放」という脈動であるからです。心拍、呼吸、筋肉の収縮、全ての生命現象はこの「脈動」であります。エネルギーの積算だけではシステムは稼動しません。これが開放され、元に戻るために脈動という生命現象が成立します。そして、この脈動周期は機械とは異なり、生物独特の不正確なものでありますが、その分「冗長性」があり、外界からの影響に対して柔軟性を持っています。 神経系の「多数決論理」といいますのは十人のうち五人以上ならば採択といったものとはちょっと違います。何処が違うかといいますと、そこには既定の「閾値」というものが設けられており、仮に、例え何十人が投票をしたとしましても、飽くまで5以上ならば「真」、それ以下では「偽」という判定が下されます。従いまして、ここでは票が割れるということはなく、5以上であるならば必ずや一定の結果が得られることになります。 神経細胞の「閾値」といいますのは概ね「100~120mA(電位差)」であり、一箇所からの入力は「1~5mA」、抑制性入力の場合は逆に「1~5mAのマイナス」となります。従いまして、神経細胞の集計が閾値を超え、インパルスを発生させるためには最低でも20から100以上の同時入力が必要となります。 100mAの閾値に対しまして100mAの入力ならば効率良く一発で正確な結果を出すことができます。ですが、「-5~5mA」というまちまちの入力ではお世辞にも正確とは言えませんし、閾値を超えたならばそれ以上の入力は全て無駄ということになります。先ほど申し上げました通り、これは100mAという設計上の値を予め目的としたものではなく、たまたまそれが閾値として利用されるようになったからであります。 この脈動は閾値を超えることによって確実に発生させることができるわけですが、その周期は全く正確なものではありません。ですがその代わり、外界からのノイズ、あるいは「負の周期」と同調してしまうということがありません。もし仮にこれが正確な周期であり、何かの影響と完全に同調してしまいますならば、もはや自然には元に戻りませんし、脈動こそが生命現象の全てであるわけですから、生物の場合はそれがカタストロフィとなり、システムはダウンしてしまいます。ところが、根っから不正確であるため、このようなことはまず起こらないわけです。 このように、脳といいますのは設計効率がたいへん悪く不正確なものですが、その分ノイズに強く冗長性を持っています。そして、先ほど申し上げましたように、それは「不可知な結果」を基に獲得されたものであります。ですから、トップ・ダウン設計のコンピュータとは違い、我々の脳は「未知の可能性」というものを持っています。
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- taronbe
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>以後の発言はご遠慮願います。 こういう所は一種の公共の場であり、主役は質問者や回答者というよりは無数の閲覧者です。質問者や回答者の思ったとおりの展開にならないこともあります。自分の思い通りの回答がないからといっていちいち頭にきていてはやってられませんよ。一応回答者も閲覧者を意識しなければなりませんので。どちらの言っている事がおかしいかは閲覧者の方々が判断するでしょう。 そもそもいい間違いならANo.2で引用したところで指摘しなければわかりません。 >コンピュータに関しては基本素子に多数決論理を使った例を知りません。 まず「多数決論理素子」でyahoo検索をかけ、その1ページ目を適当に見てみましょう。 http://www.biwako.shiga-u.ac.jp/sensei/mnaka/ut/sozai/ai.html 多数決論理素子というのが普通に出てきますがニューロンはこれではなく、閾値論理素子ですね。 特許も数件出ており、活発に研究されていますね。 http://jstore.jst.go.jp/cgi-bin/patent/print.cgi?id=3940 http://jstore.jst.go.jp/cgi-bin/seeds/print.cgi?id=1242 で、子供向けの量子ドットデジタル回路のHPが出てきたのですが、 http://www.nanonet.go.jp/japanese/kids/k-play/qca.html >次は、多数決論理回路です。左端の3つの状態のなかで、多い方の状態が、 >右端の単位セルに現れます。この回路を基本にして、デジタル論理素子の >基本である2入力AND(論理積)回路や2入力OR(論理和)回路も作ることができます。 多数決論理回路が先で、AND OR回路は入力を二つに絞った特殊形のような書き方をしていますな。同じものを違う側面から見ているだけのような感じですね。 というわけでコンピューターは普通に多数決論理素子を使っているように思われるのですがいかがでしょうか?
- taronbe
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質問者さんは既に 「一方コンピュータの論理回路はAND OR論理回路です。」 「コンピュータに関しましても、基本素子にAND OR 論理回路を使ったコンピュータの例を知りません」 と矛盾した事を言いながら、根拠をしめしてくださいという要請に対して全くこたえていません。 その上で「これは教科書レベルの話だと思いますが、これを聞いたことがないとは?」と言われれば、 「じゃ『生物の脳はすべて多数決論理でできています』って教科書に書いてあるわけですね。その教科書を示してください。『教科書レベル』って言っただけで、『教科書に載っている』とは言ってません、というのはなしね」 と対応するだけです。 多数決論理には、まず入力数が決定していること(全体の数がわからないと入力された数が多数かどうか判断できない)、決をとる方法、タイミングが決定していること(全員の賛否が揃ってから結論を出す、というのが普通ですが、当然ニューロンではそういうことはありません)、一入力端子につき一票であること(それもニューロンでははっきりしない)が必要であるため、脳が多数決論理であるとは言えないし、ましてそう書いてある教科書があるとは、はっきりした根拠がない限り信じがたいですね。 それを踏まえた上で。 質問者さんは一番最初に「生物の脳→多数決論理」「コンピュータの論理回路→AND OR論理回路」と定義されましたが、根拠を示さないということはその多数決論理は一般的に言う多数決論理ではなく、AND OR論理は通常使っているAND OR論理ではない。何か別の認識を近い言葉で表現していると推測されます。それに対してruehasさんは教科書的な正しい知識をもとにして説明されていますので、質問者さんの考えとすこしずれると思います。 が、残念ながら私には質問者さんがどのような認識をもってそれらの言葉を使ったのかが今のところ読み取れません。既存の偉そうな用語で代用するのではなく、もう少し自分の言葉でどのような認識なのかを説明していただくと、こちらが何を説明すればよいかわかると思いますので、もう一度脳を整理してから書き込んでみていただけないでしょうか?
