こんにちは。
学習によって神経系に発生する主だった変化といいますならば、それは学習記憶の「長期増強」であります。
「長期増強」といいますのは、
「神経シナプス結合の可塑的変化」
「細胞体内でのタンパク質の合成」
このふたつによって行なわれます。
「神経シナプス結合の可塑的変化」といいますのは、繰り返し行なわれる細胞間伝達によって、
「神経伝達物質の分泌量が増える」
「レセプターの数が増える」
「レセプターの受容感度が高くなる」
などの可塑的変化が起こり、これによって細胞間伝達が強化されることです。そして、このようにして形成された神経ネット・ワークを構成する神経細胞の細胞体には「タンパク質の合成」という物理的・化学的変化が発生します。これにより、記憶回路は「長期記憶」として固定されます。
また、勉強や訓練といった学習が繰り返されますと、記憶回路同士の「連想記憶関係」も強化・多様化されますので、正確に思い出したり、様々に応用したりといったことができるようになります。
以上は一般的な体験学習の構造でありまして、小脳や大脳基底核などの運動学習にはまた別なメカニズムがありますので、その点はご承知おき下さい。
お礼
毎度まいど、本当にありがとうございます。 やっぱり脳に関してはちょっと難しいです。 なので、いつも詳しく教えて下さって、ホントに助かります。