「ストレス」の正しい意味は、外部からの心理的・物理的・社会的な
刺激に対して適応しようとする反応のことです。
これは、ストレスの概念を提唱した生理学者のセリエによる定義です。
セリエは、ストレスには「快ストレス」と「不快ストレス」の
2種類あると論じています。
適度なストレス(快ストレス)は、人間を活性化させるものです。
例えば、運動すると疲労のために体が様々な反応を起こしますが、
適度な運動であれば、爽快感もあるし体にもいいですよね。
ストレスがまったくないと、逆に肉体的にも精神的にも
免疫力が落ち、もっている能力や体力が落ちていきます。
マウスを使った実験で、ストレスのないマウスのほうが
短命だったという実証結果もあるそうです。
ストレスが害になるのは、質の悪いストレスが過度に続いた場合です。
また、一見良いできごとと思われるもの(結婚、入学、就職、昇進など)も、
新しい環境への適応の努力や気遣いなどで、知らず知らずのうちに
疲労させる要因にもなります。個人個人の物事の受け止め方、
ストレスへの“気づき”への敏感さが、
ストレスを良いものにも悪いものにもします。