補足
> コンピュータに関しましても、基本素子にAND OR 論理回路を使ったコンピュータの例を知りません」 これは単なる書きまちがいです。コンピュータに関しては基本素子に多数決論理を使った例を知りません。 ここはコンピュータがAND OR 論理でできていることはあまりにも常識的な話なので根拠を聞かれるというのはお答えになる気がないと判断せざるを得ません。上のような揚げ足取りでは迷惑です。以後の発言はご遠慮願います。
- ruehas
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こんにちは。 ANo.3です。回答をお読み頂き、ありがとうございます。 >あと、ちょっと思いついたのですが、AND OR 論理だと素子が少なくても済むけど信頼性が必要、多数決なら素子一つ一つの信頼性は低くてもなんとかなる、というのは考えられるでしょうか? はい、その通りだと思います。 コンピュータのAND・OR回路は結果に直結する正確無比のシビアなものですから、素子に信頼性がなければ何の役にも立ちませんよね。これに対しまして、神経系の多数決論理といいますのはたいへんアバウトなものであり、複数の入力によって力任せに閾値をクリアしていることになります。これにより、素子の信頼性をカバーし、何とか確実に結果を出しているわけですが、その分だけエネルギー効率はむちゃくちゃ悪くなります。通常、工学においてこのような設計はありませんが、生物の進化といいますのは100mAという最適値を予測することができないわけですから、これはやはり致し方のないことだと思います。 あと、私はコンピュータには詳しくありませんので、AND・OR回路ならば素子が少なくて済むかどうかはちょっと分かりません。質問者さんの方がお詳しいのではないでしょうか。 ただ、我々動物の神経系の入力といいますのは、とにかく半端な数ではありません。前回答で言い忘れたのですが、多数決論理といいますのは、このような膨大な入力をいっぺんに処理するには適しているのではないかと思います。ありとあらゆる入力にいちいちAND・ORで判定を下しているのでは、これでは素子が幾つあっても間に合いませんよね。では、コンピュータといいますのは全ての入力に対して判定を下さなければ結果を出すことができません。これが、コンピュータの最大の欠点だと思います。
- taronbe
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>ニューロンの入力のシナプスには興奮性の伝達物質を出すシナプスと抑制性の伝達物質を出すシナプスがあって、これにより多数決論理が構成されていることはよく知られていますが、 聞いたことがありません。というか、多数決論理を使うには入力因子数が確定していなければならず、ために因子数を奇数に設定しますが(偶数の場合半々にわかれるとエラーになるため)、ニューロンは入力因子数が確定しないので多数決論理は使えないはずです。何かの勘違いでは? >コンピュータに関しましても、基本素子にAND OR 論理回路を使ったコンピュータの例を知りません。 そうなりますと最初の質問で「一方コンピュータの論理回路はAND OR論理回路です。」と質問者さんが言われた根拠がわからなくなりました。あらためてそちらの根拠を提示していただけないでしょうか?
補足
興奮性の伝達物質が多ければ、ニューロンは興奮するし、抑制性の伝達物質が多ければニューロンは興奮しません。これはすなわち、重みづけつきの多数決だと思いますが。 これは教科書レベルの話だと思いますが、これを聞いたことがないとは?
- taronbe
- ベストアンサー率39% (27/69)
コンピューターは素人なので教えてほしいのですが、 >生物の脳はすべて多数決論理でできています。 これの根拠を探しても見つからないのですが、どこかに根拠が書いてありますか? >一方コンピュータの論理回路はAND OR論理回路です。 ちょっと調べただけで普通に多数決論理素子とか出てきましたが・・・というか、多数決は賛成と反対を集積して多いほうを選ぶだけなので、コンピューターでも普通にできる論理では?
お礼
> これの根拠を探しても見つからないのですが、どこかに根拠が書いてありますか? どこに根拠が書いてあるかと聞かれましても、たんに私が知らないだけかもしれませんが、ニューロンの入力のシナプスには興奮性の伝達物質を出すシナプスと抑制性の伝達物質を出すシナプスがあって、これにより多数決論理が構成されていることはよく知られていますが、AND OR論理というものは聞いたことがありません。 コンピュータに関しましても、基本素子にAND OR 論理回路を使ったコンピュータの例を知りません。 もし、ご存知なら教えていただけますか?
お礼
ご回答ありがとうございます。 AND OR論理で作ろうとすると、ちゃんとした設計が必要ということですね。 あと、ちょっと思いついたのですが、AND OR 論理だと素子が少なくても済むけど信頼性が必要、多数決なら素子一つ一つの信頼性は低くてもなんとかなる、というのは考えられるでしょうか?